隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

配信と動画販売

役者をやっている友人が関わっている劇団で、久しぶりにしっかりと、有人観客ありでの公演を無事開催していた。
その際にはライブ配信と、アーカイブ配信も販売していた。アーカイブでみられることは大変ありがたかった。
アーカイブ期間は均一に●日間有効となってはおらず、初日も最終日の公演も全部ひっくるめて、公演の当月末まで有効 となっていたが、特に不公平性は感じずかえってわかりやすかった。
私は友人への義理もあり初日と千秋楽両方の配信を購入、片方はライブ配信で視聴し、もう一つは予定があったのでアーカイブで楽しもうと思った。
しかし、つい見過ごしてしまい、購入したっきりアーカイブ配信期間中に観ることはなく、結局見逃してしまった。

サービス拡大は不満拡大を生むか

もともと義理と人情半分、演目への純粋な興味が半分、という気持ちで2本の配信を購入したので、見逃してしまったアーカイブ配信分に対する勿体ない気持ちは、ちょっとだけ、だった。配信終了日や時間に関するアナウンスは購入時のみだけれども、ちゃんと把握もしていたし、半ばわかっていながら、つい、2時間集中して視聴する時間をつくることに億劫になってしまって観ずじまいになってしまったのだった。私が怠惰であったのだ。
はたして、アーカイブ配信のサービスがタカラヅカではじまったとしても、購入した番組を自分がちゃんと観るかどうかは実に怪しい。

というのも、私にとっては舞台を観る気持ちと集中力は、劇場に行くとか、ライブ配信とかっていう、こちらの生活やその瞬間の気持ちを無視して開催してくれることで、こちらも本気出して時間と集中力(とカネ)の準備が整うものだから。
身支度をして劇場へ行くとか、15時からの配信のために諸々片づけてスタンバイするとかができるのは相手(舞台)が生ものだからこそ。
ましてや舞台芸術は消えモノなわけで。ものぐさな自分もライブに対してスイッチが入るのである。ただこれがしばらくは消えませんよ、観られますよ となったとたん、後に取っておこうとしてしまう心理が働いてしまい機会をそのまま逸してしまうことが…たぶん、それなりにありそう。

思えば私の場合、毎年お正月にNHKEテレでやってくれる、歌舞伎座南座からの歌舞伎の劇場生中継に関しても、その時観ていないとやっぱり盛り上がらず、録画してしまうともうなかなか観ない。あとから観るものでもないスポーツ中継に似ている。

動画配信サービスとライブ配信

スカステに入っていても、観たい舞台が観られるわけではない。配信をまたねばならないし、加入してみると「なぜかしょっちゅう再放送するやつ」「全然放送しないやつ」とあるな、なんてこともわかってくるので、必ずしもヅカファンにとって必要なものではないことを実感する。楽しみ方、愛で方はひとそれぞれなので、オリジナル番組への関心がそれほどでもない人間にとっては、お目当ての舞台映像を個別でレンタル・購入できる動画配信サービスのほうが向いているかもしれない。

しかし動画配信サービスなら、ピンポイントで観たい作品をレンタルできる…とはいえ、レンタルビデオと同じでそこにあるからといって視聴購入するかというと別だし、購入したからといってちゃんと観るかというと人による。このへんで、「常にBGMのように、なんでもいいからタカラヅカを垂れ流していたいのか」「好きなジェンヌ・組の映像や情報は余さずコレクションしたいのか」「特定の作品だけ手元に置きたいのか」「現役生徒による作品・ライブ配信だけ観たい」などの嗜好によって、ひとえにファンといっても「映像」に対する行動が変わってくる。

私にとって動画配信は、ライブ中継であるからこそ観る・感動する という側面が多少、ある。過去作品から得る感動は映画鑑賞に近い。とにかく映像とはいえ劇場ライブ中継だけがもう全くのベツモノ。
アーカイブ配信ありの場合でも、その期間が短ければ観るんだと思う。その方が「ライブ感」「リアルタイム感」があるから。

ディレイ配信…

ヅカでは「夢千鳥」配信のこと…。本来は生放送に対して数秒~数分以上遅れて放送するのがディレイ配信。たった数秒遅らせる生放送であっても、例えば事件事故などの番組中の突発的な出来事がそのまま流されてしまうのを止めることができる。日常的に生放送はみんな数秒のディレイ放送らしい。
あんまりよくわかっていなかったけれども、夢千鳥のあの配信のディレイはどれくらいディレイ(delay=遅れ)だったんだろう。録画放送ってわざわざ言わなかったのよね。でも公演自体の危機に直面したあの舞台はピリピリヒリヒリしていて一種独特だった。今後あんまりやることはなさそう。

ファンのためのアイテム、DVD/ブルーレイ

私には相変わらず、なぜDVD/ブルーレイが公演期間中に早々に販売されるのかが呑み込めていないが、あるとないとじゃ大違い!ファン大騒ぎ!なのはもうようくわかっている。東西両方の千秋楽をおさめて販売すればいいのに、って思っていたけれどそういうことじゃあ、ないらしい?
でも、西と東の公演では時に演出も変わることが珍しくないので、私としては、西版と東版まとめて売ってほしい。もしくは別販売でもいいから。
この辺の公演映像の差を網羅するにはスカステ入ってないとカバーできないのを最近になってようやく理解した(遅い)。

ヅカファンに比較されがちな四季は、映像はほとんど売っていない。なぜならディズニーであったりブロードウェイであったり、近年の人気作・代表作は皆版権ものだから、かな?配信にも気を遣うことだろう。公演中止が組織存続に直結したのもうなづける。

結局のところ

映像配信も映像販売も、かなり既存ファン向けなのだわ。それによって観客を増やそうということはない。ファン離れを阻止し、ファンに向けて顧客満足度をあげて収益を得ようということだ。
タカラヅカはアトラクション感のある舞台商品で、音楽ライブと同じで、一度劇場で体験すると、やはり生で観てこそだと思う。長らく映像で観てきた自分も、劇場観劇を初体験してからぐっと好きの温度があがった。ど新規が興味本位で映像配信を観るだろうか……。
そういう人はNHKの放送なんかを観るんじゃなかろうか、とにかく財布の紐は固いと思われる。ではどういうタイミングで観るか?

そりゃやっぱり、ベルばらの舞台化で客を呼び込んだように、原作付きでファンを呼び込む古典手法だろう。だから今度のハイローは非常に重要な公演となるのではなかろうか。それを任せるには今の宙組と真風涼帆しかいない。こればっかりは。



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