スカステニュースで見られた、事故ってる真彩ラップとそれを受ける望海風斗が面白い。
真彩希帆ってほんと強い娘役になったなあと思う。娘役芸を磨き上げ、望海風斗の隣で相手役を務めることの責任感を、当事者として誰よりも強く受け止め、妥協なく努力してきた証として、今最大に輝いている。
見渡せば、稀有なトップコンビ
望海風斗&真彩希帆は実力と実績によってファンを味方につけ、チケット難の人気組となり理事長の愛も得て、実に見事な卒業の花道をただいま歩いておられる真っ最中。
昨日、望海風斗メモリアル放送として『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』が放送されていた。
二人にしかできない役柄とまで思えるし宝塚の歴史に残る薔薇の名シーンと、そこに至る心の叫びのような名曲を歌い上げて、やっぱり何度観てもあのシーンは釘付けになる。
私も何度目の視聴かなあとぼんやり思いながらついつい目が離せなかったけれども、しかし、この作品で魅せたスーツの男役芸の堂々たる姿、蘭寿とむをふと思い出した。
蘭寿とむ 最後のアダルト花組トップ
花組でファントムをやりオーシャンズ11をやり、ラストタイクーンで、劇場を制する男役を体現した、カッコいいトップだった。
望海風斗いわく、背中をみせてくれるタイプで、下級生は細かく指導されるというより、その背中をみて学び・ついていったとか。
蘭寿とむトップ時代の望海風斗は、同期の明日海りおも2番手にやってきて、悩み多き中堅時代ではなかったかと思われるが、仮にそのまま花組で望海風斗がトップになる目があったかもわからないが、もしそんな日があったらば、花組っていまとちがってアダルトな雰囲気を持つトップが続いたんだなあと思う。
またの名を老け顔
いまひとつウーンと思うのは、雪組公演『Music Revolution!』 。ギラギラの黒銀の衣装にワイルドなヘアスタイル。そして赤い口紅。
だいもんさんは、赤い口紅をすると、老ける。※個人の感想です。
特にこの、Music Revolution!のときの、黒銀の衣装でメインテーマを花道で歌っているところなんか、タカラヅカファンのフィルタを完全オフすると、どう見ても「30代半ばの女性が歌っている姿」にしか見えないんだよね。
男役に、タカラヅカに目が慣れ過ぎているとわからないかもしれないけれど、どの男役でも、男役姿が「化粧が独特な30代女性」にしか見えないってのは、あるんだ。
スカステ等でみられる素化粧のえげつない美貌はエイジレスなんだけど。
娘役はタヌキ顔の若い顔が好まれる傾向がこのところ強いが、真彩ちゃんのタヌキ顔は結構特徴がある。しかしながら、なんとかつてはこの美しい顔面にすら批判もあった望海風斗との並びのバランスは、実にいい。やっぱり主演コンビのバランスって大事だと思わせてくれる。
まさに「トップコンビ」なトップ
真彩ちゃんが彼女の個性をしっかりだして、しっかりとだいもんの隣で喋る姿。こんな自然なコンビ像がタカラヅカのトップコンビで観られるのはいつ以来か。たいてい娘役が最低3歩はさがっているからね。
何年かやってきて今の関係性になっていることがよく伝わってきて、主演コンビというのはある程度の舞台上での時間と経験を共有することがやっぱり大事なのだなと感じさせられる。
少し前に、森奈みはるさんが「在団中、学年が離れていたのでヤンさんとあまりお話しすることはなかった」とSNSでコメントされていました。
あの時代はそうであろうなという上下関係の厳格さが今以上にあったと思うが、主演コンビでもそれかあ というファンとしてはちょっとしたさみしさも感じた。舞台の作り方は様々であれ、普段会話する関係か、普段は上級生下級生としてあいさつ程度か、てのは、この時代スカステ等で見えてくるもの。
望海風斗が人気なのは、相手役との距離感からくる空気ってのも大いにあると思う。
コンビとして並んで一緒に立っている「トップコンビ」がみられるのは、今の雪組だけかな。
ただ、次の雪組も、咲奈ちゃんに対し相手がひらめちゃんという娘役芸を極めつつある方なので、このコンビ感は継承されるのでは、と期待できそう。