隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

あの子じゃなくてこの子な理由

まあよくわからないことも多い。抜擢とか一人っ子政策の対象を「君に決めた!」てなる理由。
君は御曹司だけど君は違う…その違い。

いまだとだいぶ混戦?激戦?な気配が星組から漂っている一方で、弾数足りてる?足りてないんじゃ?ていう雪組
上位がぎっちり固まっている宙組や、番手と若手がきれいに並んでいる月組、並びはまとまっているが同期ワンツーな花組もまた変化があるのかな?

基本的にみんないい

みんないい。
でも、路線と見なされる子とそうでない子が、音楽学校の文化祭からもう、生まれる。そういう成績上位者たちの戦いに関係ない成績下位のなかからも、入団後ムクムク輝いて抜擢を受けたスターは生まれるし。
なんでですかね。その子が光っていたから磨かれたんだろうか。でも磨かなければ光らない。

黒いレオタード姿で初舞台生を並べてみても、あるいは同じような稽古着の研3~研5くらいの生徒を並べてみても、きっと「なんか光ってる子」がいる というのは、想像できる。
観客も劇場で見つけているから。端っこにいる下級生でもなんか気になる子、目立つ子、視線泥棒の子…。

でもね、全員磨けば光る原石だけをより集めたのがタカラヅカ
じゃあどうして、「この子」なのかしら。みんないいのに。抜擢されている「この子」は確かにいいけれど、あっちもこっちも、負けず劣らずいいのに。
みんないい子を一律に並べてみて「光ってる子」がいるとしても、それ以外の子はみんな「磨けば光る子」だと思うのです。光っている子と磨けば光る子しかいないなかで、演出家や劇団が最終的に「この子」と上げる子を決めるのは、さぞかし難しい決断だろうと思う。

どこで輝くかも大事

会社組織や学校組織で、誰もが社長や部長やリーダーや、あるいは生徒会長や学級委員など目立つ立ち位置をやりたいわけではないわけで。ロミオよりパリス、クリスティーヌよりカルロッタがやりたい役者はいる。
舞台は、脇役の上位進化系が主役というわけではないから、「私が絶対主役なのよ!」というタイプよりも、いつか自分にはまる「この役は私!」という当たり役に出会いたい熱のほうが高いのでは、と思わなくもない。スターシステムがあるだけにここが難しいところなのだが。例えば望海風斗だって絶対やりたい役を実現するにはトップスターになる道しかなかった。あの人は決して控えめに謙虚に脇で受け身でいたことなどはなかったはず。夢見た役を掴むためには、その子じゃなくて私!と思わせなくてはならないという側面があるだろう。そしてそういうことが本当に下手だったり苦手な子もいるはずだ。歌も芝居もダンスも上手い、けど稽古場でのアピールが苦手、ていう。
光っている子や、磨けば光る原石の子が、ヅカのスターシステムの頂点に向いているかどうか?という点は、もしかしたら一番重要な歌劇団による抜擢有無の見極めポイントかもしれない。

…ただ、宝塚歌劇団が絶対に揺らがない基準がひとつある。
「特に際立って顔がよい(マスコミ受けする美貌の意)子」は男役娘役関係なく、全員かならず絶対に真ん中よりの役割の抜擢を受けている(はず、数えてないけど)。歌劇団の黎明期から、この単純明快な抜擢理由はあったよね。抜擢する理由のすべてが顔基準ではないが「際立って美しい子」に限っては必ず一度は抜擢されるもの。美貌だけは絶対放っておかない。

今後の動向がきになる星組雪組

まず星組はロミジュリで、数少ない主要キャラを役替わりで演じた面々が、みんな観客受けした。これにより各々のチャンスを掴んだり課題をクリアしたり、組織のなかでの評価を得たのではと思われる。

星組は「礼→愛月→瀬央」の序列までは、誰が観てもそういう並びだなあ、と理解できる。4番目からが「下剋上なう」状態なのかなと。組織を作る側からしても、4番目以下の若手~中堅の同じくらいの実力や人気や華ややる気のある候補が複数いてくれた方が望ましく、そこから自組で上げるもの、組替えするもの、内々に近々辞める希望があるもの…などを取りまとめて、香盤表を埋めていくんでしょう。
綺城 ひか理(97)新公2回 ※初新公はW主演
天華 えま(98)新公3回
極美 慎(100)新公2回
碧海 さりお(101)新公1回※コロナ中止で幻
天飛 華音(102)新公1回

粒ぞろいなんだけど学年が詰まっている。さくっとここから他(具体的には雪組)へ誰か逃がされると思ってたんだけど、ロミジュリの評判によって、みんな揃ってアイドルグループみたいな、2.5次元みたいな売りがはまっちゃったものだから、ここから誰が動いても星組ファンの嘆きは深いものになるはず。とはいえもし「次期・次々期体制を考えたら、この中から次上げるのは1人だけね!」と言われたら、血の涙でちゃうよね。それより組替えしてより活躍が増えるのならばその方がきっといい。

一方で、新体制の雪組。こちらは二手に分かれ全ツと別箱開幕中になったことで、頭数の少なさを感じさせられることに。

雪組よ…

まあこの組は、誰かが組替えしてくるには違いない、と思っているのだけれども、朝美絢が2番手に上がるのか、上に誰か来るのか、どっちもありそうだなあって何となくみんな思っていたのではないかと思われる。ただいま東上公演中なので、あ、上がるんだね?と、喜ばしくもありちょっと(すんなりと上がる雰囲気に対して)意外な気もする不思議。
それにしても「彩風咲奈・朝美絢+ひらめちゃん」の3人では、アレ?少ない・足りない感。

雪組ってずっと、「だいもん+まあや+咲奈ちゃん+翔くん+あーさ」の戦隊ものみたいな5人組の座りがよく、スカステの番組なんかでもいつもこの5人を出していて、他の組より硬いメンツな印象を受けていました(宙組もたいがいだけど)。2020の年末特番だったか、ここに「+綾凰華」ですら珍しいなって感じで、他組みたいに、さらにここに諏訪さき(99)や縣千(101)あたりの若手がおよばれすることはなかった。
※この特番、他組は7人~9人だったのに雪組だけ6人で、なぜか若手を混ぜることを避けていた感じ。

なのでいま、「5人組から3人抜けちゃってさみしいね」みたいな感覚が強い。※個人の感覚です。
ただ別に雪組は今までもこれからも5人組の戦隊ものをやるわけではないので、さっさと新体制をバーンとお披露目したいところ。
しかしそれがスタンダードな「彩風-朝月-朝美(?)」の、トップコンビと2番手(あーさ2番手は暫定ですが)の3人のみが組の顔です!となるの?体制としては早霧せいな時代のトリデンテ構図に戻るだけなのでなにも問題はないのだが。ないのだが。
いままでが5人でわちゃわちゃしていて、しかも前にわちゃわちゃしていたメンバーがOGとして芸能活動を開始しSNSで発信し続けて、雪ファンがそれらを混然一体に愛でている現状だからなおさら、新しい顔のメンバーが弱いのではなく「足りない」と感じさせられてしまいやしないか。※個人の感覚です。

雪組の新トップお披露目、シティーハンターの主なキャストが「彩風・朝月・朝美・綾・縣」なので、これを新体制の顔にするのかな、と思われるが…。
もしそうならちょっと意外。混ぜたくないわけ?

花・月と宙の違い

あの子もこの子もみんないいよねぇ ていう状態でやっちまった感のあるのが花組。同期ワンツーは精神衛生上よろしくない。
これはトップ経験のあるOGさんたち自らが「同期ワンツーは双方にとってヤベエ(※こうは言ってない)」という談話を残しているので、ファンからすればその通りなんだろうとしか言えない。このワンツーのやりにくさを払拭するための早期就任だったとしたら、それもそれで犠牲あり…。

月組は、上級生2番手(予定)の鳳月杏について。便利屋のごとくあっちからもこっちからも信頼と実績のちなつさんとして、呼ばれて使われて支えて魅せてと、舞台人としては最も良い仕事をしている助演・脇役の要、だった。なぜ彼女が今の特異な立ち位置からの~上級生二番手?に至ったのかといえば、私は「鳳月杏は種類が違ったから」だと思う。
ヒトのなかにオニが混ざっているかのような、できることの違いみたいなものが、鳳月杏が特別な重宝のされっぷりの末に今に至っているのではないかと。抜擢は受け続けてきた人だけれど、タカラヅカのピラミッドシステムの序列に並んでいるような並んでないような…、こういう人もいる。

宙組宙組で、平均年齢(※学年ですよ)が高めの印象がぬぐえない。路線とよばれる新公主演してるような若手の中で、一番若いのは風色日向(102)かな。鷹翔千空(101)がいて、瑠風輝(98)に留依蒔世(97)と、いるんだけどみんな一歩もあがってないような。というのもトップ以下のいつものメンバーが硬すぎて、かつての雪組と同じくらいここも硬くって、宙組の若手として、抜擢有無があんまり関係なくって、全部括れてしまう印象。でも宙組は、雪組と違って例のお正月番組に「真風涼帆、星風まどか、芹香斗亜、桜木みなと、和希そら、留依蒔世、瑠風輝」と、ちゃんとネクストジェンを入れているあたり良心的であった。

どちらかしかない、ということもないはずだ

いま月組が待望の新人公演の再開を無事幕あけし、礼華はる(101)が、幻となったピガール狂騒曲での初主演のリベンジを果たした。おまけにどうやら新人公演は大評判だったようで本当にめでたい。
月組では蘭尚樹(100)も上がればいいなあと思っていたけれど新公主演とれず。ピガールでも目立つチラシ配りでソロをもらうなど、キュートな見た目に確かな歌唱力、しなやかな踊りに、おまけに彼女は日本舞踊が踊れるのでとっても貴重な戦力。今後も活躍の場があると信じたい。
ここで新公主演をはたした礼華はる(101)は先日、美園さくらの「スカイ・ステージ・トーク Dream Time#64「美園さくら」」で進行役を担当。
真面目な優等生タイプで、英かおと(99)の「大型犬のような害のない顔立ちなのにすっげチャラい」というキャラと好対照をみせていた。
月組ネクストジェン風間柚乃かと思いきや、あの子もこの子も、やっぱりみんな違ってみんないい。

ここで名前をあげたジェンヌさんはいわゆる路線。誰かと誰かを比べてどっちがどう、ということでもなくて「(どれも実力充分かつ輝いて見えるのに)どうしてこの子なんだろう」ということが、純粋に不思議だったりする。抜擢された子やされなかった子がプラスやマイナスに見えるという話ではなく、なぜこの子なのか?なのだ。それは答えのない魅力的な謎であり、このなぜこの子?のその魅力を解き明かすために劇場に足を運ぶことになるのだろうけれど。

ちなみにあの子もいま、いいよ!

おもろいな!ギラってるな!と最近思ったのは雪組の麻斗海伶(101)。fffの最後、パレードでめいっぱい雰囲気つくっていた。
月組ファンが注目している槙照斗(105)。足が長い。あと舞台で見つけられる子。ほかには宙組の泉堂成(105)に対して、なんか宙組ファンがみんな孫を愛でるように見守っているみたいで、私も「Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス」の配信視聴で、あの子誰…?となったっけ。

宝塚歌劇は、トップになってしまえば卒業するだけ。まだまだこれからどうなるっていう若手群を、あの子がいいこの子が素敵と、目移りしている時間が一番楽しくもあり、っていうかそれが楽しいのか。ほんと罪作りである。
十人十色、きらきらまぶしくくってほんと、みんないいよね~





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