東宝版、月組桜嵐記を観劇した感想のまえに、望海風斗コンサートの感想をさっくりまとめておく。
9月末に観劇予定でありながら配信があることも知らず、あんまり熱心に情報を追いかけていなかった。ヅカ生観劇にひっぱりこまれたのはだいもんの歌声がきっかけだったのに、やっぱりOGになってしまうとこうも温度が下がるのか。はて。
というか普通に日常が忙しいし…、ワクチン接種だ通院だで日常を生きていると、自分にとっての非日常=観劇の世界につかっているわけにもいかない。
ヅカとそれ以外と、やっぱりOGとはいえ趣がことなるので、2つの趣味を持つように、自分に対する受け入れ方が変わる。そしてそんなに引き出しは多くないわけで、SPERO配信の存在を知ったのは開幕30分を切ってからだったけれども、楽天と違って開幕後30分まで販売しているぴあでよかった(配信~購入~配信視聴システムは楽天のほうが好きだけれど…)。
エリザコンを思い出す
梅芸のあの舞台の感じ、導線が似ていたなー。
最も効率がいい配置っぽいよね。そしてダンサー多いのに驚く(…ナンデ?)。あ、いやいいんですけど…。
なんで歌メインのコンサートって、概念みたいなダンサー出てくるんでしょうね
歌唱力抜群の望海風斗さんですから何の心配もしていなかったんだけれども、wowowの副音声スペシャルの際のフリートークで、「毎日気が付くと歌っている」と、宝塚歌劇を卒業して多忙なる稽古と本番の日常から離れた真彩希帆ちゃんがまるでその忙しさを懐かしむように、毎日のんびり過ごしながらもひたすら歌っている様子を紹介すると、望海風斗は「自分は歌わないようにしている」といったんですよね。男役の発声がもどってきちゃいそうで、今その癖を取り払っているところだと。
そして、今までいかに無理して歌っていたか実感しているようなことを(ニュアンスです)語っていたのが印象に残っていたけれど…
コンサート冒頭の2曲でなるほど、と思った。
わかっていたはずなのにわかっていなかった美声に戸惑う
望海風斗は今までとうたい方を変え、本来の、本来のご自分の身体にしっくりくる声を披露していました。それのなんとぞわぞわすることか(※不快という意味ではない)。
彼女が(知ってはいたけれど)とっても女らしい歌声で歌うともう、くらくらする。ギャップに。私はいままで一度も、どんな男役のジェンヌでも男に見えたことはないし、疑似恋愛感情を持ったこともないのだけれど、いつみても脱皮にはくらくらする。
途中タカラヅカ時代の曲の際には、急に元気に歌い慣れたパフォーマンスを見せてくれたので、ああ、本当に同じ歌うといっても全然やっていることが違うんだなあと感じた。
ラミンさん
みんな大好き大人気ラミン・カミムルー。私は一切ですね、こう、知らないというか!興味の範囲外なのでね、へえ、この人が~と思った。
さすがにお声や歌っている姿は過去に映像で見たことがあるけれども思い入れはなく…上半身ムッキムキやないかーい、ていうのがファーストインプレッションでした。
そしてとてもプロ意識の高い人だなあと。とっても親切な方でしたね。
終始、ふわふわしているだいもんが言葉全然出てこなくなっているもんだから、少々ハラハラした笑。
あこがれの人と一緒に歌えるってすごい。相手は世界的な歌手。彼女のこの日までの努力が実った瞬間に立ち会えて、なんだか貴重な場面をありがとう、という気分。
ただ本当にスペシャルダンサーの雑な英会話と、受けを狙ったのか知らんけど少々失礼な、そしてデリケートな発音の指摘なんて余計なネタをぶちこんだダンサーさんには白けた。
英語ができるとか、そういうことではなく、海外ゲストには必ず本業の通訳を通すべきです。
あれは座長としての望海風斗の課題と思いました。こなれた外部のダンサーとかミュージシャンのノリに自分のステージを預けてはいけない。
情熱の行方
wowowの番組でも「ただ生きてます」と近況を話していた望海風斗。彼女の情熱や夢がすべて詰まっていた宝塚歌劇を卒業してから、その後の芸能活動は飯のタネにはなるだろうけれども(生活のためにも働かねばならないだろうけれども)、彼女は燃え尽き症候群になりはしないかしら、とちょっと思っていた。
実際、この歌声は「余生」みたいな歌かな、と序盤思った。彼女は残り一生こういう舞台を続けて生きるのかな?とか…。いつか芸能活動50周年とかでもこういう舞台をやるんかな、と…。
そしてそれを自分は細々とみていくのかなあ、と(芸能生活50周年目はみれんかもしれんが…)、なんか遠い未来に思いをはせちゃったりして。
モニタ越しに眺める遠くにいる一人のファンの自分には推し量れないけれども、つまり、こういうステージがだいもんの幸せだったりやりたいことであったらいいなあとは思う。
ただ、まだまだ、とにかくまっさらな印象を受けた。