結局月組ってなんかごちゃつく運命なのだろうか。
えらかったよ前任は
珠城りょうがごたごた人事を全部吸着して持って行ってくれて、さあ新体制はきれいにスタートだと誰もが思ったに違いないあの日。
新トップをとにかく曇りなき存在にした引継ぎの一点において充分偉大、と私は思っていた。
いまふと振り返れば、大千秋楽において大イレギュラー（アンドKY）と思われた、ゆりさんとまゆぽんを呼んだあの一コマ。あれってトップ期間の彼女の孤独というかしんどさの裏がえしで、よりファン受けする慣例（次期トップを呼んだり相手役トップ娘役を呼んだり次期トップコンビになる二人を呼んだり）を無視してでも、おそらく在団中、絶対的に味方になってくれていたんであろう二人をどーしても、どーしても呼びたかったんだろうなと思うと、どんだけ大変だったんだとやっぱり思ってしまうし孤独だったのかなぁとも思ってしまうし。
ふと思い出す星組紅時代
紅ゆずるは、舞台技術でなにかしら指摘されがちなトップだったけれども、ビジュアル鬼強でありカリスマがあった人気トップでもあった。星組という看板も大いにプラスだったと思う。星組らしさみたいなものを持っていて。
実際、彼女が退団して、技術面ではパーフェクトな礼真琴に交代したときに私が観劇して感じた「もの足りなさ」に自分でもびっくりしたけれど、愛月ひかるがしっかりそこを埋めていて、ジェンヌの配置って考えられているなあと感動したっけ。そうするうちにいつのまにか礼真琴をみても、あの当初のもの足りなさはなくなっていて。
その紅ゆずるが確かインタビューで、自身がトップのときには「踊れる子に踊ってもらう」とか、トップだから何もかもを自分が担わなくてもいい、うちの星組のキラキラしてる子を観てやみたいなノリの発言をたしかどっかでしていた…。
それに多かれ少なかれ影響を与えていたのかな？みっちゃんは、と思ったインタビュー記事が。
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このインタビューの中で自身がトップとして主演していた作品においては、下級生の配役の決め方にもトップスターの意向が大きく反映されていたことが語られているけれども、結構な驚き。
当時のプロデューサーや演出家が柔軟だったのか、トップさんとは常にそれくらいできるもんなのかはわからないけれど、確かな技術と長いキャリアをもった北翔海莉の意見は説得力や訴求力があったんでしょうねきっと。
「学年関係なくいろいろなオーディションをして、とにかくできる子に役をつける」というコメントが彼女の考え…路線とかでなくとも、実力のある人が腐らないよう、各々納得のいくかたちで発揮できるようオーディション形式にしたあたり、より体育会系といわれる星組にも合うスタイルだったのではないかと想像する。
またはじまる？月組路線混戦
で月組。
珠城りょうトップ時代に歌劇団が明確に二番手としたのはたったひとり、月城かなとだけであったと思う。
美弥るりかは上級生支えその１であって、上げる可能性がないことは明白だったように思うし（彼女を上げる気があったら珠城上げ前にあげてたはずと思うし。珠城りょうはとにかく若年過ぎたのだから）、月城かなと時代のいまの鳳月杏は、あの頃の美弥るりかポジ・アゲインの状態といえるのに、なんかあの頃と印象が異なるようにみえるのは、キャリアの違い以外にもなにかあるのか。
みやるりはつくづく後半に人気がドーンと出た（もしトップを取る気があったならあまりに遅すぎた）のと、たぶん愛希れいかとの並びが×だったのかな。ちゃぴとのコンビがアリよりのアリだったら、色々、あったかもしれん、なんて思わなくもないが、個人的にそういうことでもなかったんだろうと思っている理由には、月組の龍→珠の引継ぎの流れって、紐解けば歌劇団全体の95期上げ計画が大いに影響していたという考えがあって。
珠城りょうに早期トップさせて何がよかったかっていうと、公演計画の都合以外では、「あれだけ存在していた上級生をすっ飛ばして94期にトップのバトンを回したこと」が一番で、現在みるとおり、これによって問答無用で若返り人事になだれ込み、95期トップ並びに月組も間に合った、という。
龍時代の月組、みやるりすらかすむほど、4，5人いたもんなぁ、個性的かつ粒ぞろいの路線が。団子で。というかカオスで……。
明日海を無事（？）花組に送り出した後のその筆頭花組では最初っから、明日海→柚香のトップ交代が水面下でほぼ確定していたと思うし（ポーの上演の優先度がもんのすごい高かったと思っており、つまりそのために、カレー君の前に誰か挟むことは、絶対になかったと思う）。
花組は花組で、89期～94期くらいの間に何人も素敵なジェンヌがいたけれども、結局こちらもすっ飛ばしたものねぇ。89期→95期に。
まあコロナ禍で色々計画が予定通りいかなかったことはあるとはいえ、月組に関しては月城かなとにトップ交代されたときに、「これでひとまず、月組の路線人事のごたごたみたいなのはリセットされた」と思ったんだけど…。
なんで今また微妙なことになっているのやら。
みんな好きなんだけど…
アレ？このままだとどうなるんだ？と思ったのは、それはシンプルにもう
・ちなつさんが３，４作で卒業かと覚悟していたらそうでもなかった
・海ちゃんは3，4作かなと思ったらそうでもなかった
・れいこさんはもともと短期でも長期でもないかなって思っていたけれどなんだかよくわからない
という3本をなんで同時にツモっているんだ月組。
娘役人事は男役人事しだいなので、今回トレード組替えとなった件も、どうなるかわからないし、先んじて組替えしてきた彩みちるの存在も、ずっとあいまいなあましちゃんも、すべては他組との調整も含めた全体の、男役路線人事しだいでどうにでもなるようなコマあわせなんだと、それはもう感じてはいるものの…、
それなりにメンツができているものの役がイマイチ絞り切れていない、でもって、場合によってはさっさと切るべきだった赤牌とか字牌を残したまんま、なんか多面待ちみたいなのもできつつあり…みたいな状況。
ここからどうテンパイするのかしら。
