隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

始めにトップスターありき

新約聖書ヨハネによる福音書」第1章より
「初めに言葉ありき」
創世は神の言葉(ロゴス)からはじまった。ロゴスとはWordであってlanguageではない。論理にちかい意味合いで、ただ「語」があり、それが神・この世の根源である……

歌劇にはトップスターありき。
トップスターとは単なるセンターや主演役者ではない。劇団の顔であり、宝塚歌劇宝塚歌劇たらしめる象徴でもある。

ヨハネによる福音書っていうとカッコいいけど、英語読みだと「ジョンのゴスペル」なんですって。
牧師やっている友達からきいた話は、ヅカに思いをはせるときにもヒントになるわぁ(こじつけ)…。

ファーストインプレッション

・まじかー!やっぱりかー
・いや~、別の娘役と組んでるところ見せてほしかった…
・大手マスコミ側が「添い遂げ」を使うのはおかしくない…?

の3本。
もちろん月組トップスター・トップ娘役退団ニュースのはなし。千秋楽翌日に両者揃っての発表とは。はやいことだ。何か次の発表が詰まっているからだろうか。

「添い遂げ」は思えど言うな

添い遂げ尊いとか添い遂げが美しいとかやっぱり添い遂げいいとかいう意見も「わからんでもない」が、ほんとファンの中だけにとどめておけと強く言いたいのは、「優れた娘役を追い詰めるファン感情」になってしまいかねないものであり、かつ、任期の本当のところが語られない以上、添い遂げない娘役への風当たりが今後右肩上がりになる一方な感情だから、と思う。
それはファン同士の間の会話の中だけ、そして心で思うだけにしておけ、それを口にするなよと。

ヅカファンという生き物は、なんなら好きな男役に対するものより路線娘役・トップ娘役への偏愛や反応が強いと感じる。
だからこそ添い遂げない(同時退団できない・したくない)娘役を「でも添い遂げないといけない空気だよね」という理由によって舞台人生のあゆみを迷わせ追い詰めるようになりかねないファン感情からの期待をアゲアゲにニュースにするようなことは、いやだなぁ。
本人の希望、そして歌劇団の計画ですり合わせて一番よい体制を作ってほしいと思う。

月城かなと会見に思う

各社報道と写真からの情報のみの時点で感じたことは、自分自身の退団記者会見だというのに、ひとつの役割・仕事として客観視されている人だなあと。
涙をみせる・みせないは別として、笑顔であっても「私の場面」とばかりにご本人がバーンと出てくる感じのスターと、会見の場に対しよりビジネスライクな割り切りというか遠慮というか、を感じる(緊張とあいまって段取りや準備してきたコメントに集中しているだけなのかも)スターがいるとは思っていたけれど、れいこちゃんは後者かな。
本当にしっかりした、責任感の強い公私の分かれた人な感じ。

しかし例の結婚質問もお約束とわかりつつも記者に聞き返したというのは、いささかかわいげがないような(写真はなごやかでキュートだけど)。この質問の最適解はなんであれとにかくお愛想が必要ではなかろうか。
このような囲み記者会見を芸能人がやることはめっきりなくなった。アイドルや女優は昔、寿引退していたなんて、今の人は信じられないだろうねぇ。私も忘れていたわ。
そうした時代の名残でもあり、引退とか退団とかの囲み記者会見では記者も当然きかねばならない(それが記者会見だから)ものだと思う。
時代錯誤なのは結婚質問ではなくて、歌劇団のスターが退団しますってことで記者会見を開くことそのものなんだなとあらためて気づかされる。

卒業の時期

れいこちゃん、結構正直ベースにお話しされたんじゃないかなと思えた去就をいつ決めたのかのくだり。厳密には主演作数そのものより時期を逆算して検討したら5作だったのかしら。
で、会見の言葉をひもとくならば、就任時点で退団時期を決めていたようだけれども。


2017年に永久輝せあとバウホール公演ダブル主演したあと、月組へ組替え
2019年3月15日開幕の「夢現無双/クルンテープ」で月城かなと怪我により5か月間休業。本公演は美弥るりか退団公演であり新トップ美園さくらのお披露目公演。
 ※のちに珠城りょう、退団時期を決めた時期としてこの夢現無双の名前を挙げる
2019年10月4日開幕の「I AM FROM AUSTRIA-故郷 (ふるさと) は甘き調 (しら) べ-」で月城かなとが正二番手(2番手大羽根での単独階段降り)であることが示される
2019年12月中国で新型コロナ、武漢肺炎として最初の報告
2020年3月17日珠城りょう退団会見。「11か月前の異例の早期発表」と報道される
2020年4月7日~新型コロナによる最初の緊急事態宣言。ここからの流れで半年間、公演が止まる
2021年2月14日本来の「桜嵐記/Dream Chaser」東京千秋楽、珠城・美園退団予定日
2021年4月次期トップスター・トップ娘役として月城かなと、海乃美月の名前が正式発表
2021年8月15日コロナで半年遅れの「桜嵐記/Dream Chaser」東京千秋楽
2021年8月16日付月城かなとトップスター就任、海乃美月トップ娘役就任
2023年9月26日月城かなと退団会見、海乃美月退団会見
2024年7月7日東京千秋楽にて月組トップコンビ卒業予定


次期トップスターてのは、結構ギリギリまで正式辞令がおりないらしいので、月城かなとははたして、3月のたまきち退団会見時点で自分が次期と知っていたのか、
それとも半年間の停止の間に辞令が出たのかはわからないが、月城かなと自身が己の去就を検討するタイミング、すなわちトップに内定し歌劇団側とあれこれ打ち合わせをしていただろう時にはすでにコロナはじまっていたのは確実ではないかしら。
結構このれいこちゃんと海ちゃんのトップ発表は、じりじりと、待たされた気がした。

半年間のロストがなければ、れいこちゃん7作はあったかもしれないとやはり思う。あと、先々のバウ主演予定者みたいなのは、きかされていたのかな、だから下級生のステップアップタイミングも考えて、どのへんで交代しよう、って思えたようだ、と推察。6~7作やって、2025年にアンバサダーにバトンタッチなんてね。

にしても。

日付を確認するのに、過去の珠城りょうの記者会見記事を見返したら、組子に卒業を発表する際に、自分の方から涙ぐんでしまった(たまきちもともと涙もろいそうだ)とか、組子はみんなびっくりした反応だったと。
対して今回のれいこちゃんが組子に発表した際を語った表現では「みんな察してたようで」みたいなノリ。まあ事前に公演予定の演目の情報は内部に伝わるだろうし、タイトルみたら、ファン以上に察しですよね。
桜嵐記とドリチェはタイトルだけみたらわからんものねぇ。

うみちゃん

トップ娘役の記者会見の様子も報道されたタイミングのちょっと前に、別件の…雪組の発表をみてしまったので……
うみちゃんと月組の娘役に関しては改めて書こう…。




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