隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

もしも弊社社長がトップスターだったら

きっと歌やダンスはいまいちなれど、カリスマ性と人気はある生え抜きトップ(もしくは初代トップ※創業者社長だから)ってところかなぁ。

うちの社長は情に厚い自慢できる人だが、糞頑固なところや理屈無視のこだわりや、マスコミのことは疑うがマスコミを疑えという人のことは信じがちという、まあそのタイプ。
ただひとことでいえばいい人である。会社が儲かったら期末賞与でしっかり社員に還元してくれるし。変な投資もしないし、そこは安心。
そう、人は誰だって「あの人は〇〇な人」などという一面のみで語れるものではない。
わかっているはずなのにね。

率直な気持ち

悲しい事件が起こる少し前に、とある出会いがあって。それはもう偶然の出会いで、あまり生活のなかで自分は「タカラヅカが好き」と口にしたことがないのに、その時は何となく口にしたらその場にいたあるマダムが、なんていうかガチなマダムでどうもタニマチもやってた(る?)みたいで。
言われたんだよ
「たった一人のご贔屓ができたら教えて。その人の『どうしてもこれ』という公演があったらチケットどうにでもしてあげるから。そのかわり、たった一人の本気のご贔屓をみつけたら、よ」
って。

私、あの時誰のことも「〇〇さんが好き」って答えられなかったな~。会話のなかで、何人もの路線スターの名前はあがったのにね。


その数日後に例の事件が起こり、ゴシップが噴出した。
ゴシップ内容については既にマスコミの立場の人や事情通が指摘している通り、明らかな誤りや、1を10に膨らませた話や、彼らが以前に記事にした内容と矛盾した記述の報道大失敗箇所があったりと珍妙な点があり、記事そのものは結末ありきで膨らませたショボい記事だということがわかる。
無論、有名ゴシップ誌がネタに取り上げるほど宝塚歌劇宙組には常態化している問題があるからこそ、こんな記事が出たのだと思っている。
若く美しい人がこのタイミングで散ったその引き金を引いたのもゴシップ誌。でも若く美しい人が病んだのは彼女が愛した歌劇団の、その中での日常に理由があったのかもしれないと、そう考えてしまう。

序列の違和感もあったよね

花組月組の成り立ちは公式発表の通りなのに、花組だけ100周年~ってやってて、月組がそうでもなかったなんてもんじゃなく、明らかな差があったのが私には結構な違和感だった。
花組が筆頭組だといっても、1つの団体を二つに割って花と月にして、よりメイン公演を担ったのが花組だったっていうのはファンなら知っているよ。けれどこれ、1を2に割った100年前に、序列が誕生していたってことだったのねぇ。それはもう私が考える以上に。あったんだね。

花>月=雪=星>宙 だと思っていた

花組はなんか筆頭で、明らかに花組のジェンヌたちは花組なことに強いプライドがあるんだねぇ~へえ~~って軽くとらえていたけれども。そして後から作られた宙組は新参者だからちょっと下とは、確かに私もそうとらえていた。でもこの下って下級生的な若さの意味であったんだよね。結構軽く考えていた。それこそ今回の件があるまでは。

正直ずっとわからなかった「生え抜き」の意義

桜木みなとをトップにすることが「悲願」といわれることや、星風まどかが劇団に激推しされずっと「生え抜きトップ娘」とファンに言われ続けていたことについて、ちゃんと考えたことがなかった。しかし組創設時点で、番手的序列を整えて、座組を考えて作ったはずだから、順当に入れ替わったら宙組2代目、3代目のトップは、組創設時の2番手、3番手がそのまんま上がることを想定していたんじゃないのと思いきや、宙組3代目トップが雪組から来た貴城けいで、これがお披露目で退団とかいう1作トップ。なんでたった3人目で異例……?ってまあ、そら変だわ。

他の組の序列調整・整理の格好の機会だった宙組創設は、新しい組だからこそ、序列や路線の並びを調整しやすかったはず。にもかかわらず、宙組創設計画は「最初のトップは姿月あさとで、二番手は和央ようか。相手役は花總まり」のたったこれしか決めていなかったと、その先のことは成り行きだったと思われても仕方ない結果に。
いまだに宙組配属した子がいまだに誰もトップになっていないことを異常と思うのは至極当然の指摘だったのね。花組でそんなことある?

じゃあ宙組でトップになる意味って?

超路線が宙組に異動してトップ内定ってどんな気持ちなんだろうね。私はそれずっと、ほかの組でトップになることと同じだと思っていた。でもどうやらそんな単純な話でもないみたい……。
ジェンヌたちの序列はトップスターがエライ などということはなく、学年ときいている。若年トップだった月組を見ていればその辺の気の遣いようは察せられた。
宙組歴代トップスターは、3代目以降みんなトップ内定状態での異動であったろう。でも彼女たちは主演役者ってだけで、組を仕切っていたのは歴代組長・副組長てことよね。

花組月組で、100周年であれだけ差がつけられたのだから、歌劇団内部の組序列というのはどうやらもっと過激な面もあるのかしら、と思うようになった。
「名前をかいてない食べ物は食われる」という文化があるよ、という宙組を代表するエピソード(と私が思っている)、いままではネタとしてちょうどいい、すべらない話なんだと思ってきいていたがシンプルに治安が悪い話である。
自分が買っておいたわけじゃないプリンが冷蔵庫にあったとして、その冷蔵庫が70人からの劇団員共有だったなら、それ食べるか?

うちの会社の社員100人以上いて、社内に冷蔵庫が3つか4つあるけども「中に入れるものに名前を書け」のルールももちろんある。ただその意図は、無記名だと入れっぱなしで忘れちゃって、冷蔵庫掃除のときに廃棄で厄介な問題が起こりがちなためである。奪われないためでは決してない。そんな発想などおこらない。

タイミングがいちいちよろしくない

悲劇がおこったタイミングは誰にも予想はできなかった。でも、ゴシップ記事がでるぞのタイミングは今の業界ルールを考えれば情報がはいる。今にして思えばなんであのタイミングで、プルミエールで 元宙組組長二人と月組組長の3人座談会が放送されたかな。WOWOWは無関係だろうが何このタイミング。。

宙組の元組長の二人のうち美郷真也は雪組からやってきて、当時組長を務めていた出雲綾が専科異動することになり後任で組長就任(千秋楽の日に呼ばれて任命されで号泣ってエピソードはこれ)。このとき、出雲綾と組んでいた副組長の貴柳みどりが退団し、後任に寿つかさがついた(これも本人副組長任命は想定外だった)から、管理職未経験の二人がいきなり宙組を任されている。
美郷真也は3年で退団し寿つかさがそのまま組長へあがり。その後副組長になった人はその後宙組内の下級生長期休演問題に関して引責専科異動→一本も専科出演せず退団となった人か。で次が美風舞良副組長。

もう、なんかこう、管理職ってのはね…人柄とか業務スキルとは別だから。マネジメントスキルは。彼女たちには無理だったんでしょう。

なんのために上がいるのか

責任を取るために管理職はいる。責任を取るために常日頃からメンバーに厳しくする。やめた前任者の責任まで後任者は負えぬよな。

月組もなんでまさら梨花ますみ?ってちょっと思ったんだけどもね。たぶんみとさんにご登場いただかないと収まらないと判断されたんでしょ。ほかの組員には務まらない、任せられないと判断されたんでしょう。
清濁併せのんだ組織でいい、ただ、管理職はまともな者をおかねばならない。組長副組長だけでない、さらにその上のことを言っている。過酷な競争を潜り抜け選ばれたエリートたちの思考は基本的に「〇〇であるべき」という方向ではなかろうか「べき論」は自他を追い込み組織を疲弊させ、問題解決にはならない。



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