隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

公式が放つゴシップ砲

かつて日本のアイドルちゃん女優ちゃん二枚目俳優君たちは、映画主演前に宣伝目的でスキャンダル…でっち上げの恋愛ゴシップなどで話題を集め、テレビのワイドショーや新聞、週刊誌に露出するという売り方が当たり前だったという。私の子供時代はまだこれらが横行していて、そののち当時を振り返る芸能人たちの証言でそれらのからくりを知りびっくりしたものだった。
今にして思えば、昔っから話題性が大事だったということで、大昔だってインターネットとスマホがあればSNSや動画配信もきっと、みんな活用していたことだろうと思う。

タカラヅカはジェンヌが自らこうしたSNSの露出を禁止している。歌劇団としての公式情報や公演情報のみが、公式アカウントからのみ日々配信されるが、各ジェンヌたちの生の顔とか声がみえるようにはなっていない。
SNSはストレスも大きいのでそれでいいとおもうけれども、話題を投じなければ人気は出ない。いつまでも伝統的ヅカオタと政財界のタニマチ的愛好会によって囲い込みを続けるならば、非公式ファンクラブもなくならないし、ヅカ人気はやっぱりどこか珍妙な…認知度は高いが実態は知られぬよくわからない趣味の存在のまま先細っていくことになる。

実際のところ、「公式にとって扱いやすくて都合がいい(=金払いがいいうえにコネになる)ファン」に関してはそれでいいのかもしれない。真にご新規の一般客が過半数を超えてくると、想定の範疇を超えるトラブルの可能性も増えるだろうし、様々な属性のファンが増えれば増えるほど、古参ファンががっかりする規制や制限も生まれることにもなりかねない。単純に、ファンが増えれば、あんな(とっくの昔に非常識化している)入り出待ちなんてありえないし。でも復活待っている人多いみたい…ヅカ以外じゃただの迷惑行為なのにヅカになると尊い機会と見なされるマジック、不思議。
コアなヅカファンも運営側も、本音は自分たちの勝手をわかってくれてる身内だけでやりたいというようなどこか「他人」に入られたくない心理がゼロではないのではと思う。

でも常に内々だけでキャッキャやっていられない深刻な問題は、歌劇団が欲しがるような才能ある少女たちが、宝塚受験をしなくなることなんじゃないかと思う。

10代はテレビを観ない

テレビコンテンツが年寄りとオタク向けメディア化してきている。普通の子が「ギャルはテレビみない」というのは、クラスのイケてる派手な子(=流行を追う子)はテレビを追いかけないってこと。でもタカラヅカが欲しいのは、流行の最先端を行く華やかできれいな子なはず。彼女をみた少女たちがあこがれる、ブームになる子が欲しいはず。
でも、SNSの露出もないし、公式youtubeチャンネルは公演宣伝みたいなものばかりで、ジェンヌをクローズアップするものでなし。
この先、どうするんだろう本当に。

今まで何とかなってきたのは、まだテレビの力がなんだかんだ大きかったことと、昭和からの全盛期を知っているご家庭に育つ両家の子女がいっぱいいるからだと思う。

どうしてこの方向かリアルスゴシップ

残念なことに、ここ最近立て続けにでたゴシップ。どちらも内容は「いじめ」であった。
そういえば、タカラヅカ歌劇、最大の汚点(のひとつ)として有名な96期問題もいじめ関連であった。

なに、歌劇団ってイジメばっかりの面倒な女の集団なの?キモ。……そういう効果抜群の、なんともガッカリなゴシップだった。ファンであっても、あの子はゴシップの標的にならずこの子が標的になったということは、元ネタになる何か出来事はあったんだろう、と想像することになる。
アイドルと同様に少しの何らかのにおいがしたら許されない彼女たちをみていると、「スミレコード」という言葉が呪いのように思えてくる。

ファンとのすれ違い

演出家のゴシップのときは本人退団(退社)もあって、ファンは概ね内容を信じた。過去の言動を掘り起こして「やっぱり」という反応もSNS上で散見された。
で、ジェンヌ同士のゴシップの際は情報リークした「関係者」の存在自体を疑い、またその内容から「タカラヅカをよくわかっていない。スターシステムも誤解していて、記者はまともに取材をしていない、ばかばかしい!(とはいえやり玉に挙がってしまったジェンヌがシロとまで決めつけられないけど…)」という反応が大半を占めていたと思う。(私がみたSNSの反応に限ったはなしだけれども。)

私もそう、なんでこんな、宝塚歌劇の制度とかトップスターの権力みたいなものを勘違いした記事を出すんだろ、バカだなあ…なんて、それが最初の印象だったのだけれども、少し考えてみると、たぶんこれ意図されているんだなと。
じゃあなんで、ヅカファンからみてゴシップ内容そのものの真偽はともかく「記者はヅカを知らないんじゃないか」なんて感じるような記事なのか。

それが「タカラヅカっていう女だけの劇団の内情っぽいから」

世間の印象では、たぶん最近出た記事の書かれ方の構図のイメージのほうが、理解できるからなんだろう。なんかトップスター制度=頂点っていう説明は実際に、オフィシャルでもされるじゃない。バラエティ番組にちらちら出てくる時もトップスターさんてスゴイ選ばれしスターって紹介されるわけで、だから「一番偉い、絶対権力者」という記事にしたほうが、世間に受ける。世の中のイメージに合致するからそう書かれた、そしてトップスター以外のゴシップ登場人物に関しても、「よりタカラヅカを知らない人でタカラヅカの名前とか何となくは知っていて、思わず記事をクリックするライトファンですらない層」によりイメージしやすいように表現されたからこそ、
「いやヅカの縦社会は学年だから」ってことを当然のように思っているファンからみたら「でたらめ」にみえた。

でも一連のゴシップはそういうコア層の反応なんかたぶんはじめっからわかっていて、より数の多い「よりタカラヅカを知らない人でタカラヅカの名前とか何となくは知っていて、思わず記事をクリックするライトファンですらない層」に受ける記事となるよう設計されていると、そのように思った。

いつだって人が一番面白い

宙組はようやく新トップスター&トップ娘役情報が公開。ヅカのファン界隈が一番活気づくニュースはやっぱりトップ人事。
各組の人数バランスも崩れるし、もうすぐ春。新しい入団生も増える。組替えもきっとあるだろう。
このトップ人事と路線スターの育成に関わる組替えこそが、オフィシャルがファンに提供するゴシップ砲だと今まで思っていた。

だって、トップにしろトップ娘役にしろ、下級生の異動だろうと、その裏をひそひそしたり、Aさんが●組にいくのは●組のBさんが***だからなんていううわさ話が大好物なわけで、というかそういうのこそがファンの楽しみのような気がする。

おしゃべり好きのファンばかりで、みんな何をくっちゃべっているかというとやっぱり、ジェンヌの人事的な話が大好きで。
そして誰がトップか誰が組替えか、というのは充分にゴシップとして楽しめるネタであり。

今後見かけるゴシップ砲はそうしたものだけでお願いしたい。






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