隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

とある中小劇団の初日公演のはなし

さて。ヅカ以外の舞台観劇でなかなか難しい問題が発生したことと、そのとき自分が思ったことをメモ。

それは某・舞台の初日公演。
規模としては中小劇団かな。劇団と表現したが演劇ユニットってやつ。メンバーは公演時に都度集合するタイプの。
だいたい400から500席のキャパ×12ステージほどの公演を毎回実施し、平日は全日完売までいかない様子なので、1公演につき5000人前後ほどを導入している模様。

ムラ2公演分じゃん、て思うがムラがでかすぎるんである。ヅカの規模がやっぱり日本最大級なのであって、これくらいの公演規模がもっとも多く公演されているスタンダードな規模の芝居公演なのではなかろうか。キャパ500前後って、客の呼び込み難しそうよね~。
芝居となると、出演者がたとえテレビやアニメによく出ているような芸人や声優が出演しているものでも、キャパ100~180くらいの小さい劇場が数としてはいちばん多いイメージ。

この日観た芝居の主演者たちだって声優の人気者だったり、日生劇場で主演経験があったりと、見ごたえ・実力充分のもので、観劇の満足度は大変高いものだった。
会場内のお花もまーゴージャスで。独特の文化になりましたねぇあの、ファンから贈るデザイン性の高い会場装花…。

開場時点でトラブルが

私は出演者さんの取次でチケットを手配していたので、当日清算の窓口についたのが開演30分前くらい。
そのときに「舞台機構の確認で18時開演が、開場・受付の時点で30分遅れます」とアナウンスされた。1時間ちょっと余裕ができたので、すぐ近くのドトールでお茶を飲み。
で15分前くらいに劇場に戻ったところ、ロビーと劇場前が先ほどより人であふれている。

開場といいつつも、ロビーまでしかはいれず、とてもじゃないがあと10分少しで開演する雰囲気でもなく。で…18時半にスタッフの偉い人っぽいのが駆け回って「19時になります…!」
とかなんとか(私の立ち位置では聴こえなかったが、ああやっぱり間に合わないんだな、まだかかるんだなというのはわかった)。

さらに演者が出てきてロビーと劇場前のお客さんに頭を下げて遅延をお詫び。その後責任者らしき人が再び出てきて「19時45分までには開演を目指している」と告知されたときにはおとなしく待っていた観客たちからさすがに「ええ~」というざわつきが。

都の条例と上演時間

この日の演目、もともと確か初日の前々日くらいに「3時間弱の予定→休憩15分の3時間30分公演」に延びたというアナウンスがあった。
元々だいぶ長くなりそうだときいていたので、そうかぁお尻心配……くらいの感想だった。ヅカだって3時間あるしね。別に気にならなかったのよね。3時間弱が3時間半に延びること。

ただ、開演が19時半を過ぎると困ったことに、東京都の条例違反に絡んでくるという。閉幕を23時までにしないといけないというのだ。
そこで、19時45分…というアナウンスが19時頃に駆け巡った直後にやっぱり19時35分には何が何でも始めますと何度目かのアナウンス。で、そこからが早かった。19時30分ごろにはやっと客席まで開場。観客も大急ぎで席につき。この間、主演役者が舞台上で延々とお詫び。

席もドタバタ

機材の都合か会場搬入してから何かあったのか、このとき自分のチケットの座席がない!という人が何人かおり、これは別の席に誘導されていた(もっと前のいい席に)。
主演役者が延々と詫びている。

開幕後も

とあるシーンで、開幕前に予告があったとおり、一部場面転換で舞台装置が詰まるという…。2回目からは解消されていたけれども、限られたスペースをなんとかやりくりしようと、かなり凝った舞台装置をぎゅうぎゅうに詰め込んでいたので、転換にひやひやした。
開演してから、役者陣の芝居を観ているうちに、役者たちの準備は整っていたものの、大遅延の原因はやはり会場と舞台装置・舞台機構の安全確認に時間を要したのだな、一部場面転換
で厳しいことになり、その調整に時間がかかっていたのだな…ということは、また伝わってきた。

これに加えて初日の役者あるあるが

メインの役どころを演じる役者二人(この団体からすると客演にあたるビッグネームのお二人)が非常によくて、全体を通じてものっすごいうまさで。これだけでもこの舞台を生観劇する価値があったというもの。初日と思えぬ完成度の高さもさすがの一言であった。

一方で、主演含めこの団体レギュラーメンバーは、一部、初日らしい緊張感や台詞のミスや、ミスではないものの、意図したものじゃなさそうな…詰まった?とこっちがひやひやする変間とかあって。まあ舞台は生ものですけども…

途中退席多数

舞台を観続けたくとも、遠方からの来場者は帰れなくなるということで、22時を過ぎたころに席を立つ観客がそれなりの数いた。
なお、この回の観劇にあたった観客へは、主催から手厚い謝罪と補填のアナウンスが即でており、アフターフォローもできる限り万全にとるという姿勢で、実際にその内容も充分なものである。返金はもちろんほかの日への振り替えや公演DVDの無料配布や舞台公演のアーカイブ放送のご案内など、できるすべてで補填し、後日改めての謝罪文も公式に掲載されており、不測の事態に対して最大限の対応をされていたと思う。

観客はどこまで何をするのがいいのか

やっぱりロビーの空気は、45分ほど待たされたあたりから、焦燥感・不安感が増して、それまでの「いいのよ、少しの遅延くらい全然まつわ」感が霧散。
一期一会とかいうし、なんていうんだろう、「今日のお好み焼きはひっくり返すときに失敗したけど、がんばりました」みたいなのを、ご飯食べに行ってお店で出されたとき、やっぱりある一定の線から上じゃないと「いいよイイよ、こんなの失敗のうち入らないよ、オイシイよ!」て言わないよね客は…。

今回の舞台、このトラブルによって、すっごい美味しい海鮮丼が穴の開いた器に入ってるんでこっちもこぼれるのを気にしながら箸をつけて…とでもいおうか、なんとも気が散る観劇体験になった。

そしてこういう体験をすると、やっぱり色々歌劇団ってすごいな、ちゃんとしてるなって。
初日のトータルの完成度がね。


別物とはいえ、あちらの舞台文化もこういう舞台文化も今後も混然一体、舞台芸術はすべて生き残ってほしいなあと、思った。


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