隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

wowowでタカラヅカ

雪組トップコンビの望海風斗スペシャルであった、特別版宝塚プルミエールと、だいもん&まあやコンビが副音声をつとめる「Music Revolution!」の初回放送日だった。
私はテニスのグランドスラム大会観戦視聴が趣味なので、WOWOWはテニス目的だけれども、そういやWOWOWではいつからか、トップスター退団→退団トップを迎えてスペシャル番組と、年間ナレーター交代 の流れをつくっていて、ヅカファンにとってもWOWOWはちょっと時々観たいでしょっていうチャンネルになっているのかな。

「宝塚プルミエール 望海風斗 退団スペシャル」

ゲストナレーションに彩凪翔を迎え、望海風斗・瀬戸かずや・冴月瑠那 という花組時代の戦友と「退団スペシャル」をやるって最初にニュースをみたときは、ああ、だいもんにとっての花組は格別なんだなあ、と思った。ちょうど退団ホヤホヤのあきら&るなくんという仲良しがいて、なんとちょうどいい企画か。
まだまだ現役と変わらぬビジュアル・衣装感の3人が唯一現役時代と違うのは、東京の街にいるところかな。スカステだと本拠地だものね。

瀬戸かずやが大事だった

・ちょっと東京墨田川のほとりを散策
江戸切子の工房で切子グラスの制作体験
・珍しい動物がいるふれあいカフェで動物とわちゃわちゃ
・ハウススタジオらしき広いお部屋に移動して、ゲーム(ストラックアウト)
テーブルゲーム(はぁっていうゲーム)
・ミニセグウェイ体験
・クレープ焼く
・乾杯して食べる
・さらに場所を移して乾杯

っていう番組内容だったかな?終始「女3人寄ればかしましい」のごとく、キャッキャ楽しげでリラックスしていて、みているこちらも楽しかったが、
なんていうかそこかしこで瀬戸かずやの優しさと細かいフォローと、物おじせずトライしてくれる男気のおかげで色々スムーズであったと思う。イッケメーンあきらさんあとすっごい美人よあきらさん。

意外とへたれ 望海風斗

だいもんの愛すべき魅力のひとつに、にこにこと親しみやすくて対人においてとてもやさしげなところがあるかなと思う。しかしフェレットを飼っていた経験があるのにコツメカワウソにはちょいビビり、ミーアキャットエリアには入らず、フェネックにおどおどしながらニボシあげ、爬虫類をなでるのにトライしたら鳥肌と、ちょっとヘタレキャラ。そんななところがスペシャル番組を盛り上げていた。
番組企画内容によってできないとか、無理とかいうと、キャラによっては番組の空気が盛り下がることがあるけれど、だいもんの場合庇護欲をそそるというのか…、明るい冴月瑠那と、スッと先にやってくれる瀬戸かずやがいい感じで、仲良しっていいなあと。

食事風景

タカラジェンヌはいつのころからか、食事を紹介はしても口に入れるところ、食べる様子は見せないことになっている。私は意外とそのことを知らなくて、ここ何年かで知ったときはちょっと驚いたことを覚えている。そういえば坂東玉三郎も、楽屋の食事を紹介した番組に出ても食事風景は見せない、というのをやっていたっけ…と。
起源はわからないが、古風な役者の慣習の名残りなのかしら。
この退団スペシャル番組は、みんなでミルクレープを作っていた。それをトッピングして、切り分けて、切子グラス制作体験で作ったグラスでみんなで白ワインで乾杯していた。
そして、退団の証のように3人は、カメラの前で美味しそうにグラスに口をつけ、お酒に美味しいと喜び、クレープを食べていた。
どってことないシーンだけれども、特別なシーンであった。

副音声にみるOGの関係性

連続して放送された「Music Revolution!」の副音声解説つき。ショー自体は何度も観たけれども、解説付きは楽しい。
ここで視聴者として聴きたいのは、いわゆる裏話。
だいもんと真彩ちゃんはポンポンとよく喋ってくれて、出演者のこともだけれども在団中の話とか途切れなく、振り付けの先生の話を出してこの場面はどういう感じで作られていたとか、そうそう、そういうのを聴きたかったんだよ!とこちらが思ってたことをいっぱい喋ってくれて。とにかく盛り沢山でとってもあっという間の時間だった。

このWOWOWの副音声シリーズは結構歴史があったはず。すべて観たはずだけれども、副音声解説担当するOGの個性が出る。過去最高にかしましかったのは元月組、みやるり・宇月・ゆりのさんの3人によるBADDYだった。あれは腹を抱えて笑うほど面白かった。
今回の二人も日ごろからコミュニケーションが密なのだろうなっていう関係性がとてもよく出ていて会話がとにかくはずんで、副音声を聴いているこちらとしてはとっても気持ちがよかった。
この副音声解説は、参加するメンバーひとりでも黙りがちだとせっかくの副音声解説企画がもったいない。たぶん過去に一番黙ってたのが明日海りお。全然喋らなかったな~。つい観てしまうタイプだったのか、仙名ちゃんがすっごい頑張ってたっけ、歌ったりして。
でも当事者の話が聴ける特別な機会なので、ぜひ今後ともこの副音声企画、続けてほしいな。







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天海祐希の『Kitsch』

いや、ないと思ってたんだけどあったんですねぇ…変則的に。

なにげなくみていたら

いつか録画していた、95年のマニフィークタカラヅカ(’95TCAスペシャル「マニフィーク・タカラヅカ」)。ここ最近で言うところ「タカスぺ」ってやつですね。
元々は「TMP音楽祭」。その後「TCAスペシャル」という冠に変わって2007年まで続いてたイベント。この時代までは主催が当時のTMP、その後のTCAが担っており、宝塚歌劇団の主催イベントではなかったのよね~。同じグループなれど別会社だものね。
昔のほうが無茶苦茶やってたのでファンには嬉しかったと思う。SNSのない時代ならではというか。現代では、多忙すぎるジェンヌの酷使が過ぎて寸劇もさら~っとしたものになっちゃってたものね。
それに学年が離れているトップ同士の会話も、なんかどこかおおらかな時代。上下関係の厳しさみたいなものは変わらないと思うのだけれどもね。

そんなタカスぺの前身、「TCAスペシャル」の第一回が1995年。
花組真矢みき
月組天海祐希
雪組一路真輝
星組麻路さき
という、当時子供だった私にタカラヅカはあまりにも遠かったけれども、ちょっと思い入れのある時代のメンバーだった。宙組ができるちょっと前のこと(もうお花さまはおられる)。

この年は阪神の震災があり、宝塚歌劇にも大きな影響があった。月組の大劇場公演が中止になり、その一部をこのTCAスペシャルで救済上演することとなった。
第一部が月組中心で、第二部がいわゆる音楽祭的な、いつもの各組がテーマにそって様々な歌やダンスを披露するスペシャル構成であった。らしい。

色々レアな

この公演では天海祐希の女装も観られ、見事な歌を披露している(衣装はイマイチ…なんでシースルーで水玉模様なんぞ…)。で、その前にさらっと披露されたのが「Kitsch」。
月組「EXOTICA!」の再演部分なので、しっかり見るにはその公演の「第13場エキゾティカ・ゴールデン・ファンタジー」を参照すべきか。
なーんか聴いたことあるな?という音楽に乗せて、銀橋をひょいひょい歩いてくる3人のキラキラした男役。

ダイヤの男 : 天海祐希
ブルーダイヤの男 : 久世星佳
黒ダイヤの男 : 真琴つばさ

という…その名の通り(通り?)、ターバン巻いてエキゾチックないでたちの3人。全然エリザベート感のない、歌詞も全く違うアラビアンキッチュ。なんでこれ出したのかな?

私にとって天海の前トップ涼風真世が最初に「ときめいた」スターであったし、その前の剣幸もテレビ観劇してたかなあ、だいぶ子供だったので細かい記憶ないけれど。この辺の記憶があって、なんとなくいまも月組びいき。このトップ3の銀橋なんちゃってキッチュは、今みてもやっぱりゴージャスで。天海祐希が超イレギュラだったからアレなんだが、三番手の真琴つばさが、轟悠と同期だからね。
天海祐希を支えた久世星佳もまたこれが何でもできる人で。

イケコがエリザベートに出会っているのは1992年。日本初演雪組一路真輝の退団公演)が1996年。この「EXOTICA!」は95年の年明け2月から大劇場で上演予定で、東宝宝塚劇場では6月から公演された。つまり94年には公演のお稽古がはじまっていたはずで、94年にはエリザベート自体の上演権がまとまっていたんだろうね。
もっともファンは一切そんなことは知らないわけで…、単なるエキゾチックな男役トップ3のキラキラしたワンシーンの曲にアレンジされ、オリジナル歌詞で「Kitsch」は使用された。よっぽどこの曲がお気に入りだったのかな?
どうせなら普通にルキーニっぽくやってほしかったかな~。みてみたかったなあ…このころの天海祐希でのルキーニ。

印象って大事(ほっとなふたり…)

観ました。

タカラヅカ・スカイ・ステージ 開局19周年夏のスペシャル「ほっとなふたり、とっておきのひととき。」

ま〜、ちょっと過半数の組で軽く事故ってたシーンがあったようななかったような。
アフタートークをやるならば、いっそ副組長たちの反省会がよかったよね!

待望のれいまど

動いて喋るツーショットとしてはこれが初の柚香光&星風まどか。なにげにいちばん注目してましたけれど、完璧なまどかに5組のなかで1番態度がイケメンだった柚香光…

え、この2人の愛憎劇とか激しいショーとか早く観たい…

星風まどかが何で完璧と感じたかというと、これから組む相手のことをリサーチしてきてるよな、というそつのなさと、カメラ目線というよりも横に座り正面にたたずむ柚香光からできるだけ視線をはずさず、しっかり見ていた点、そしてめちゃくちゃ気を遣いつつも相手の出方をとにかく注視していた様子。なんだかお見合いみてるかと思った。
それくらい初対面な感じが結構あったのが意外。すでにあれこれ動きがあってコミュニケーション取っているのかと思いきや、やっぱり稽古場に入るまで・入ってからでないとろくに顔を合わせる機会がないんだなあと。今ならオフタイムの交流禁止のようだし、なおさらだろうな。

すっかりリズムをつかんだ星組

ロミジュリ前のCD発売特番ではピリついていた様子もどこへやら、いちばん和やかで、肉体言語チームだった星組。なにげに副組長の白妙なつさんが、あんなにお姿が品位あふれるのに筋肉系の喋り(ナニソレ)で、面白かった。
コンビ仲よさげでいい感じ!ていうよりも、この星組そして礼真琴はお祭り系とか、こういう番組の回し・雰囲気を掴んで盛り上げたり楽しんで見せることがとにかく上手なんだなって。
番組として一番成立してたと思う星組。あとノースリーブの舞空瞳ちゃんに握力測定させた子だれ?めっちゃいいでしょ…。
あと、あ、この組これはいいな、と思ったのが「私たち女の子」な空気がとってもいいさじ加減で出てたこと。そこを肯定しないとね宝塚歌劇は。
男役上位主義だなんだいうても男女性の上下を作ったり女を否定してはいけない。あんなカッコよくやってるけど若い女よ~ってのを、こういうオフな雰囲気の番組で自然に表現することは、意外と重要なメッセージではないかと思う。

急募!ツッコミ役 な月組

いやね…
私ね……、いま一番好きな組はどこかときかれたらそれは月組なんだけれども。珠城りょうは「挨拶がとても上手に綺麗にできる人」であっても「喋れない」てのをね、ちょっと忘れていたのを、今回しっかり思い出させてくれた。
2人喋りの相手が樹里咲穂レベル(つまり最高クラス)にうまい相手で、ようやっと2人喋りができるのかな~?珠城りょうは。
相手の話をしっかり聴いているし観察しているのは間違いないけれど、「相手の好きな食べ物3ついえるか?」というのはよっぽど意外な質問だったのか、眉間にしわは…なんかでてるでてる!と思った。はじめてみたよあの表情。

かつて、美弥るりかちゃんが「りょうちゃんは話のオチがない」てのを笑いながら突っ込んでいて、さらに解説として「面白い話があるんですよー!」て話をしてくれるんだけれど最後にいつも「え、で?」てなると。これ、先に「面白い話があってー」とか「怖いことがあった」とか最初にいう話し方は、会話術でアウトなやつであり、お笑い芸人が笑いを取る(場を盛り上げる)ときに絶対やらない話し方として指導されるやーつ。

美園さくらはなんだかんだ、珠城りょうが各質問にどんな反応をするのか全部わかってる様子でしたね。おとなしすぎだよって思ったけれども性格か。
ゲームコーナーの折り紙は企画が失敗でしたね。画面に拡大比較させられないとは…。
理数系の美園・カンのいい珠城のコンビなので、WOWOW番組のようなパズル系の方が盛り上がったのでは?と思ってしまった。

(不思議ちゃん×天然ちゃん)×クソ真面目=月組トップコンビ で、いいんじゃなかろうか。
どっちも受け身な会話をする子なので、2人喋りには相性が悪いんだね、珠城りょうと美園さくらは。役回り上、しゃしゃり出ていくわけにはいかぬ副組長含めて、ツッコミ不在でした。

実は雪組もツッコミ急募

月組ィィィと全国の月担がアワワしていたと思われるYES・NOコーナーのあと雪組の番になって、まさか彩風咲奈ちゃんがほぼ珠城りょうくんとおんなじリアクション取るとは思わないじゃない?思わないじゃなーい。

YES・NOの回答はほぼ珠城りょうとおんなじ調子。もうちょい相手を意識するのかと思いきや、珠城りょう同様に忖度なし!
さかのぼればこの男役としてクールなノリは雪組らしいのかも。っていまイメージしてるのは杜けあき一路真輝とかあのくらいからなんだけれど。

決して守備範囲からはみでない、とってもきちんとした朝月希和に対して、なんていうか執事不在のくそ坊ちゃんみたいな、坊ちゃまー!とツッコミをしたくなる彩風咲奈も、回答の様子だけ見たら結構な塩っぷりで、珠城りょうと変わらないのになんでかだいぶ印象は違うよね、と思った。なんだあのおっとり。
まあ職場の同僚しかも後輩の好きな食べ物なんて知らないわね。私も知らない。

リアクション女王爆誕宙組

ここまでキャーと笑ってとりあえずなんか言ってくれると間が持つし、相手しやすいよね、潤花。
副組長の松風輝(まっぷーさん)がマカゼと同期なだけあってここの息がやたらあっており、「まっぷーさん+マカゼVS潤花」が実に面白い構図だった。
潤花って抜擢は受けてるけれども全然優等生キャラじゃないというか、バカキャラというとちょっと違うか…まあ毒のないこと。

10秒で相手の素敵なところ3つ言えるか?のお題ってそれほど難しくなる想定ではなかったと思うの。番組的には。でもこれをきれいに二人ともやりきった宙組
ここまではいいのだけれども、相手の好きなものとか全然把握してなくて、特に潤花、リサーチもしてなかったなていうのが無邪気にわかっちゃう。
最後の、コーヒー紅茶問題は、まっぷーさんとマカゼのきれいな「ぶっぶ~」がハイライトでした。そこで外すとは番組の盛り上がり的にはわかってる潤花。
でも新トップ娘役としてはどうかな!でもそこがいい。

5組横並びで、同じようなレクリエーションをやるならば

各組、やることが同じではなくそれぞれにカスタマイズされていたところには「変に比較して優劣を感じてほしくない」という意図があったかと思う。
にしてもYES・NOに、YESという答えを強要するかのような「○組は最高だ」とかあったのにはちょっと疑問。話膨らんでなかったよねぇこの質問から。もしかしたらカットされてただけかもしれないけれどもさ。
やたらノリのばらつきがあったのには、バラエティ番組のノリが必要だ、と感じて実践していたのが星組のみであったためと思う。たぶん、雪や月には「これはバラエティ番組としてキャッキャウフフでノリよくね」て指示があれば、その通りやったんだと思う。星も雪月も、方向が真反対にちがうけれど無邪気であった。

自分としては正直なところ、どの組もそれぞれその場の自然な感じが出てたとは思うけれど、もう少し番組としてきちんと振り切ってほしかったかなと思った。
番組Pにもっと締めてほしかったなあ。ぬるい番組であった。


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星風まどかと珠城りょう

体育会系で真面目な印象の2人…

そんな、なんかちょっと似てるところがあるような気がする、と思っていた2人。

1年でエースで4番だった2人

とにかく劇団からの推し(急速育成モード)が強かった珠城りょうと星風まどか。
星風まどかは音校時代から注目され、組まわり中に最初の抜擢を受ける。その後、組配属3ヶ月目のタイミングで初新公ヒロイン、そのまんまペースがおちることなくあっという間に宙組トップ娘役に。そしてこのたび、専科を経由して組み替えトップ娘役就任という、このうえなく責任の重い役割を背負っている。

一方珠城りょうの方も、イレギュラといっていい爆速トップ就任のため、人より険しいタカラジェンヌ人生を歩み、いまようやく誰よりも高いところへ到達し最高の作品で卒業という花道を歩んでいる。
先日スカステで再放送されていた、ラストプレイ新人公演のトークショーに、新公卒業という研7でダメ押し新公主演の明日海りおと出演していたけれども、あれ本来は新公ヒロインと出演するトークショーなのに、えらいきゅるんとした新人珠城りょうがお披露目されている番組になっていた。
当時の月組はトップ娘役不在。作品的にも娘1不在。男1と2の物語だったからそういう登板だったとはいえ、その男2を研2の彼女が勤めるというのは、男役が受ける抜擢としては超特大級。
そしてこの新公は評判良かったと記憶してる。

どちらの役割も誰もができることではない、特にまじめで責任感の強い子が、それぞれ重たい役回りに選ばれたのかなと思う。

宙組トップ娘役 潤花爆誕

現在好評の宙組公演。演目としては新しいトップ娘役を迎えてのコンビお披露目となっているが、リアルタイムにつぶやかれるSNS上では完全にまかキキコンビの評判>>>まかじゅんの評判。
トップ娘役のチェンジ公演であるから、潤花といきなりいちゃいちゃするような演目や演出は避けたいところだったと思うが、それは成功した模様。ただ…
ただ、「まかキキ」コンビ売りを今更強めてもどうすんのかしら、と思わなくもない。もう結構長くみてるんで……
にしても、作品の傾向と、前任とのキャラの大きな違いによって、潤花のデビューは成功した。よかったね!

これまで一切興味の持てない娘役で、好悪の感情もとくにない子だったんだけれども潤花。スカイレポートの舞台終演後のインタビュー映像で、けらけら笑いながらうまく喋る潤花はとっても良くて好感度爆上がり。あのー…、彼女の「カッコいい…♡」がめっちゃ軽くていいよね(笑)。世代なのか本人のキャラなのか、なんか軽いもんだからお慕いにも見えず、距離感が団扇降ってるファンに近くて、面白さの方が勝つ。
上級生でトップたる真風涼帆が、組替えしてきたぴよぴよ下級生の新しいコンビ相手を支えるのは当然の役割としても、潤花の怖いもの知らず感は組替えしてきたからこそかなと思うし、天真爛漫さを発揮できる性格は強み。
ちょっと厳しめの表現をすると、しょせんよその子だからこそ許してもらえるところ に、潤花は最大限のっかっている。
いまの空気感をつくることは生え抜きの星風まどかをはじめとする宙組の娘役にはできないことだったと思う。村じゅうの人が、よそからやってきたお嫁さんをうんと大事にする感じかなあ…そんな風に見える。
潤花はこれから満開になる娘役で、今後どんな役と出会っていくのか楽しみ。

対比しやすかったので気が付いた

同じマカゼの相手役を務めることになった星風まどかと潤花とが同じ時代にいたことで、あ、こんなにも違いってあるんだなあと、鈍い自分でもようやく気が付いた。
特に星風まどかが、とてもとても部活の後輩感が強い子だったことに、ほんっとに今更気が付いた。もともと優等生でしっかりした雰囲気だけれども、ナウオンなどで話を振られても決してネタを振り込むことはしない守りの堅い子、星風まどか。まあ、ナウオンていうあの場は本当に…アカギでもみている気分になる私。誰が何を振り込むのか、誰が鳴いて誰がテンパるか、ざわざわしちゃう。雀卓よあそこ。
マカゼに対してえへえへうふうふと笑う潤花を見たからこそ、あー星風まどかってめっちゃくちゃマカゼとは先輩後輩で、押忍!てノリが根底にあってこその立ち居振る舞いだったなと。
1年エースに選ばれ甲子園レギュラーにも選出されたけど一所懸命球拾いしますなノリの星風まどかだったのだな。※個人が抱いた勝手な印象です。

後輩が抜擢されること

なんだかんだ宝塚歌劇では日常茶飯事というか、新人・若手の抜擢って普通のことに思う。ファンは大騒ぎするけれども、内部では常に試験やオーディションがあるわけで、外からは早い抜擢にみえることも、内部からは妥当なことなのかもしれない。そんな中でもいまの星風まどかやここまで珠城りょうが担ってきた役割が「1年が甲子園でエースで4番」っていうとんでもなく大きなものであったよね、て感じるのは、現実にそんな野球選手は、マンガにしか出てこないレベルなわけで。珠城りょうも星風まどかも、本当にど根性である。尊敬する。
そして一人は卒業、もう一人は第二シーズンにはいる。
どちらもこの先の道が桜咲く花道であってほしい。



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桜嵐記 夢想ばなし

実は芝居のあらすじと配役が発表されてから、ずっと地味に引っかかっていたことがある。
「ハテ、高師直というのはあの忠臣蔵高師直のことだろうか」
と。
いろいろと記憶が混同していたので、今後また混同しがちなの自分のためにもきちんと整理しておかねばならない。

私にとっての高師直

結論から言うと、私が思っていた高師直と、桜嵐記の高師直は同一人物であった。私の記憶は(ざっくりと)間違ってはいなかったけれども、忠臣蔵は史実のほうではない。人形浄瑠璃・歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)」のこと。
忠臣蔵」という名前で広く知れ渡っている「赤穂事件」は江戸時代の初期に実際におこった有名な事件で、これを題材にしたフィクションが「仮名手本忠臣蔵」。

当時の事件をそのまんま芝居にして上演すると幕府にめちゃくちゃ怒られるから、太平記南北朝時代を舞台した戦争物語)に時代を移し、主君の敵討ちをした(一応そういうことになっている)47浪人をヒーローにして、登場人物の名前も全部書き換えてフィクションにした仮名手本忠臣蔵は、足利尊氏とか高師直など太平記に登場する実在の人物も名前をかりて太平記のエピソードも借りて、独自にアレンジされたキャラとして登場している。太平記忠臣蔵も、何百年も人気が続いている物語。特に歌舞伎版の仮名手本忠臣蔵になじんだ自分にとっては、高師直といわれると「ああ、あの冒頭の黒い着物のエロおやじ(※エロおやじだけど品位もバリバリで、でも色欲むんむん)…」とまあ、そのイメージがよぎる。

紛らわしくも共通するキャラクター性

史実の方の主人公はご存知「大石内蔵助(おおいしくらのすけ)」。
これが仮名手本忠臣蔵では「大星由良之助(おおぼしゆらのすけ)」となる。フィクションの命名センスが良すぎるといつも思う。
桜嵐記の高師直を知ってから、あらためて思い返す仮名手本忠臣蔵のはじまりは面白い。

色めく高師直

仮名手本忠臣蔵に、悪役で敵役として登場する高師直は、もちろん女好き。
仮名手本忠臣蔵の物語は、「大序(だいじょ)」という、とっても儀式めいた特別なプロローグからはじまる。

舞台は鶴岡八幡宮(鎌倉)。尊氏が討ち取った新田義貞の兜がぶっちゃけ本人のものか分からなくて、現物をみたことのある、元宮廷の内侍を務めていた美しき人妻、その名も「かおよ御前」が呼ばれる。彼女はその名の通り顔が良い。そして兜あらため(持って帰ってきたものが本当に新田義貞のものか鑑定する)のために登場した彼女のことを、以前から目をつけていて鼻息荒く狙っているのが高師直。この冒頭シーンでは桜嵐記の後村上天皇登場シーンのように、鶴岡八幡宮の境内という神聖な場所にずらりと武士大名が並んでいるが、顔をあげてかおよ御前のほうを見ていいのは高師直の役だけ、と決まっている。
高師直は、この厳かで重要なイベントのさなか、人目を避けてそっとかおよに手紙(ラブレター)を渡す。

この高師直の、かおよ御前に対する一方的なアプローチがその後の刃傷沙汰につながる事件の芽となる。

……若干うろ覚えの仮名手本忠臣蔵のプロローグを思い出しながら書いていて、アレ?
なんとなく桜嵐記に通ずるものがある。

物語の種

桜嵐記では、弁内侍に目をつけた高師直の心を汲んで、仲子(白雪さち花)が弁内侍を罠にはめるべく偽の手紙を使う。この誘いを罠と知りながらも親の仇討ちのためにのこのこやってきた弁内侍は道中、楠木正行と運命の出会いを果たす。
一方の仮名手本忠臣蔵高師直はその後、かおよ御前から手紙の返事で振られ、その腹いせに塩谷判官(えんやはんがん。史実では浅野内匠頭)に思い切り八つ当たりをしたのでブチ切れられて額を斬られ、これが例の殿中でござる!でここから、武士一門の滅びの物語がはじまる。

それぞれ全然違う話なのだけれど、どちらの武士の物語でも高師直がキャラクタとしてとても強いからこそ話がごとりと動いたと、そんな説得力の増す存在。
高師直太平記仮名手本忠臣蔵とそして桜嵐記でも、登場人物としてとても作者に好まれているキャラだと感じる。人気武将ね。

かおよ御前と弁内侍と高師直

歌舞伎では顔世御前と書く。
顔世御前が良くなければ、高師直が是が非でも欲しいと思わない、それが無いと物語のはじまりに説得力を欠いてしまう。そして高師直という人物は、人妻の顔世御前がわざわざお手紙の返事を書いちゃうような、ちょっと困ってしまうような色気の無視できない男でなければならない。

弁内侍は美園さくらへの当てがきだという。
桜嵐記の高師直にとって、単に若く美しい娘なら湯殿チームで間に合っている。「公家の、できるだけ身分の高いお姫様が欲しい」という欲望も祝子が自ら落ちてくる状態で、こちらも間に合っている。はたして弁内侍をなぜ高師直が欲しがるのか。紫門ゆりやの「わしはあれがほしい」という台詞が説得力を持たねばならない。
高師直には弁内侍がどう映ったのか、詳しくは描かれていないけれども、ただ桜嵐記を観る自分には、たしかに弁内侍がほかの公家の姫様の中でちょっと変わった子に見えた。

「仇討のために罠に飛び込もうとする」「武士の行軍にもついてゆく」「料理がんばる」「血をみても耐えられる」などの、ただのお姫様たちとはちょっと違う子として実際にお芝居で描かれていく弁内侍だが、その姿を実際にみて惹かれていった楠木正行と違って、弁内侍として行宮で勤めているうちに目をつけていたとみえる高師直は、やっぱり普通ではない。




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そういえば宝塚歌劇の特別なところ?

考えてみると非常に目立つ特徴なので、舞台を観慣れている人はお気付きと思う。
私は、前から感じていたオヤ?ていうこのことを、最近やっと理解できた。

珍しい…

宝塚歌劇団の舞台は日本最大級。
まあ1番大きな劇場として、ちょっと前に収容人数8000人というバ…巨大な劇場がいまありますけれども、でかけりゃいいってもんでないわけでこれは例外として、宝塚大劇場は大きい。
東宝宝塚劇場も大きい。
どこの劇場もセリやオケボックスや盆廻りができるわけじゃないものね…

それなのにあんな大きな劇場で凝った舞台装置使った多彩な場面転換で、宝塚は大道具さんが舞台に一切出てこない。

見せない工夫

大きく多様な舞台装置があるからこそ、かなりな合理的な仕組みを活用して、場面転換でスタッフがお客の目に触れないで済むように、気配を殺しているタカラヅカ

観ているこちらの感覚としては、場面転換での装置交換に対して「素早く」「面白く」「安全第一に」転換されることが理想で、無理矢理スタッフさんが隠れなくてもとは思う。

素早くというのは、物語の流れやこちらの没入感が切れて我に返らないうちに転換してほしい、という思いから。

面白くというのは、最近では雪組fffでめだったが盆廻りと上下左右にセリがフル活用で、場面や時代が動くと、見た目にも楽しく感じるしワクワク感が増す。ピガール狂騒曲での、客席の位置が真逆になる演出とか、装置の面白さだと思う。

そして安全第一は、もう絶対。舞台の安全のためならスタッフさんが何人出てきてくれて構わない。

特別な空間への配慮かな

宝塚歌劇団の裏方は男社会(スタッフ男女比では圧倒的に男性)というのは、何十年も前から言われているし、舞台装置などの技術屋さんについても男性の方が多いと思われる。それが、本公演中のスターたちと絶対に同時に一緒に見せないようにしていることは、世界観を守るためかなと思う。

それも演出か

そういえば歌舞伎座。私がタカラヅカの次によく観てきた舞台。あそこも大きい舞台で、盆廻りもあるし舞台装置はとても精巧かつ立派。
そして歌舞伎の場合は、役者にも黒子さんが付く演出もあるが、場面転換で黒子さんが出てくることも普通にあるし、大きく装置転換させるとき、ちょっとした幕を引いて、裏側でトントン釘打つ音が響く。
体感にして1分くらい、場面転換のために中断する。ちょっと鳴り物も奏でられたりして。トンカン、トンカン、とテテテテテンという太鼓とが混ざるそれも演出。

そして幕がサッと開くときは、それまでの物語的な流れを多少傍において、バーン!とみせてワーッと拍手する。こちらもとっても特別な演出だな、そういえば。

昔…

天海祐希トップの時代のこと。
とある照明舞台装置がタカラヅカにやってきた。それは某ショーの某場面で導入され、当時、若いというか子供だった自分には、ただの蛍光灯並べたやつ、にしか見えなかったけれど…確かとっても新しい、スゴイものだったらしい。わざわざその装置を紹介する映像あって、天海祐希自身が紹介してたものね。

その後、私が気が付いた限りでは1回か2回…別の演目でも再利用されたっけな……?
海外公演にも持っていったはず。
それっきり。

最近は映像や照明演出の技術も色々と進化して、そうした最新の技術的なことも取り込まれて舞台演出は組み立てられるわけで、ある程度パターン化している各演出家の表現も、実は色々とバージョンアップしているはず。

そういや

大階段の電球はもう、割れてないですね。
何年か前に割れないスゴイやつに切り替わったらしいけれど、かつては、よくみるとあちこち灯りが欠けていた。ジェンヌさんのヒールにやられてたそうな。

マックロクロスケじゃないけれど、日々鑑賞しているあの大きな劇場の舞台の隅の暗闇をつつくと、闇に溶け込むスタッフさんたちがたくさんひそんでいるのねぇ…

いつもありがとうございます。



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星組公演 『礼真琴ショー』を配信視聴した

初日から雨、公演期間中ずっと雨、というせっかくの舞浜公演が雨まみれとなった星組公演。
しかしこれは星組と礼真琴が雨男雨女だったからではない。隣の舞浜ボスが雨男(ランド・シーの新作ショー初日はいつも雨)だから仕方ないのである。
友達がちょうどその「クラブマウスビート」をウキウキで観に行っていて、土砂降りに降られておりましたけど「いつものことだから」って言うてた。強い。

星組歌って踊る公演

コンサート形式をやるならいまの星組はぴったり!舞浜もぴったりだしアンフィシアターみたいな劇場もぴったりで、なんていうか華々しい公演でした。
画面からもそれは伝わってきた。
しかし『VERDAD(ヴェルダッド)!!』は、礼真琴とその仲間たちショーで、ものすごい真ん中っぷりだった、礼真琴。

どこまでも

歌ヨシ踊りヨシ同期トークヨシ。
あー星組っぽいな!とビシバシ感じた。ポスターは柚希礼音みを感じたけれども、中身は別物。本人の芸風も別物。
ダンスコンビの舞空瞳とバリバリ踊るのかなって思ってたけど違ったなあ、と。もっと、とにかく真ん中が礼真琴、で、その中心の星を取り囲む星組メンバーって感じにみえた。
「礼真琴と星組の仲間たちショー」てのが一番印象としてしっくりくるかなあ。礼真琴が完璧だった。

シナーマン

私のシナーマンは北翔海莉なので…
いやでもこの難曲ってなにげに、誰が歌ってもそれぞれ個性というか、そのスターだけの輝きが出ていいよねって思う。これは会場で聴きたかった。

あとなんかボックスで会場をぐるりとするやつは、配信で観てるとなんかこう、なんだこれ?なんだこれ?てちょっとおもしろかった違う意味で。アンフィシアターは何年か前に、ライブで言ったことあるんだけれども、近いようで遠いのよね…。

小芝居

版権上難しい曲のさわりだけでもなんとかできないかの打開策だったと信じている。
でもこれまでみたあの手の寸劇のなかではよかったと思う…。

マノン組がいないと

組の雰囲気がまた違うなと思った。かたや感情移入しづらい厄介メロドラマ、かたやキラキラ舞浜ショー。振り幅すっごい。
瀬央ゆりあは、私ずっと前からこの子イヌ系だな(ファンの方ごめんなさい)て思ってた。顔立ちはノーブル、立ち姿優等生、シックな芝居が似合う、で喋ると急に気さく過ぎる女子で、私にはなんかもうちょっと抜けてるところとごはん大好きなのが愛嬌なビーグル犬に見えて。でも誤解カナと思ってたけど違ったみたい。やっぱり。明るくて憎めないなんか抜けてる感じ(雰囲気です)のスターさんだった。
その瀬央ゆりあが大活躍してこの公演のように礼真琴と全身で絡んでコンビ感だす舞台になるとは思ってなかったので、とっても新鮮。
同期コンビが目立つから全体的に若い空気で、ひとつの組が分割することでそれぞれ違う顔がみえるのも、魅力のひとつだよねと再認識。公演数が少なく生観劇が難しいことがちょっと残念。

マノンのほうは配信みられなかったけれども、どーしても好きな話ではない(話だけね)のだがSNS上では「ロドリゴ働いて」で盛り上がってたので観たかった。
愛ちゃんを堪能しそこねてしまった。

星組はさらに婆娑羅組にも分割。こちらもねぇ、いいよねえ…。

3分割を思えばなかなか少人数だった舞浜組だけれども、そんな風には見えなかった、実に楽しそうな舞台だった。




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