隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

「月城かなとの月組」②

この日の観劇はSS席4列目。阪急貸切お高いぜプランによるお席。家賃みたいなお値段だったんだから1か月あの席で観劇させてくれないだろうか…。

舞台に近い席だったのでおかげで、ショー開幕時に、なんかシルエットがおかしなくらいにわさわさしている人々がスタスタ、板付きのために暗闇の中、進んでくるのがわかって開幕前からテンション上がった。

ショー「Deep Sea」

タイトルが発表されたときは意味深に思えたが、内容は別に意味深でもなかった。
ストーリー仕立てといってもいいくらいストーリー性みたいなものを感じたがちょっとそこが重たい気もしたのは、つい先日、対照的な印象だった野口先生のアンシャントマンを最前列で浴びた後遺症のせいもあると思う。

今回この公演ははじめての観劇で、席はSS席と舞台に近くてどこをみりゃいいのかキョロキョロしたり。花道にスターたちが並ぶときは、真ん中のれいこちゃんをみようにも真正面に並んでくれるスターたちが気になってしょうがないわけで。
全体の印象としては、芝居もショーも海乃美月が超・充実期というのか、キラキラを通り越してもう、月というより太陽。そりゃもう輝いていた。

デュエダンでまとっていた、ヅカの娘役のお衣装の中でも最高なんじゃないかって思う一着である、黒いベルベットぽい生地にラインストーンが縦ストライプを描きつつ背中の、肩甲骨の間あたりに向かってストライプが集約されていくようなデザインの、あのドレスが本当にきれいで素晴らしい着こなしで。

欲を言えば…がっつりダンサータイプなスターとガシガシに踊ってほしかったな。あのお衣装で。

ショーで印象に残ったもの

風間柚乃のソロ歌唱
・彩海せらのキラキラとダンス
・千海華蘭の白い歯と相変わらず童顔とのギャップでこっちが照れちゃうダンスでのキメ顔
・ちなつさんの美しい姿
・6人の真珠の女たちが全員スゴイかわいいしキレイだしあのシーンが楽しかった。じゃんけんはまあどっちでも。
・その後一人で出てきた真珠うみちゃんがダル・レーク以来のへそ出しで、お衣装のテンションもそっち系でふいに懐かしくなる
・礼華はると彩海せらが真ん中でリードする若手中心のダンスシーン。これまた月城かなと版ダル・レークのときのフィナーレの若手ダンスシーンを彷彿とさせた
・3本ろうそく持ってうみちゃん上手から出てきてのシーンは。最初は珍しいタイプの小道具持ってきたな、と思っていたけれども全体的にとても美しいシーンだった。
・ロケットでなんか黒髪の魅力的な子がいる!とチェックしたら涼宮蘭奈ちゃん。
・ぎりくんを見つけると嬉しい
・まのんちゃんをみると保護者の気持ちになる(ブエノスアイレスの後遺症がなおってない)
・きよらちゃんのエトワールはやっぱりすごかった

変わっていく

今回は組長も退団されていく、という思いもあっていつもより一層、変化を感じていく過程を味わった気がする。そういう思い入れがどうしても、観劇に影響した。
他のスターたちの組替えを受けて、あ、前よりちょっと目立たない立ち位置になったかな、という子もいたと感じるし、若手のなかにあらたなる輝きを見つける体験もした。

今後の月組娘役戦線の中心にいるだろう彩みちるの登場によって、推し方が強いのかそうでないのかわからないでおなじみ、あましちゃんはどうなるのかなって気になってたけれど、今回のショーにおけるあましちゃんは「あ、あの子の立ち姿きれいだな」て思ったらそれが彼女だった~なんてことが何度かあって、より洗練されているような印象を持った。

本公演で卒業するかれんちゃんと蘭世ちゃんは、毎度、ショーではちょっと目立つポジ にいて、銀橋渡りがあったポジションの子たちなのだから、次の公演ではその位置に新しい顔がたつことになる。常にそういう入れ替わりを観てきたはずなのに、卒業するのかあ、もう観れないのかと、寂しさのほうが今は強い。

ショーにおけるトップスター

楽しくて面白くて充実と満足感たっぷりのショーとは、なんだろうなぁ?とちょっと、DeepSeaを思い出しながら考える。
別にトップの歌とかダンス力でそれらが決まるわけではなくて、それはあくまでオプションみたいなもの。ショーそのものの魅力と満足感は、衣装や音楽も含めたとにかく総合的なもので決まると思う。
だから、トップスターがガシガシ踊っても踊らなくても、それぞれ魅力的なショーになっているのならいいと思っている。

でも私のショーの好みとしては、どうやら、真ん中が踊る方が好きらしい。勿論、タカラヅカの歴史においてはいろんなスターがいて、れいこちゃんより踊らないスターはいた。けれどもDeepSea。もっとも重要な見せ場のひとつであるデュエダンのタンゴに、私は満足できなかった…。うみちゃんの衣装が最高だっただけあって余計物足りなかった。

そもそも私は月城かなとが好きである。ただショーのれいこちゃんに対する自分のなかの偏見が消えてくれない。
彼女が踊っているのをみると「怪我の影響はもう大丈夫なのかな」と余計な心配をし、デュエダンであんまり踊っていなかったら「やっぱり怪我の影響であまり踊らない(踊れない)のかな」と余計な心配をする、そういう余計な考えがよぎってしまい、まー、無心で楽しみたい気持ちに水を差し邪魔をしてくれる。

充実期とか変革期とか

月組っていま充実期なのかね?
正直よくわからなかった。むろん充実していないということではない。なんかずっと変わらないテンションのような気がする。
このいい意味での高め安定って感じ、メンバー変わるよ、退団・卒業メンバーに思い入れがあってなんだか普通に観られなかったよ、といいつつも、総合的な感想は「いつもの感じ…」という感覚は、月組が職人的といわれるゆえんだろうか。
SS席4列目に座っても、S席15列目くらいのいつも座るエリアとあんま変わらなかったかも(いい意味で。ほんとにいい意味で)。どこに座っているお客様にもひとしくタカラヅカをお届け感が満載であったよ。

ただ、確実にいえることは、うみちゃんが舞台人生における超充実期を迎えているのか、一番輝いていたし目立っていた。あとフツーに使われまくっていた。
少なくとも私がみた回の輝き・働きともに「トップ」はうみちゃんだったなぁ。

しかし、れいこちゃんはやっぱり非凡な人で。芝居でもそうだが、うーん?と感じた次のシーンではわわ~と喜ばせてくれる。
いまの月組は「月城かなとの月組」なのだ。そのマイペースな感じがなんというか、よくもわるくも…この公演に色濃く出ていたように思う。

月組の月城かなと」か「月城かなとの月組」か、それが問題、なのか?

もう一回、本公演を観られる予定なのでとにかく色々もう一回確かめねば、と思った。




にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村