隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

退団と卒業

星組集合日だったのか。
ファンにとってはまた、立ったり座ったりする日になったことだろう。
星組にとっては中堅が抜けることで若返るのか?そんな感じの発表と受け取った。

卒業生とその同期

紫月 音寧(92期)研16 → 千海華蘭、鳳月杏、真風涼帆
夢妃 杏瑠(93期)研15 → 彩風咲奈、芹香斗亜
愛月 ひかる(93期)研15 → 上に同じ
漣 レイラ(94期)研14 → 珠城りょう、久城あす
彩葉 玲央(97期)研11 → 永久輝せあ、海乃美月、留依蒔世
湊 璃飛(98期)研10 → 暁千星、綾凰華、瑠風輝
澄華 あまね(102期)研6 → 舞空瞳、潤花

信頼の中堅

ざっくりと、この期ならこの子という、自分にとって名前と顔と舞台姿が一致するジェンヌの名前をピックアップしてみた。

研14より上は、務める役の大小以上に舞台に安定感と質をもたらすベテラン層だとすると、
星組は、礼真琴(95期 研13)より上級生が

美稀千種(79期 研31)
白妙なつ(90機 研18)
天寿光希、音波みのり、大輝真琴(91期 研17)
輝咲玲央(92期 研16)

と、さっくり6人と心細くなる…

いや…

よく見てみると…
この卒業で、やっと他組と同じバランスになるのね。なんという。
他の組はトップの上級生が大体、4〜8人くらいか。
まあ宙組が、マカゼがもうだいぶ上級生で美風副組長が花組に異動するから3人になるのか。

花組星組はトップが若いから、と思いきや、花組は7人、美風副組長いれてやっと8人。
月組は、時期トップ月城かなとに交代してトップが若返っても上級生が5人。10人いた星組はやっぱり大所帯だったということになる。

これは基本的に低学年ほど在籍人数が多く、大体同じくらいの人数になるから、差が出るのは上級生の人数次第、というざっくりとした考え方によるもの。

卒業は個々の生徒次第とはいえ全体的に一定のバランスを保とうという力が働くのかなと思う(ここでいう力とは概念)。宝塚歌劇ホメオスタシスみたいな。

みんなに愛されたひとたち

で、愛ちゃん。愛月ひかる。
私は、彼女はなんかずっとマイペースに、在団し続けるのかなってちょっと思ってた。
宝塚愛が強くて、なんかそのときそのときの与えられる課題を、自己肯定して望んでいるような人ではないかと。

私の中で愛ちゃんに好感度が増したのはやっぱり、2016年のスカステ年末年始特番。92期と93期でわちゃわちゃすごろくゲームをやって、愛月ひかるはしっかり爪痕を残した。
マカゼとのコントのような寸劇は本当に面白かった。

芝居の方は、私はあの頃、1人くどいのがいるなぁと、そんな感想持っていた。アクが強いというか、濃ゆいというか。好悪に関係なく記憶に残るジェンヌだった。だから、その後異動したあとそのまま専科で卒業されるのかとちょっと思っていた。

愛月ひかるはやっぱり容姿が華やかなスターで、それはいま星組の2番手位置に立つようになってから益々、なんと得難いスターかと思った。

時と運と良し悪しと

愛月ひかるは、研3で新人公演初主演。そこから4度主演して、ルキーニもやって、バウ主演も東上もして、でもトップにはならなかった。
巡り合わせやタイミングもあったろう。
ただ、劇団が95期に早々に舵取りしたことも影響したと思う。

いつだって、特別な演目とか、特別に速やかに上にあげたいジェンヌが出てくるとか、そういうことがあると、順当にあがれなくなるジェンヌが大量発生するもの。まあ、順当てなんだよと興行主は思っているのかも。
ファンはつい、順番があるものと勝手に勘違いしてしまう。

彼女の魅力

愛月ひかるの魅力が客席の私にダイレクトに響いたのは、星組で礼真琴主演舞台に参加してからだった。
なぜか愛月ひかるが登場すると、とたんに舞台が面白くなったのだ。
ああ、パーフェクトな礼真琴にも持ってないものがある、それを愛月ひかるは持っている。そう感じて、なんと相性のよい組み合わせかと思った。

星組の愛ちゃんは誰の目にも益々よく見えたのは間違いなかったと思う。彼女の人気は確実に、星組に来てからあがったと思う…!

礼真琴は案外長期ではないのでは、と思うことがあったので、もしや愛月ひかるがトップになることもあるのか?と考えたこともあった。しかしこればかりはわからない。

華々しく扱いが良くなった「2番」

先日、瀬戸かずやが愛されて賑やかに卒業していったが、それは想像以上に厚い待遇で手厚く卒業させてもらってたな、と感じた。

なのでかえって「これは、各組の番手上位にいる路線上級生はみんなこんな感じで卒業するよーの、見本なのでは」と思わされた。
頭によぎった人、私だけじゃないと思う…。

その第二弾が愛月ひかるなのだなと…

トップという役割はその性質上どうしても限られる。でも人気を支え舞台を彩り仲間の精神的支柱にもなり、というトップ以外の上級生スターは、もっと大々的におめでたく卒業していい。

番手にこだわるひとも

でもどう言葉を尽くしたところで、番手切りという表現を自ら使用して怒り傷つくファンもいる。
しかし公式は一切そうは思わないものだと私は感じている。
宝塚歌劇団はなんといってもお金大好き関西企業。
そして退団公演で稼ぐタカラヅカである。その稼ぎチャンスを、トップの卒業に限ることはない、と考えたのでは…
そういうことではなかろうか。

今後も、同時期に期の近い3人くらいの人気スターが育ったら、あえていちばん期の若いのを上にあげて上級生2番手構造でファンをヤキモキさせながら引っ張る、というこの判官贔屓商法を使ってくるんじゃないかと、ちょっと思ったりした。

祝いたい

すべてのタカラジェンヌが、青春のすべてを賭けた日々に終わりを告げるその日を、私は心から拍手しておめでとうといいたい。タカラヅカほど恵まれたとんでもない劇団はない。
私は自分の青春の全てを何かに注ぎ込んでひたすら努力などしなかった。できなかった。
だからそれを成し遂げたすべてのジェンヌを尊敬している。



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