隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

望海風斗というタカラジェンヌ

予定通りなら、望海風斗さんが「元トップスター」になる日まで半年もなかったんですね。
今はめどが立たないですね。第一、急いで退団したとて、退団後の予定が「結婚」でもない限り、いやそれすらもステイ状態でしょう。退団後の仕事も動かないだろうし、私生活も移動が困難な時代ですし…。

そんなある日のこと…望海風斗さんがコンサートでお披露目予定だった新曲、「夢を集めて」が配信リリースされました。
早速ぽちって購入しましたけれど、短いのが悲しくなるほどのいい声。メインのサビよりも、Aメロ・Bメロ(であってるのか?)部分のメロディや歌詞や歌い方、声も、ぐっとくるものがある、と私は感じました(AメロBメロ>>>サビ というのが私の好みでした)。

この一曲でまたしても、私は望海風斗さんがなんという歌手なんだろうと驚いたし感動しました…!

ナオトインティライミ という人のことは私、名前しか知らないんですよね。曲はもしかしたらきっとどこかで聴いているんじゃないかなとは思うけど、超有名な人みたいだし。でも意識して知っている人ではない。
こんなに知らないのに名前を認知されている「ナオトインティライミ」という人はつまり、それほどすごい人だってことですね。


私がそもそも、何十年もテレビでタカラヅカを楽しんできていたのに、急に生舞台がみてみたい、と衝動にかられたのには、「望海風斗の歌声」に突き動かされたということがあります。
その曲がディズニー映画の「そばにいて」で、個別のジェンヌさんや舞台そのものへの歓心がだいぶ薄らいでいた気持ちを引き戻したきっかけにもなりました。

この「そばにいて」も今回の「夢を集めて」にもより強く感じさせられたのが、望海風斗という人の表現力。
いや、今更ですがすごいですよねこの方。
こんなにもその曲を分解して理解して表現を構築する現役タカラジェンヌはいないんじゃないかなぁ。

だから声にぞくりとする。
思えば望海風斗さんはいかにもな男役歌唱をなされない方。音域を低くされているとは思うのだけれども、無理感ないのは、鍛え方と自分の喉をよく理解して、無理感をとうにクリアされているのでしょうね。
そして、たぶんものすごくまじめに真摯にその曲に合う声を発生してくる筋の通った強さ。
イヤスゴイ。

いくつか生舞台も含めて観られるようになった昨年末から、雪組の舞台を自分なりにかみ砕いているうちに
「純粋な歌唱力は、真彩ちゃん>だいもん なのではないか」
と思っていたことがあります。

理由は、汎用性というのか、卒業後に、仮にこのお二人が一般芸能界や舞台に殴り込みをかけた場合に、真彩ちゃんのほうが
ずっと使い勝手がいいよね、て思ったこと。
真彩ちゃんのあの声は武器。ディズニーの吹き替えも四季もNHKうたのおねえさんでもいけるリリカルボイス。

って思っていたんだけれども、雪組トップを歌唱力だけで比較するのは、 スゴツヨとスゴツヨの比較みたいなもんで…

で、もしかしたら純粋歌唱力はまあやちゃんのが数値化したら上なのかもしれない、なんて思っていたのだけれども、この「夢を集めて」を聴いたら、ふっとんだ。

望海風斗のすごいところは表現力だと。
表現者の評価というものがもしあるのならば、それは一定の技術力があることは前提にしても、表現力なんだなあとあらためて実感させられました。真彩ちゃんがどうということではなく、望海風斗が凄い。

この歌・歌詞・制作現場で共有されたテーマに即して、こういう声を乗せて表現する ということを実に的確になされているのでは…とぞくぞくした。

なんだこの声?! と思ってウワアとなって、なんでこんなにぞっとしたんだろう?から考え出すと、この曲をつくった人とうたった望海風斗さんが目指した表現のためにものすごく時間を使ったことが想像できたのです。

私が好きだったGRANRODEOさんというミュージシャンの歌のタイトルに「変幻自在のマジカルスター」というのが
あるんですが、私の望海風斗さんのイメージはもう、これ。

変幻自在のマジカルスター 望海風斗 大好きです。


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