カチャさんが率いる全ツのショーが「パッション・ダムール・アゲイン」ていうタイトルってことは、あの例の私の大好きな
テーテーテーテテッテー♪ が来るー?とわくわくしておりましたとも。このシーンのところ、愛の誘惑とかパラダイスって覚えてたけど曲?としては「Bad Power」らしく。今更である…。
何でかなって思っていたら、多分昔の月組バージョンの記憶。
愛の誘惑というテロップから涼風真世がソロを歌い、林檎ぶん投げて、そこに現れる剣幸…!
あれを昔々、観たからこのシーンまとめて「愛の誘惑」と覚えていた。
にしても、
あの男役の踊り、観るたびに「男役なら絶対やりたいよね!」て思ってしまう。あの振り付けスゴイって毎度思う。あれがかっこよくできたら男役冥利につきるんだろうなぁ…なんて。
ダサいかと思いきや最高にカッコいい。観るたびに男役って凄い!最高!って思う。
すべてをみせようとしていた瀬央 ゆりあ
で、予備知識なしで配信視聴したものだから、この待ちに待った場面の真ん中は、また凪七瑠海かと思っていた。
なのに飛び出るように真ん中でギラギラしていたのは瀬央ゆりあ。わあ!とびっくり。
あの場面はみんな掛け声も熱く、あの特徴のある前屈みのシャドウボクシングみたいな振り。何であの動きがあんなにかっこいいのかよくわからんけど、いいのよねぇ。
会場の拍手もなんかすごかった。拍手は余計という厳しい意見がSNSで散見されていたが、普段と違う拍手があるのも全ツの面白いところ。
そして、私のイメージでの瀬央っちなら、ああいう場面では張り切りすぎて気合い入りまくりでやり過ぎるほどやる、なんて思っていたのに。
実際のいまの瀬央ゆりあは大変な情熱と大変な抑制というのか、押さえていて、それがもうまさに冷静と情熱のあいだって感じで!
素晴らしく素晴らしかった。
ここの場面の踊りは、剣幸版、柚希礼音版、凪七瑠海版、彩風咲奈版と、そしてこの瀬央ゆりあ版を観たが。
どれも甲乙つけ難い魅力があるのだけれど……
何十年ぶりにしっかり観たわ、なんていう新鮮な感動を呼び起こしてくれた凪七瑠海版の、ノーブルでこれぞ宝塚というあの完璧さが気に入っていたけれど、今回は観られなかったけれど、この瀬央版もまたとても素敵だったので大いに楽しんだ。やっぱりどれが一番好きと選べない。
のびのび舞空瞳
カチャさんは、観るたびに「やっぱり凄いな」と満足度がとても高いものをみせてくれる。
そして今回カチャさんがまた凄いぞと思ったのは、舞空瞳がなんかもんのすごく、グイグイのびのび動いて歌って大輪の華を咲かせていたこと。
その養分、その土となったのは紛れもなくカチャさん。
舞空瞳ってもしかして、礼真琴との本公演のときは気合が入り過ぎ力みすぎていたのかしら(ロミジュリ時点はそうだったかもだけど)と思うくらい、何かいい意味での開き直りというのか、肩の力が抜けていて、体が開いていたように感じた。
カチャさんほど学年差や、相手は偉大なる専科さん、と思えば、本命の相手役礼真琴を相手にするときのプレッシャーよりも、もしかしたら、全部相手に委ねちゃえって思えることがあるんじゃないかしら。
そして、そうやって寄りかかりなさいとやれるのは、凪七瑠海みたいな存在しかないわけで。
このコンビは舞空瞳が大きな翼を広げるのに実に効果的だったのではないだろうか。
最初から最後までちゃんと主演娘役でいられたショーだったし。
(演出上、気つかう有沙瞳や小桜ほのかもいないし)
セクシーも清楚もお手のもので、デュエットダンスまで、とても綺麗だった。
あとめっちゃ若いのに小娘じゃなくて若い未亡人とかなんか人妻感あるのがおもしろい個性よ。
そこはカチャさん相手だから大人っぽくなってたのかね?