隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

美の暴力で全て解決!デスホリという悪夢①

デスホリこと『DEATH TAKES A HOLIDAY』をイープラス貸切公演で観た。

月組別箱とのご縁

れいこちゃん主演の別箱は、ダル・レークの恋のときもSS席が当たりかぶりつきで色々浴びさせていただいたが、またもやデスホリもSS席であった。ありがとうイープラス。
本公演だと月組さんのチケットは外れ続けていたのに、ここぞとばかりにご縁ポイントのキャッシュバックでありがたや…。

東急シアターオーブ

開幕前に指揮者のアナウンスがあったし、幕の奥から練習の音出しを聴いた気がしたのだけれども、オケピがどこにあるのかわからない構造だった。アレ?
調べると前から5列目までの下にあるらしい。今回はやっぱり生演奏ではなかった…?

私の席は4列目で、5列目あたりまではなだらかにカーブしつつも段差のない床面だった。
4列目からの視界は、東京宝塚劇場のSS席6列目くらいから銀橋の距離感。オケピがない分舞台が近くて見やすかった。

開幕の海乃美月

事前情報やネタバレを極力避けて観劇に臨んだのだが、開幕の海ちゃんを見た瞬間「あー、ミュージカルスターだ」と思った。
タカラヅカのトップ娘役のうみちゃんというより、外部舞台に出演しているかのような舞台女優さん味があった。
海外ミュージカルだし、この開幕だけではなく全体的にタカラヅカの、時にはマイナスになるスターシステムを意識した場面づくりや役の比重の偏りにとらわれない作りのおかげで、このデスホリ、各役それぞれに見せ場がある。
それはそれは、見せ場が分散されており、ヒロインが霞むほど。

死神は誰なのか

海乃美月演じるヒロイン、グラツィアがとにかく理解し難い女であった。
冒頭で家族と共に事故に遭い「奇跡的に無傷で」助かるグラツィア。
この奇跡に主人公の死神(月城かなと)が関わっている。

ただそのことがあったからというわけでもなく、たまたまって感じで仕事に疲れ果てた死神は、富豪のヴィットリオ(風間柚乃)の別荘に、人間になりすまして「週末の休暇」にやって来るのだが、たった数日の週末、死神が仕事から逃げただけで世界はそれなりに混乱する。

そんな週末のひとときで、死神は愛とか恋というものを理解しようとし、アリス(白河りり)とファーストキスしたり。
その後グラツィアと急接近するのだけれど…

グラツィアねぇ…彼女、なんかずっとぶっ飛んでたというか酔っ払ってる?というか…

開幕直後、事故に遭うも無傷で、ムクリと舞台中央に立ち上がったときから、まるで何か違うわ、なんて感じで歌ってたし、この事故の後、死神に恋する前から婚約者への態度が変わっちゃうしで、なんかハイテンションなのよ。
お月様とお話ししに〜なんて言い出すくらいハイ。

だから、この女は何を考えているのか、終始、不思議だった。

デスホリ感想が終わらない

私はこのデスホリという作品、実にまあ、興味深かった。もう一回観たかったな。
先日の配信日観られなかったのが本当に残念。映像化するなら必ず購入したい。

休暇の最初の朝、れいこちゃん演じる死神は人間になって初めての朝に大はしゃぎする。
目玉焼きつついてた死神のシーンは楽しくて、こういう話かぁ…って思っていると夢奈瑠音演じるエリックが出てくるあたりできな臭くなる。

ここで、死神版ローマの休日をやる気はないんだなということに気がつく。

そして話が進むにつれ、主人公の死神サーキとグラツィアの交流がそれほど描かれないので、単なるラブコメでもなければ米国版ファントムでもない、この話をどういう話と捉えるか分からなくなり、見ているうちにあれこれと考えながら歌を浴び続けることになった。



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