隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

『it’s media』の興味深いはなし

ジャニーズ問題で、SNS上に散見された以下の絵。私は初めて見たけれどもとっても有名な、ネットで10年以上前に流行したものらしい。

私はこれを、最近テレビ・ネットで騒がせている芸能界の大問題を取り扱う報道各社の様子やそれをSNSでさらに取り扱う投稿をみて単純に「とてもよくできた秀逸な風刺画だ、すごいなぁ」と感じ目にとめた。

私がこの画像をはじめてみたのはつい昨日のこと。男性アイドル事務所のスキャンダル騒ぎを取り上げた一般人のSNS投稿でのことだった。アイドル事務所のスキャンダルには興味がないというか、彼ら事務所の誰のファンになったこともなく、報道の真偽もわからないことだらけだろうと感じ、本件について情報もニュース報道も積極的に探していなかった自分がこれをみつけたのは、勝手にタイムラインに流れてくる仕組みがお勧めで流してきたもので、それを私が目撃したのはそのような、SNS時代のニュース拡散技術によるものだった。
よく知らない私にもおすすめされてきたのだ。

最初に感じたこと

手前のカメラに映っている部分とカメラが向いている奥の人々の動きに注目し、こちらの予想外のところを切り出してカメラが映し出している様子に「うまいなぁ」と思った。
私は遠い昔、美大でデザインを学んだ経験があるので、こうした自分には思いつかない優れた絵をみるとつい、構成をあれこれ考えてしまいその簡潔で的確な表現方法に興奮した。次にそのイラストの示す意味性と、このイラストを取り上げた人の意図や、関連付けられた芸能スキャンダルとを照らし合わせて、

「なんでもうのみにするなよ。でも人は自分が観たものが事実と思ってしまうものだし、センセーショナルな切り出しをしないとその事実の存在に注目すらされないものだし、公平性を保ちたくとも自分の判断は手に入れた偏った情報に左右されるものだし…その辺を考えないとね、みたいなことなのかな」
というようなことを考えた。

で次に、特に私の目をひいた『it’s media』の文字部分が引っ掛かった。絵に合っていない文字色とフォントで、上書きしたんかなと。いかにも後から付け足されたようでちょっと浮いていて、なんだこれ?という違和感を与えてくる。

ちょっと検索してみた

このイラストの出典が気になった私は、キャプチャにあった『it’s media』の文字列と、イラストという検索ワードでグーグル検索してみた。するとすぐに山ほどの情報がヒット。
私が知らなかっただけで、これは非常に有名なイラストだったのだ。

で、出典とかこのイラストに関する調査、解説がばっちりされているブログを見つけた。
www.isshow-fujimi.com

私が知りたいことがまとまっていたし、実に皮肉で興味深い事実も掲載されていた。

簡単にいえばこの、一目見て私の注意を引いた『it’s media』の風刺画の出典は「実際の事件・事故をもとに脚本家や演出家や監督や役者によってつくられ撮影されたドキュメンタリードラマを現実のものと思ってしまう視聴者感覚の危険性について取り上げたエッセイ用に描かれたイラストを誰かが勝手に文字を入れて意図を改変し、出典元とわりと近いが全く別のテーマにあてて拡散されたもの」という、まーなんだろう皮肉がききすぎている絵の変遷。

こんなタイミングでの出会いたち

最近、あるジェンヌ・元ジェンヌの話をきいた。話してくれた人は私にとって信頼のおける人。聞いた内容はその話をきくまで想像もしたことないそのジェンヌさんたちのもうひとつの姿の様子であり、舞台姿しか知らない自分にとってはびっくりしたり意外に感じたりなるほどと腑に落ちたり、色々だった。

ここで得た気づき、大きな収穫は、映像や生舞台などを観ていて、自分にはときめきやピンとこなかったジェンヌさんの舞台以外のエピソードは、やっぱりときめきも萌えもなく私にはどうかと思えるものだった、ということ。彼らが悪いことしてたということではなく。無論、同じ話をきいて気にならない人もいるだろう。茶碗に米粒残すのが気にならない人もいるように、それが許せない人もいる。その程度のことだ。

このとき聞いた話の中に、すでに退団しているOGのことで「そんないい人なのになんであんなに批判されてたの?」と思うこともあった。ネットで散見される好き嫌いの話なんてほんと一部のことなんだともあらためて感じた。ただ、拡散力がえぐいのだ今の時代は。

私がみたあるターゲット

私の大好きな作家の小説(ミステリ)に「耳食(じしょく)」という言葉がでてきて、「みみでたべてはいけません」つまり話のうわべだけ、聞いた話だけで判断して自分の言動を決めてしまうなよという意味の言葉であり、時々自分に戒めとしてつかっている。

だから『it’s media』のイラストをしらべたときも、「情報が網羅されているではないか、なんて素晴らしい」と行き着いたブログ記事に対しても当然、裏どりをしてそこに引用されているものを調べ、引用されていない情報がないかを調べない限り、『it’s media』のイラストの事実を調べるという行為には不十分だ。ただ私はこのとき「これで充分だ、私は(このブログの作成者のことはまるで知らないが)これを信じたい」と思っていったんそこで調べることを終えた。

いろんなことがそのようになっているんじゃないかなと、自分を顧みるきっかけとなった。


予定では、来週、久しぶりにムラへ行き新生宙組を観劇する予定である。
そして今日は東京の宙組二次抽選結果の、友の会の通知があり、1枚だけ当選した。
はてさて。どうなるかまださっぱりわからない。


にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村