隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

どこを観るかという話

SS席がすべての観客にとって絶対いいかというと、そういうことでもないらしい。
人によっては2階席センターブロックあたりの前方で、とにかく俯瞰して観たい人もいれば、多少観づらくても金額との折り合い第一で、安い席が満足度高いという人もいるし、好きな役者の立ち位置の都合で上手より、下手よりどちらかに寄りたい人もいるし、どこでもいいやって人もいる。

私は断然SS席がいい派

私は断然、舞台が近くて観やすいSS席がいい(当たらないけど)。
というのも、私は役者の顔の表情をよく観たい気持ちが強いので、できるだけ舞台に近いところで観たい。視力が悪いので、眼鏡だと後方席ではなかなか観づらく、オペラグラスの場合、メガネの着脱(私の使用しているものは裸眼でピントが合うオペラ)がせわしないので、ある程度近いとありがたい。

一階14列目あたりからだと、視界よしオペラグラスよし。
一階20列目あたりでもまあいいけど細かい表情はあんまり見えなくなる。

ただSS席2列目に座った時は、そりゃあトップスターの奥歯もみえるんだけれども、そのかわり、70余名がうわっと並んだ迫力の全体像というのは、近すぎて霞む。

あと興奮して瞳孔が開いた状態での観劇となる為、SS席は記憶に残りづらいのも難点。

宝塚の2階席は楽しい

ムラで一回、東京でも一回かな?2階席で観劇したときの思い出は、
「よく観えるしジェンヌさんたちが気を付けて目線くれるし楽しい」
だった。
友会頼みの私のチケはほぼ一階席の10番台半ば以降の列のことがほとんどで、このあたりはなんというか、観やすさは平均的なんだけれども、全てのジェンヌの目線が素通りするエリアである。

タカラジェンヌたちが視線を投げるのは必ず
・最前列エリア
・一階後方
・2階席
・関係者の席
に限られている(と私は感じる)。

たとえ最前列エリアに座っても、ほとんどのジェンヌさんは常に動いているので、ふんわり撫でていくように視線を撒いているといつも感じる。

例外もある

宙組のエルハポンとアクアヴィーテのとき、私はSS席2列目くらいだったか。
あのときは、自分の顔に何かついてるのかと疑うほど、トップスター真風涼帆がしっかりとこれでもかと銀橋でてくるたびに何度もこちらの目を見てくれるので、もうそれしか覚えてないってくらいになった。
他のスターさんたちはニコニコさあっと過ぎるのにね。流石。

あと月組の暁千星。外箱公演と本公演で舞台にかなり近い席に座れたとき、暁千星はこちらの視線にすぐ感づくというか。
ありちゃんをじっと観てると、スッと、チラッと見返してくるような感じがあって。大体のジェンヌさんは、基本的に舞台上で観客という全体を観ても個を観ることはないと思うのだけれど、
ありちゃんは色々めざといというのか視界が広い人なのかなと感じた。勝手に感じただけなんだけど。
ありちゃんの視線キャッチ力はアイドル的だわぁといつも感じる。

舞台全体

月組の桜嵐記とDC観劇の際、ムラで2階席に座ってはじめて、DCのオープニング、舞台全体のさらに周辺を、宇宙って感じの虹色の照明が投影されていることに気がついて、とても美しく大きくてため息がでた。
この演出の全体像が観られたのは2階席のみであった。

タカラヅカは開演5分前に幕撮影タイムがはじまる。ここでどんなものを見せるかってのは結構、これからはじまる舞台のテーマが色濃く反映されているのでは?と思う。
桜嵐記では、2階席から全体を見てはじめて、絵巻物をみているかのような紙芝居を観ているかのような舞台のふちどりの飾りの効果に気がついた。

一方、歌舞伎は

歌舞伎座では9月の第三部(歌舞伎はコロナ以降、通年1日三部に分かれた上演となった)にて東海道四谷怪談坂東玉三郎片岡仁左衛門のコンビで上演される。
発表時からファンがどよめいた演目・キャストで、チケットはほぼない。
一般でようやく取られるチケットは、2階一等席という「高くて観づらい席」しかなかった。

私はぐぬぬとなりながらも、高くて観づらい2階席の上手寄りブロックで僅かに残っているチケットを一枚購入した。15000円。あの席では多分花道は、ほぼみえないだろうなぁ…
千鳥配置での販売なので、少しは視界が広いはずだが。

私は20代のころ歌舞伎座に通った。
あの劇場は曲者で、値段と見やすさが全くと言っていいほど伴わない。4000円程度でめちゃくちゃ観やすいいい席と、15000円でも歌舞伎の醍醐味である花道が一切見えない席があるという魔窟である。

どうもその数々の失敗経験から、「一階の前の方がいいや」という価値観を持つことになったのかもしれない。

小劇場なら絶対、1番後ろの方がいいんだけれどね。後ろでも近いから全体も観やすいし。

いずれの場合でも、私はいつも劇場で注目しているのは役者。その顔・表情になる。
細かいのはみえなくとも芝居全体を後ろの席でみて100パーセント楽しめる領域には、なかなか辿り着けない。



にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村