歌劇団や阪急に対して「なぜ訴えないのか!」と憤っているファンが結構目に付く。
それを見るたびに日本の法制度は「訴えさせないマン」なんだよと言いたくなる。
基本は訴えることができない仕組みになっているといっても過言ではない
私が、日本ってだれかを訴えるのは本当にしんどいことなんだなと学んだのは、親戚が大変なめにあったのをみたから。
身内が病院に入院中、死亡。その状況が状況で病院側と訴訟になった。訴訟前まで「全責任はうちにある」と言っていた医師や看護師、病院の事務方は、訴訟になったとたんすべて証言をひっくり返した。そして被害者側である親戚は、病院側の過失があると訴える、そのあらゆる手続きのために、証言のために、確認のために、監視カメラに残されていた身内がなくなる瞬間の映像を、繰り返し繰り返し映像で見なければならなかった。子のなくなる瞬間を何度も確認しなければならなかった親が精神を病んだのは当然だったと思う。
居住地の関係もありこの件について私は話をきいただけだったが、それでも今でも胸がきゅっとなることだ。
「やった側」はなにも立証責任はない。「やられた側」が全部証拠をそろえて法の番人に訴えるのに、苦しめられた側がなんでこんなにさらに苦労や苦痛を背負わなければならないのか?しかも多額のお金もかかる…それが訴訟で。
「あなたが正しいなら訴えなよ!」の言葉はある意味で、ひどい目にあった人に鞭打つ行為であると思う。そして当然ながら加害側が「文句あるなら訴えて」などとは絶対に言うべきではない、その一言は「ミニスカはいてたら誘ってると思われ襲われて当然」と同レベルで最悪であると思っている。
私たちは知っている
村八分っていう単語が昔っからあることが証明しているように、私たち動物はヒトでも犬でも猫でもパンダでも、集団になると何かが起こり、誰かどの個体かが集団からはじかれることがしばしばおこる。これはもう、人間だけに限らないので、そういうものなのだろう。だからこれはどうしようもない。
ただしハコ(学校とか職場とか村や街)には監督責任が発生する。でも責任者はその集団に属する者のひとりであるっていうの、こうやって文字に書き起こしてみると「そりゃ無理では?」とちょっと思う。
ハコの内側にいる存在でありながら集団の当事者ではない存在…できれば集団から一目置かれている人…そういう全方位に都合の良い信頼できる人材がいたら、どこの組織でも欲しがるわ……。
OGのことば
人から教えられるまで私もその存在に気が付かなくて、見てみた。そしたらとっても言葉を選びつつも率直な言葉で思いがつづられていた。
多分私は、卒業後も芸能界や、あるいはSNSで露出しているOGからのこういう率直な反応を欲していたんだと思う。
「思いを寄せる」という彼らがよく使う言い回しそのままのその姿勢に私はどこかほっとした。
事務所所属のタレントとして活動しているOGたちは、SNSで何を発するのも事務所管理のところがあるから、触れられないということはあるだろう。
そしてその組やそのジェンヌさんやらを知らないOGはみだりに哀悼の意すら発信すべきでない、事情を深く知らないからこそ…という出るか引くかなら引く方を選ぶのもとても理解できる。
しかしなんというか、SNSだからこそ、SNS時代だからこそ、普段愛を叫んでいるあなたたちのルーツであるところで起こった悲劇についてなにか一言でも…、と、そう思う気持ちが私にはあった。なんで私ごときにそんな思いがあったんだろうか、といえば、それが私のファン心なのだろう。わがままよな…我がファン心も。
三人旅の一人乞食
数年前に知ったこのことわざ。「三人旅の一人乞食」。3人で何か事をすると一人が損する役回りになるとか、そういう意味。これめっちゃわかるー!と思ってすごい印象が強くて。
特に若いころはまさにこのことわざの通りに損する役回りになることがあった。
友達とご飯食べに行こう、旅行にいこう、3人以上で行動するときなんか毎度毎度、仕切り役や幹事の役回りを担う人と、大丈夫~とかどこでもいいよ~とかいって毎回ありがとう~っていうだけでお膳立てしてもらっちゃう人と。
そうした関係性をまあ、容赦ない表現で昔の人は言うたもんだなと。旅するくらい仲良しの3人組ですら一人は損するんなら、どうすりゃいいんじゃいねぇ70人の劇団員は。
再会を待つ
今のこの状況の、自分が感じたことを書き留めよう…と思いつつ書いては消して、また仕事を忙しくして…そうこうするうちに、月組の大量代打公演や、新人公演の中止が発表。
どうするのかなと思っていたら案の定タカスペも中止。宙組は大劇場公演が全日程中止。
そうかぁ。
そいう時代なのだからこんなもしもは考えるのも無駄なことだが、事件事故そして報道について全ファンがSNSで沈黙していたら、また違ったろうなと思う。
あと、原因とか責任者を追求する正義感というものが火種だったんじゃないのと思うし。ときに理事長っていうのも人間だと気が付いてない人もいるんかなという文字列もネットに散見されていたし、本当に学ばない。
そしてここにきて、報道が少し拡大されてきているがたぶんこの後流れが変わるんじゃないかな~と思う。というのもOGへの仕事にも影響が出そうな気配あるしそうなるとあちこちの事務所がちょっとピリッとするだろうし…OGって肩書で飯食っている人がどれだけいることか。当人だけの話ではないわ、芸能界のはなしよ。そしてその周辺サービスの話でもある。
私の大好きなテニスで、フェデラーが怪我で長期離脱を強いられた錦織圭について「ちゃんと治ってから復帰する、というシンプルなで大事なこと」と焦らず治療に専念する彼を応援していたし。同じように、長期離脱してでも治って復活してほしいなと。
ただな…これから清く正しく美しくをまもるためにより厳しいルールとか細かいなにやらをつくるんではなく、ゆるさを取り戻せるようにならんかなとちょっと思っている。
でも「緩さ」ってのが伝わらない時代なのかな~…
私はこの謎の組織の面白さが好きだからなあ。いまその終わりをみているのだろうか、それとも。