宝塚歌劇に目が慣れてくると、目立つトップスターや、メディアがピックアップする男役よりも、娘役の役割が重要だということに気が付く。
何せ、舞台上で男役を男らしくかっこよく見せているのは、娘役がいてこそ、という面が大きいから。
さらに娘役芸というのは、男役のジェンヌさんがそうであるように、娘役のジェンヌさんもまた、研鑽を積んで磨かねば一朝一夕に身につくものではないらしい。
最近、ほおおおと、ちょっとおもしろく思ったことが2つ3つあって、
まず、真矢みきさんが「スカイ・ステージ・トーク リクエストDX#66」にて、自分を対談相手に指名した柚香光さんが「娘役さんがかわいくて」というような発言に驚き「ええ、かわいいっておもうの?」と引いていたシーン。
無邪気に「かわいくて」なんていうカレー君に対し、真矢みきさんは「娘役さんをかわいいって思えているならあなたは大丈夫」みたいなこと言うてたんですよね。
これたぶんすっごく、ジェンヌさんにとって大事な要素なんじゃないかなあ・・と、幕内を観た気分でした。
真矢みきさんはそもそもファン時代がないことを公言していらっしゃるので、こういう発言がきっぱりしててよいなって思う。
そしてもうひとつ、「七海ひろきのときめきタカラヅカ#7」にて、潤花ちゃんと対峙したカイちゃんのとまどい。
「久しぶりの娘役さんなので」
とちょっとどぎまぎされておりました。
退団1年足らずの七海ひろきさんでも、久々に見ると戸惑う という「娘役」「娘役芸」というのは相当なのでは、と実感した場面でした。
そのときの潤花ちゃんはといえば、にこにこしてたたずんでご挨拶したくらいのものでしたからね、なおさら、外部に出るとよっぽど異質な芸なのだなあと感じたのです。
外部舞台のオーディションなんかではこの元娘役の持つ娘役芸(キラキラ)がだいぶ目立つらしいのは、オーディションで同席した役者さんからきいたことがあります。「あれはすごい」という表現をされておりました。
宝塚はいまだに「男役尊娘役卑」で、娘役がちょっとでも前に出ているとみるとたたかれる、「客の目」が閉鎖的な世界。
娘役がバリバリにやりあう舞台も観たいもんです。