星空美咲の和装は想像以上に美しかった。
頭部が小柄なので、百人一首の絵の美人画のようだなぁなんて、アレ時代が違うけれどもそんなこと想像しちゃったりした。
蒼月抄のポスターも、あらためてみかえしてみても、美しいねぇ。全員美しい。
政略で結ばれたけど穏やかに良好な夫婦関係
平知盛と明子。明子はいきなりトンデモ発言をしますけれども、ちょっとは父親の命とか一門の心配せぇよとツッコみたくなるまっすぐさと賢しらさを表現しないことには、知盛がトゥンクとなる機会がなかったわけで。お似合いでしたわね。二人が心を通わせるあの裏庭みたいな場面の舞台装置にあった塀にめり込んでいるような池の絵が気になってあんまり頭にはいってこなかったけれども……。
背景絵。壁に穴が開いているのかと思ったら岩だったし、奥行きが描かれていた小さな滝というか、水の流れがつけられた池の絵。あれ、塀の手前にあるもののはずなのに壁にめり込んで次元がゆがんでいたね。そこばっかり気になっちゃった。
上手と下手にそれぞれ咲いていたピンクの花も、あれはいったい何の花だったんだろう。
アジサイか?とおもったら花弁がでかくてチガウ。薔薇なわけもなく、ウーン、この時代にもありそうで花弁があんな風に重なってて…芙蓉の花か?
この時代にもありそうな花であの華やかさはきっと芙蓉だろうな……そんな風に庭について気になっていたら、いつのまにか知盛と明子の心が通じ合ってた。己の意識散漫さに反省である。
でもぉ~。
舞台の真ん中に出てきて心を交わせばいいのになんで主人公二人が下手側からろくに動かなかったのか?
この場面は貴重なラブシーンなのに。すごく静の場面でしたねぇ。
ちょっと調べてみたら、芙蓉の花には酔芙蓉という種類があって、朝に白、昼間にピンク、夕から赤へと、白から赤に変わる様が、源氏の白旗と平家の赤旗になぞらえて源平の興亡のうつろいのようだとか、芙蓉の花はひとつの木に赤と白の両方の色の花が咲くのを源平咲きといい(そういう植物は芙蓉だけではないけれど)、白と赤=源平カラーっていうのは共通認識だったようで。ではあの、知盛と明子のラブシーンの庭に咲いていたのはきっと芙蓉に違いない。
最近気が付いたこと
特定のジェンヌさんが好きとかその逆とか、また見知らぬ人がとあるジェンヌを「○○は~」とダメ出しみたいな発言をしていると、そのジェンヌの特別なファンでなくとも結構な苛立ちや腹立ちを感じる人が多い。私もそう。
このブログはできるだけ感じたことを率直に書き残したいと思うが時にそれは意図せず誰かのファンを傷つける表現になってしまうこともあり、かといって正直に感じたことを全く書かないというのも、いったい何なんだとも思うので、表現(言い方・書き方)にはできるだけ気を付けたいと心がけている。至らない表現に対し寛大に受け止めてくれている、本ブログをみてくれる方にはいつも大変ありがたく思っている。
タカラヅカそのものが好きじゃない、嫌いっていう意見は、食べ物の好き嫌いや関東と関西、北と南といったご当地の好き嫌いに近く「人それぞれ」と思えるのは何でだろうと考えたが、たぶんこれは「文化的背景がお互いにあるから」なんだろうなと。その人の文化的背景や食物アレルギーなどの身体的個体差は全員共通として理解できるから、好みの違いを肯定的に受け止めやすい。
でも人になると……急にそうならなくて。好きな人のことを嫌いって意見をみると自分自身が妙に傷つく感覚がある。タレント・芸能人…タカラジェンヌなどの芸能人も、食べ物と同様に好き嫌いがあるものなのだが、
自分が好きなタレントさんのことを、SNSでどこかの知らん奴が「キライ」ていうの書き込んでいるの見ると、自分でも不思議なほどシュンとするあの感じってなんなんだろうと、こういうのは心理学できっと解析されているはずと調べてみると、タレント・芸能人の好悪については「対象への自己同一化(identification)」が起きるから、否定意見をみると自分の世界感を否定される気がして無視できなくなる らしいとあった。AIにも聞いてみたらいろいろ情報があった。なるほど。
自分の好きなモノ、存在は自分の価値観そのものであり、何が好きか、何を好むかは己の生き方を作り上げるものだから、「どんな人が好きか」に対して猛烈に過敏になるそう。
家族や友人が自分の好きなジェンヌさんのことを「私はちょっと…」といってきても、その家族や友人がどんな人間かの関係性ができているから、その意見を聞くことができるし会話がなりたつ。
ところがSNS上だと、関係性がゼロだからこそ「お前(私)の属する群れが嫌い」といわれたような、文脈がないところを悪意で補完しやすい脳のはたらきによってより攻撃的に受け止めてしまいがちで、SNSが炎上しやすいのはこの構造なんだという。
知らん人の嫌いという意見が気になりがちな心理って、知らん人のネット上の文字だからこそ、なんだわね。逆かと思っていたけれど。なるほど、なるほど…。
個人的には、○○嫌いという意見を目にするとその理由は知りたくなる。「○○という作品は駄作だ」という意見は、その人がどのように受け止めたかを知りたくなる。相手の心理を覗きたくなる。
平家は滅亡する、一方花組は
華やか~な花組がこういうお話をやるのも、実にいいなと思った。かなしい話を背景にお花を背負った美人たちが演じるというのがまた、歌舞伎的でよい。
幕間、めずらしくカフェへ行きモカソフトクリームの下にコーヒーゼリーが埋まっているデザート(めちゃうま)を堪能していたところ、周りのお客さんがさっきまでの平家滅亡の感想を言い合っていて、おもしろくて聞き耳を立ててしまったけれど、年齢層わかくて劇場通ってる系のファンって、あれですよね。オタク。それも複数ジャンルを股にかけているオタク。
「あそこめっちゃ泣いた~」という感想とともに刀とか源氏軍の衣装の細かいところとかの解説や○○時代の~という時代考証系の意見があちこちでまくしたてられていてすっごかった。やっぱりめっちゃおもろいな、ファンのみなさま。
そしてショー!
ショー、すごく楽しかった~。
開幕から衣装がすっごくよかったですねぇ。群舞の、上半身が白で下半身のスカート部分が3色くらいのヒラヒラの配色がとてもカッコよくて見とれた。ファアアとみているうちに、その衣装の群舞がいつのまにか娘役→男役にチェンジしているのも鮮やか!
あの開幕は何度でも観たい。
ムード歌謡の花組
開幕が落ち着いたところで、花道でムーディにデュエットする美咲ちゃんとひとこちゃんですが、なんかこういうの見ましたね前も。
このカップル、お若いのにムード歌謡な雰囲気が似合うこと。なりきり美咲ちゃんが大変よいし、眉間に皺寄せて抱き寄せるようなひとこちゃんも大変よい。
雰囲気があるのに全年齢対応って感じが大事ですわね、花組は。