考えてみると非常に目立つ特徴なので、舞台を観慣れている人はお気付きと思う。
私は、前から感じていたオヤ?ていうこのことを、最近やっと理解できた。
珍しい…
宝塚歌劇団の舞台は日本最大級。
まあ1番大きな劇場として、ちょっと前に収容人数8000人というバ…巨大な劇場がいまありますけれども、でかけりゃいいってもんでないわけでこれは例外として、宝塚大劇場は大きい。
東宝宝塚劇場も大きい。
どこの劇場もセリやオケボックスや盆廻りができるわけじゃないものね…
それなのにあんな大きな劇場で凝った舞台装置使った多彩な場面転換で、宝塚は大道具さんが舞台に一切出てこない。
見せない工夫
大きく多様な舞台装置があるからこそ、かなりな合理的な仕組みを活用して、場面転換でスタッフがお客の目に触れないで済むように、気配を殺しているタカラヅカ。
観ているこちらの感覚としては、場面転換での装置交換に対して「素早く」「面白く」「安全第一に」転換されることが理想で、無理矢理スタッフさんが隠れなくてもとは思う。
素早くというのは、物語の流れやこちらの没入感が切れて我に返らないうちに転換してほしい、という思いから。
面白くというのは、最近では雪組fffでめだったが盆廻りと上下左右にセリがフル活用で、場面や時代が動くと、見た目にも楽しく感じるしワクワク感が増す。ピガール狂騒曲での、客席の位置が真逆になる演出とか、装置の面白さだと思う。
そして安全第一は、もう絶対。舞台の安全のためならスタッフさんが何人出てきてくれて構わない。
特別な空間への配慮かな
宝塚歌劇団の裏方は男社会(スタッフ男女比では圧倒的に男性)というのは、何十年も前から言われているし、舞台装置などの技術屋さんについても男性の方が多いと思われる。それが、本公演中のスターたちと絶対に同時に一緒に見せないようにしていることは、世界観を守るためかなと思う。
それも演出か
そういえば歌舞伎座。私がタカラヅカの次によく観てきた舞台。あそこも大きい舞台で、盆廻りもあるし舞台装置はとても精巧かつ立派。
そして歌舞伎の場合は、役者にも黒子さんが付く演出もあるが、場面転換で黒子さんが出てくることも普通にあるし、大きく装置転換させるとき、ちょっとした幕を引いて、裏側でトントン釘打つ音が響く。
体感にして1分くらい、場面転換のために中断する。ちょっと鳴り物も奏でられたりして。トンカン、トンカン、とテテテテテンという太鼓とが混ざるそれも演出。
そして幕がサッと開くときは、それまでの物語的な流れを多少傍において、バーン!とみせてワーッと拍手する。こちらもとっても特別な演出だな、そういえば。
昔…
天海祐希トップの時代のこと。
とある照明舞台装置がタカラヅカにやってきた。それは某ショーの某場面で導入され、当時、若いというか子供だった自分には、ただの蛍光灯並べたやつ、にしか見えなかったけれど…確かとっても新しい、スゴイものだったらしい。わざわざその装置を紹介する映像あって、天海祐希自身が紹介してたものね。
その後、私が気が付いた限りでは1回か2回…別の演目でも再利用されたっけな……?
海外公演にも持っていったはず。
それっきり。
最近は映像や照明演出の技術も色々と進化して、そうした最新の技術的なことも取り込まれて舞台演出は組み立てられるわけで、ある程度パターン化している各演出家の表現も、実は色々とバージョンアップしているはず。
そういや
大階段の電球はもう、割れてないですね。
何年か前に割れないスゴイやつに切り替わったらしいけれど、かつては、よくみるとあちこち灯りが欠けていた。ジェンヌさんのヒールにやられてたそうな。
マックロクロスケじゃないけれど、日々鑑賞しているあの大きな劇場の舞台の隅の暗闇をつつくと、闇に溶け込むスタッフさんたちがたくさんひそんでいるのねぇ…
いつもありがとうございます。