隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

千秋楽と意地の悪いファン心理と

先日の、月組千秋楽はとても良い公演だった。
そしてトップスター珠城りょうの挨拶は、

・袴で階段降りての退団者挨拶として
・カーテンコール複数回にて
・幕前で美園さくらを伴って
・公演後記者会見
・記者会見後スカステニュース用に階段前で

と…
この日の締めの挨拶を、何度も何度も。
珠城りょうらしくどれもよどみなく感謝の言葉を重ねていた。

涙の気配は2度

ファンの話題と注目を集めたのは、終始きちんと挨拶していた珠城りょうが思わず涙目になった同期、香咲蘭の「初舞台から最後の舞台まで一緒だったね(大意)」という一場面に対してと、珠城りょうが単独でカーテンコールに応じた際の挨拶で、専科に異動する紫門ゆりやの名前の次に輝月ゆうまの名前を口にしようとしたとき。

どちらも、一瞬前までは落ち着いている様子だったのに ぐ とこらえているものがあふれだして、ライブ配信で画面越しにみていたこちらもぐっときた。

涙が似合う下級生たち

月組大劇場千秋楽の、退団ご挨拶では1人目からよく泣いていた。可愛らしくてよいものだった。無論、涙なしの笑顔も清々しくてよいもので、セレモニーを観ている観客としてはどちらでもいいのだけれど、涙が似合う場面で涙があるとなおよい、と思う気持ちが、こちらには多少なりともあるもの…

美園さくらの涙と挨拶

トップ娘役の美園さくらの挨拶は、階段降りから涙をみせていて、しずしずと前に歩んでくる姿はなんだか嫁入りの娘をみているような(そんな経験ないけど)泣けてくる姿で、とても可憐で綺麗で、タカラジェンヌの花道を歩くトップ娘役の卒業に相応しい姿だった。
笑顔と涙、どちらも似合って発光するのがタカラジェンヌね。

珠城りょうの姿勢

最後の挨拶として、トップスター珠城りょうが最初に口にしたのはまさかの通常の千秋楽挨拶だったので、思わず客席からは笑いが。
なんで笑われるのかと後に本人が語る様子もまた彼女らしかったけれども、あの挨拶は、あの日はじめてトップスター珠城りょうが客席に向かって発した言葉なので、観劇へのお礼という挨拶からはじまったのは、珠城りょうの中では平常運転だったのでしょう。

その後最後の最後の幕前に出てきての挨拶まで彼女らしい、実に清々しいトップスター姿で、自分のこと、自分が宝塚に入るまでや入ってからのことなどを話すと言うよりは、宝塚愛、月組愛と「ファンのみんな」への感謝と、徹頭徹尾トップスター珠城りょうとしての言葉に終始しており、

(もっと…泣いてくれていいし、自分のこと話していいのよ…?)

と正直、思いませんでしたかね私はちょっと思いましたよ!

最後の幕前に出てきたときも、珠城りょうは美園さくらにお客様への感謝の気持ちを促したよね、あそこがとっても、彼女らしいと思いました。
他組のトップコンビと違って、愛してます〜とか大好きです〜とか、そんなことは二の次で、お客様の前ではきちんとする、みたいな、とてもとても、真面目な姿勢。ここまで完璧にちゃんとするトップスターはなかなかなくて、珠城りょうの若くしてトップかつ長期トップという立場が、彼女を理想的なトップスターにさせたのだなぁとしみじみ実感。

ジェンヌが泣くほど嬉しい

ファンは多分そう。もらい泣きしたくて仕方ない。トップスターでなくとも卒業セレモニーで泣いてる生徒を探したいし、なんなら千秋楽の幕があがってから、今日は格別泣いてる子はいないかと探してた人もいるのではないかしら。
最後の後村上の「戻れよ」が涙に濡れてないかと期待した人はいなかったろうか。
ショーでも、泣け…!くらいに感極まるタカラジェンヌが見たい、それを見て感動したい…
そんな期待をしてたんじゃないかなぁ、私…

我ながらやらしい気持ちで観ていたなあと、ちょっと反省した千秋楽。
それに対してプロ意識高過ぎな珠城りょうの美しさにはっとさせられた。
なんだか申し訳ないので東京公演はもっと無心に、ちゃんと見守りたい…



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