隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

宙組ズカロー劇場をやっと観た

演出家の野口氏が自分もコブラのコスプレしてメディアに出るのはずいぶんとまあ、ビジュアルに自信あるんだなと感心しましたよ(作品愛だとはわかってるけどスゴイ)。
それぐらい、やっぱりマカゼにしかできない作品だったなと…95期?ムリムリ。立ち絵の大きさが必要だもの。そういう作品であった。

そもそもでいうと

ハイローって全く知らなかったんだけど、タカラヅカみたいなもんなんだなと解釈した。「LDHの存在の知名度は高いけど個の名前まではわからずハイローは知らない」「タカラヅカ知名度は高いけど今誰がいるとか観たことはない」ていうのがソックリな状態のそれぞれのシマ。

喧嘩グループが5団体もあって、その紹介だけで時間がかかるよな…と、初見ながらすぐにそこが気になった。まさか、桜木みなとが中盤さしかかるまで物語に出てこれないとはね。とはいえ実際のところこれ以上、第二弾などの展開は無理があると思った。

殴り合いの果てというのは、オチが弱い

原作のハイローがどうなのか知らんけど、喧嘩の果てに何があるのか、弱い……。
大勢で殴り合って、で? そもそも男子が好きな喧嘩(殴り合い)ってオチはどこにあるの?逃げたら終わり?動かなくなるまで殴れば勝ち??

これがやくざ抗争であれば殺傷能力の高い銃剣持ち出して相手の組をつぶして彼らのシマを奪う理由がはっきりしている(カネと利権)なので、殴り合うことに利益があるが、ハイローというコンテンツは、そういうやくざジャンルとは一線を画すわけですよね。たぶん…。実際、肉弾戦だった。

争いの火種について、「隣」というだけで気に入らない・隣り合っただけで殴る理由がある てのはまあ、わかる。男子中高生のやんちゃなのってそういうものだった。メンチ切るのきらないのって。喧嘩したいから喧嘩するみたいな。

荒廃した世界の抗争が激化してるエリアでぶつかり合ってる連中… そこにいろんなドラマを作りやすいのもわかる。だから原作LDHでは色々作品展開できるんだろうし展開して広げたいからそういう世界観で作っているんだろう。今回タカラヅカとコラボというのは非常に面白いコラボであったし、とってもかっこよかった。
ただ私が弱い(もったいない)なと思ったのは、舞台上で大量の役者が殴り合いシーンを演じても、もうこれ以上のものは展開できないよね と。
今回のズカローは、抗争には直接関係のない「カナが死ぬ(※登場時点でわかっていること)」てことに主人公コブラが立ち会うという前夜ばなしだからなんとかなったけど、これ以上はもう…。

オバチャンにはこの殴り合い物語のオチってなくね?という点がちらつき(殴りきって勝った結果、殴らない生活がやってきてめでたし とかいうことにはならないのがもうわかりきっている)、これ以上のコラボはもう難しいだろな(新展開ができない)という感想を持ったが、それは今回のズカローが舞台ショー化として十二分にやりきっていたから ということでもある。
このズカローは最高だった。だが次はないな、と。

一番よかったところ

各組がそれぞれのカラーでどーん!と出てくるところはどこもかっこよかったけれども、特に気合を感じたのはダルマ一家の、和傘と大太鼓のシーンでしょう。篠笛ですかね、超かっこよかった。しびれた。
そして、じりじりと、本編にいつでてくるやら心配になるくらいだった桜木みなとのグループの登場シーンの楽曲とダンスは、本公演最も力がはいっているシーンその2であった。

全体的に、普段舞台であまりやらないタイプのダンスがたくさんあって、なんていうかみんな生き生きというのか、楽しそうだな~なんてちょっと思った。こちらの贔屓目ではないはず。

誰がキラキラであったか

ライブFWMではこのズカローのプレお披露目があり、そこでキュンキュンにぎゅんぎゅんしたのはホワイトラスカルズ。ようはキキちゃんの出来上がりの良さ、キャラとの親和性。キャーカッコイー!!となった。本公演でもそれはそうだったのだけれども、ぐっときたのは 桜木みなと。
なんか身体弱そうだけど大丈夫なの? ひたすら歌とダンスが良かったという意味で、物語としてはあんまり活躍できなかったかな。あの荒廃しまくりの街もなんなんだろ。

非常に目立った存在であったのが、ヒロイン潤花であることは間違いないが、まだ最初の台詞前、群舞の段階で、後姿が妙に魅かれる子が一人いて、誰だろう?とオペラで追っかけたところ、これが山吹 ひばりであった。群舞のなかで、背中だけなのにちょっと発光していた。びっくり。

あと、これはショーでも気になってあとでチェックしてしまったけれども、やけにキラキラしていたのが鷹翔 千空だった。こんなに魅力的でしたっけ…。
ショーのほうがもっとキラキラしてた。あとショーでのメイク、ソラカズキ風味があった。前からだったっけ?ハテ。

他、つくづく美人だなと思ったのが水音 志保。あの髪型だと、遠い席のオペラグラスではイマイチ誰?となったのが天彩 峰里。
あちこちで、目立つのがいるというか向こうからこっちのオペラグラスに入ってくるぞ、という勢いを感じたのが瑠風 輝。これで卒業となる留依 蒔世はまだまだ、力を持て余しているような、もんのすごいポテンシャルであった。


宙組公演を観ていて、これまではジェンヌの名前と顔があんまり一致せず、誰だっけ、となっていた子も今回はピントが合ってきた感じで面白さが増した。
あと、確実にパワーアップしてるなこの組とも。トップコンビの退団発表があって、内部も色々動くことになるのだろう、このメンバーの公演は今回限りとなるしやがてまた異動もあるはず。なんだか全体的なポテンシャルがとても高かったし、あとちょっとしたシーンでのコーラスのうまさはやっぱりダントツ。

いま、観劇初心者に一番おすすめしたい組は、この宙組だなと感じた。




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