隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

ジェンヌとカツラとお化粧

タカラヅカ の内輪の話を、OGさんの語りや本やらファンの話などで徐々に知った時期、結構びっくりしたことが

・専門のメイクさんがいない(自分でやる)
・カツラは自分でオーダーする
・メイクとカツラの出来でめちゃくちゃファンから言われる

の3点であった。

舞台化粧とは

そもそもの話だが、映像の仕事と写真撮影にのみ専門のメイクがつくのが、芸能界の原則であった。
タカラヅカも歌舞伎も小劇場も大劇場も、舞台役者はみんな自分で舞台化粧をするのが当たり前なのだった。

普通のメイクもなかなか難しいもので、ギャル資質な女の子がうんと若いうちから化粧したがるが、ハッキリ言って、それくらいのうちから練習しておかないと、自分の顔に合うメイクは20歳でイキナリできるものではない。

ましてや舞台化粧は絵を描くのと同じ。

役を演じること、役として舞台の上で生きることは好きだけど、化粧はあんまり…ってタイプはきっと、一定数いるんじゃなかろうか。
それでも上手くならないといけない、舞台化粧も役作りと言われるのだろう。
役者は色々できないといけなくて、不器用ではやっていけなかろう、大変なことだ。

化粧の上手い下手は、常にファンからチェックされている。下級生でうまい子は必ず噂にあがるし、路線やトップや、トップ娘役や路線娘役の化粧の出来はチェックされていて、ファンコミュニティのその手の話題の多さを知った時、化粧の出来に毎回細かいなんてオカマかよと思った。二丁目界隈で飲んでた時代を思い出した。
あっちもこっちも大変よね。

カツラの誤解

いまだに「タカラジェンヌのカツラは自腹」という誤解がされているのを、SNSでもチラホラみかけることがある。

最近卒業したOGインタビューにもあったけれど、タカラジェンヌは別にカツラを自腹で作ってはいない。

音校を卒業し、無事入団して晴れてタカラジェンヌとなったら、みんな、いくつかあるかつら屋さんの中から「自分の御用達」を一箇所決める。そこで頭の型を取り、今後のカツラはそのかつら屋さんにオーダーすると決める。

一つの演目で4個分のカツラ代が歌劇団から支給される。実際に作るカツラは、役柄のイメージに合わせて演出家の指示に従って、作る。
本人がこだわりたい、もっとカツラを付け替えたいわ、なんて余裕があれば、自腹きってまでカツラを用意することは自由だが、全て自腹なんて事はない。

でもこのカツラのケアを怠っていると、客席からファンがめざとく見つけて「あの子のカツラ、ボサボサ!」という悪評がたつことになる。
カツラやウイッグの出来は、娘役ならばその娘役芸のレベルの指標のようにみられていて、
これまたマジでファンコミュニティは厳しいなと思った。

オカマのねえさんたちも巻き髪の出来に厳しいので、ファンてみんなオカマみたいだわね、とカツラに関しても思った。
ジェンヌってほんと大変。

外部とタカラヅカの違い、あたま

ふと気がついたけれど、外部の舞台、カツラを当たり前のように作るなんてのは、それこそ歌舞伎くらいではないかしら。
中小劇場の舞台ではまず、カツラはみかけない。そもそも鬘を作らねばならないということは、衣装も時代がかっているわけで。
なかなかそこまで予算が割かれた舞台は、珍しい。

望海風斗が出演で話題のイントゥザウッズの、サイトメインビジュアル…キャストが並ぶその画像をみても、鬘使っているのは望海風斗だけの模様。
だいもんも、地毛にも見えるけれどおそらくウイッグか鬘かでしょうこれ。
逆に、他のキャストは、なんで素の頭なの?役づくりしないの、あたまは?
っていうふうにみえてくる。

でもこれが普通。

タカラヅカは特別なことがいっぱいなんだな、たくさん、何年も観ているつもりでも、気づいてないこともたくさんあるんだろうな。






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