宝塚歌劇新体制の顔…のようなフレッシュな印象を感じるこのふたりだけど、星風まどかは3年間宙組トップ娘役を務めているので、トップ娘役としてはベテランですね。若くて童顔だから忘れちゃう。しかし、フレッシュ若手超路線トップ娘役として、若い!かわいい!で勢いをつけて潜り抜けてきた道は終わりを迎え、ベテラントップ娘役として専科から花組へと組み替えする星風まどかの任務ははたして、噂のあの演目の為なのか。でもあれを異動1作目でやっちゃうと、星風まどかもう卒業しちゃう勢い。
一方で、ポスト星風のように超路線としてトップ娘役へ一気に躍り出た舞空瞳の仕事はどこまでなのか。
タヌキ顔の天使たち
星風まどかは相手役が真風涼帆であったため、その面立ちの童顔さが強調されてみられたが、劇団好みのザ・タヌキ顔のかわいい系美女。
そして舞空瞳も、相手が礼真琴じゃないとどうにもならないってくらいに小さいお顔の「ザ・かわいい」でありタヌキ顔美女。
この二人の娘役は、洗練度合いや完成度が、低学年のうちから高かったと思う。
星風まどか
2014年、宝塚歌劇団に100期生として入団
2015年、組まわりを経て宙組に配属
2015年6 - 8月、『王家に捧ぐ歌』(本役:実咲凜音) 新人公演初ヒロイン
2015年10月、『相続人の肖像』(バウホール)バウ初ヒロイン
2016年5月、『ヴァンパイア・サクセション』(ドラマシティ・KAAT神奈川芸術劇場)東上初ヒロイン
2016年7 - 10月、『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』(本役:実咲凜音) 新人公演ヒロイン
2017年6月、『パーシャルタイムトラベル 時空の果てに』(バウホール)バウヒロイン
2018年1月、『WEST SIDE STORY』(東京国際フォーラム)トップお披露目公演
2018年3 - 6月、『天(そら)は赤い河のほとり』『シトラスの風-Sunrise-』 大劇場トップお披露目公演、エトワール
2018年7 - 8月、『WEST SIDE STORY』(梅田芸術劇場)
2018年10 - 12月、『白鷺(しらさぎ)の城(しろ)』『異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-』
2019年2月、『黒い瞳』『VIVA! FESTA! in HAKATA』(博多座)
2019年4 - 7月、『オーシャンズ11』
2019年8 - 9月、『追憶のバルセロナ』『NICE GUY!!-その男、Sによる法則-』(全国ツアー)
2019年11 - 2020年2月、『El Japón(エル ハポン)-イスパニアのサムライ-』『アクアヴィーテ(aquavitae)!!〜生命の水〜』
2020年8 - 9月、『FLYING SAPA-フライング サパ-』(梅田芸術劇場・日生劇場)
2020年11 - 2021年2月、『アナスタシア』
2021年2月22日付で専科へと異動、同年7月5日付で花組へ異動し柚香光の2人目の相手役としてトップ娘役に就任予定
入団当初から高い期待を寄せられ、抜擢…というよりも、とにかく最初っから、入団時点で次期宙組トップ娘役にする気で育てられ、必要な経験を積んでまっすぐ一直線に宙組のトップ娘役へ。お披露目からこの異動前まで、実に恵まれた子だなあ、と思う。
相手役の真風涼帆も将来必ずトップへと期待を寄せられていた御曹司だったが、2021年に2代目の相手役を迎えて続投の予定までは、就任時には決まってなかったのではと思う。たぶんアナスタシアまでだったのかな?という説が有力だけれど、あらたな相手役と新たな魅力が発揮されることはファンにとって実に喜ばしい。
また、星風まどかのケースは就任年の早いトップ娘役にとっても良いことしかないと思う。いちいち添い遂げてたらもったいないうえに、やはり組む相手が違えば相当違うはずなのだ。舞台は。
で、舞空瞳。
舞空瞳
2016年、宝塚歌劇団に102期生として首席入団、星組公演で初舞台後、花組に配属
2018年7 - 10月、『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』(本役:仙名彩世) 新人公演初ヒロイン
2018年11 - 12月、『メランコリック・ジゴロ-あぶない相続人-』『EXCITER!!2018』(全国ツアー) 全国ツアー初ヒロイン
2019年、星組に組替え
2019年7 - 10月、『GOD OF STARS-食聖-』『Éclair Brillant(エクレール ブリアン)』 新人公演ヒロイン初エトワール
2019年11 - 12月、『ロックオペラ モーツァルト』(梅田芸術劇場・東京建物 Brillia HALL)トッププレお披露目公演
2020年2 - 3月、『眩耀(げんよう)の谷〜舞い降りた新星〜』『Ray-星の光線-』(宝塚大劇場) 大劇場トップお披露目公演
2020年7 - 9月、『眩耀(げんよう)の谷〜舞い降りた新星〜』『Ray-星の光線-』(東京宝塚劇場)
2020年11月、『エル・アルコン-鷹-』『Ray-星の光線-』(梅田芸術劇場)
2021年2 - 5月、『ロミオとジュリエット』
2021年7月、『VERDAD(ヴェルダッド)!!-真実の音-』(舞浜アンフィシアター)予定
2021年9 - 12月、『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム!』予定
うーん。彼女が礼真琴の相手役に内定したのはいつなんでしょうねぇ。礼真琴も柚香光も抜擢されまくってさっさと2番手になってしまったので、このタイミングでトップスターに就任することに「なってしまった」けれども、彼女たちのためにちょうど良い相手役というのを、星組は入荷したての新鮮な子を、花組は花組の伝統なのか、路線娘役をスライド就任させました。
この二人はこうして、これまでの舞台歴をみても、ちょっとかわいそうになるくらいすさまじいプレッシャーの中、ヒロイン経験を積まされていますね。
トップスターとの相性
星風まどかは、組替え含め何でも経験してきた真風涼帆が相手役で、トップと2番手も仲のよい一期違いで、それがまた宙組という一番あたらしい組。
舞空瞳は花組育ち、星組へ異動して、史上最も何でもできる子、礼真琴の相手役に。組みはじめの初々しいカップル感はどこへやら、現在がっつりロミジュリやってて、こう、コンビとしてぐっつぐつに詰まってる感な雰囲気がこちらにも伝わってきておりますね。3年組んでる星風まどかの安定感とは雲泥の差。
比較するなら同時期にトップとなった花組の柚香&華コンビとか。でも、花組トップコンビと比べちゃうと、星組トップコンビとしての礼&舞空コンビが冷え冷えしてみえてしまう不具合。花組のいちゃいちゃ売りも特に萌えはしないが、ロミジュリ発表後くらいからよっぽど厳しい修業中なのか、スカステでは礼真琴が全く相手をみないので、ちょっとよろしくない感じ。いや、礼真琴ってもっと相手役をちやほや持ち上げて明るく駆け抜けそうなイメージを作ってると思っていたんです。同時に、(ギャルらしく)超体育会系であることはわかってましたし。
でも舞空瞳も首席入団でダンサー。同じ体育会系として見た目だけでない相性の良さを劇団側は期待したんでしょうが、ロミジュリまでの私の感想は、「案外相性よくないかも」ですね。
それぞれの魅力
星風まどかの魅力は、たくさんあるけれどもアナスタシアではやっぱり、圧倒的ヒロイン感ときれいな歌声に魅了されました。
一方で、滑舌の甘さと台詞がはしる癖が気になる。
舞空瞳の魅力は、抜きんでたダンス能力とあの笑顔。そして滑舌の良さがかなりの武器。
一方で、一番の課題と思われるのが芝居や表情のつくりが一辺倒に感じるところ。
この先、この二人は同期トップの礼と柚香という2人のトップスターの相手役として、あらためて横並びになる。礼真琴は長期トップと予想されているけれども、舞空瞳はどうなんだろう。彼女も将来的にどこかの誰かの相手役にスライドして、礼真琴も複数の娘役と組んでみるのかな。星風まどかのように、舞空瞳だって充分にやれそうだが。
柚香光の性格は存じ上げないが、星風まどかとの相性もよさそうだし、例の演目だけでなくもっと色々やってほしい。しかしながら、花組と星組の若き95期トップが、どちらも5年くらい在籍するということも考えにくい。宝塚のトップスターは卒業までが仕事だし。次代を考えたら二人とも長期ってのも。
でもこう、花も星も上級生2番手体制で、星組の2番手は礼ロミオを食える愛月ひかる。彼女ってなんかずっといそうだし、替えの効かない個性。この先どうなるかさっぱり。
魅力的な娘役たち
今度雪組のトップ娘役になる朝月希和は、先日、大変魅力的すぎるポスターが発表され期待値が爆上がり中。新トップ咲ちゃんはできる子…。
その相手役を務めるひらめちゃんのこれまでもWikipediaで確認してみた。
朝月希和
2010年、宝塚歌劇団に96期生として入団、月組で初舞台後、花組に配属
2013年8 - 11月、『愛と革命の詩(うた)-アンドレア・シェニエ-』(本役:蘭乃はな)新人公演初ヒロイン
2015年10 - 12月、『新源氏物語』(本役:花乃まりあ)新人公演ヒロイン
2017年3 - 4月、『MY HERO』(TBS赤坂ACTシアター・シアタードラマシティ)音くり寿と東上Wヒロイン
→2017年雪組に組替え、ヒロイン経験なし
→2020年花組に組替え
2020年1月、『マスカレード・ホテル』(シアタードラマシティ・日本青年館)東上ヒロイン
→2020年雪組に組替え
2021年4月12日付で、彩風咲奈の相手役として雪組トップ娘役に就任予定。入団12年目でのトップ就任
ヒロイン経験だけ抜き出したら、うんと後輩の舞空瞳よりはるかに少ないの。これがタカラヅカのシステムなのねぇ。
しかし忙しい組替え歴から、彼女が劇団の信頼を得ている実力派であることがわかる。花組異動時点で雪組に戻ることが決まっていたのか、やはり色々あったのか、それはわからないがお姉さまトップ娘役の活躍を期待。
舞空瞳や星風まどかとは、持ち味が異なることから、宝塚歌劇の彩りを豊かにすることができるだろう。
タカスぺが復活するのかわからないけれど、今年の年末のトップの顔は、なんというか相当、意外なことになりそうだが、その中心の顔となるは、やっぱり星風まどかかなぁ。