隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

嵐の宙組観劇。ニンニクマシ野菜マシ肉そばの肉抜き感。

思えば、人生で「あれ?もしかしてタカラヅカってチケット購入して観に行けるものなの…?」とある日唐突に気が付いたあの日から動き出して…最初に私にSS席を与えてくれたのは宙組だったっけね。

で、新生宙組。幻のお披露目公演となったパガドも、SS席が当たっていたけど当然幻に。
その後のあれやこれやでモヤモヤ宙組となったんだけれども、初日挨拶で例の事件に触れなかったのはとても正しい選択だと私は感じている。あのビジュアル受けが非常に悪い理事長(それも誹謗中傷よね)のコメントはその通りだと思ったし。だって、トップスターなり理事長が例の件に触れて謝罪して、一番快感を得るのは誰でしょうか……。
この件で情緒不安定になったファンだけですよ。
そしてファンは公に謝罪される立場にはない。少なくとも優先されるべきなのはあなたや私のモヤモヤ感ではないわけよ…ってことなんですよねぇ。そりゃそうだ。

人気商売のためのパフォーマンスに振り切るならそれでも謝罪をしたでしょう。そうしなかったことについて私は「クソ下手くそだけど彼らなりの誠意を貫いたな」と思いました。
あとやっぱり、訴訟になってないんでね。法的に彼らは白い。


で、そんな宙組を私はこれからも応援するわとかそんな気持ちは特になく…というか組単位で応援とかいう気持ちは持ち合わせていない。ヅカを観るか観ないか、の2択だわね。

私が興味あるのはジェンヌという生き方してる彼女ら。様々な状況で舞台に立つ「人」を観に行っている。

そんな私に宙組はまた、SS席をくれた。友の会が。

その日は台風

でその日はめっちゃ台風。

靴のなかまでぶっちょぶちょ。雨が降ったりやんだりの、最も強いウェーブのときに所用で新橋の街を歩いてから移動したもんで「え、この状態で私観劇するの?」と思ったんだけれども、劇場着いたらほかのお客さんの洋服は全然濡れてなくって、え、私はなに?とか思っちゃったね。外にいるタイミング次第だったわあの日は。

交通機関の規制によってアレなら払い戻すねっていうアナウンスも当日公式出ていたけれども、ほかのお客さんもざわめいてたけど…みんな来てたね。空席なんかみあたらなかったような。まあ私が座ったのはセンターよりのSS席7列目だったので、周辺の良席はみんながんばってくるよね!

ショーのみの短い公演ってのも幸いして、帰宅時も混乱はなく。早く終わるのはそれはそれで楽でいいや、なんて思った。私の座席周辺にいらした年季のはいったマダムたちが「こんなに安いチケットって何十年ぶりだったかしら」「昔200円の席あったわね」「親に連れられて…2階席の後ろのところで踊ってたら、係のお姉さんがそっと連れ出してくれてあそんでくれたわ」なんて思い出話があちこちで繰り広げられていて。

そう、ヅカってこれなのよね。
長い歴史を持つ歌舞伎や相撲ファンにも通じるのかな、なんて思ったけれど、何があろうがその歴史をどこか俯瞰して観ていて、その変遷を楽しんでいる層がいる感じというか。そういうファンが支えてるんだなあなんてぼんやり思った。

出し惜しみなし

ショーだけなので、不思議な感覚にはなった。「芝居×ショーの二本立て」「一本もの芝居」の二択しかない世界だったのに「一本ものショー」みたいなことで(※タカスペなどの特別公演は除く通常公演のはなしですよ)
普段の公演だと、ショーがないことはお客って大不満だし、大人気の一本ものでも「それはそれとして、フィナーレをたっぷり!」とやっぱりショー要素クレクレな気持ちが生まれる。

なんであれどんな公演であれショーがあるとタカラヅカ観に来た!感があって楽しいし、初心者には絶対ショーありの公演をおすすめもするだろう。

なんだけどショーだけってなるとこれはこれでテンションが追い付かなくなるんだなぁ…と今回しみじみ、実体験。

ストップっていうまで盛られるイクラのごとく

まずグランエスカリエ、何かのエネルギーがめっちゃ高い。たんぱく質とか糖質とかっていうよりは何だろう、プリン体とか亜鉛とかビタミンDとかそういうやつ。

感想羅列。

  • めっちゃ銀橋に出てくる。トップスターが惜しみなく出てくる
  • もえこちゃんのダルレーク「まことの愛」が誰のどのまことの愛より一番好きになる。あとスタイルが鬼。イケメン・イケボでまぶしいほど輝くスターさんだった
  • さくらちゃんかっわわ!!画像+映像だと潤花系だわなんてずっと思ってたけれど、ううん。舞空瞳系てのかな、最強にかわいい系。大喜びで走り回る犬みたいに楽しそう
  • キキちゃんがTHE ALFEEのタカミーサウンドと相性がとっても良いのか、今のキキちゃんら宙組の持つものが痛くて切ないタカミーサウンドにマッチしすぎているのか…
  • 注意深くみていたけれども、ずんちゃん登場までちょっと待つ。そして思った。ずんキキの絡みがあんまりない?場面を分け合っていたかな
  • 山吹ひばりちゃんがハイローの頃より大人になっていた。そしてひばりちゃん(激細)かなとおもったら激細じゅりちゃんだった。歌声は健在
  • ついもえこちゃんはどこかなって探してしまう
  • 全員歌声がいい。コーラスもいい。この技術は磨き続けられていた
  • 下級生~中堅までのロケットの子たちが、うーん。ほかの場面でも感じたが、宙組の研5?8?くらいまでの若手。なんか他組の同学年ジェンヌたちとは文法か言語がちょっと違う感じ
  • すべての場面のクオリティは高いが、下~中までの個のレベルがたぶん、どの組より危ういかなと感じる(その辺がこの組の問題だったのかなとも…)
  • やってることは同じなんだがなんか違う感じ…。正直にいうとロケットが一番よくなかった(研1がこんな仕上がりだったら先生の逆鱗に触れてそう)
  • 一方で、上級生になればなるほどみんなすごくいい
  • ずんちゃんのセ・マニフィークめっちゃくちゃよかった!真矢みき感あるねずんちゃん。花組も似合ったかもね(迂闊な感想を書いてしまう己の迂闊さよ)
  • クライマックス場面でなんか野太くでっかい掛け声がかかって何かと思ったら指揮の塩田先生だった
  • 塩田先生の指揮が激熱すぎてファンにならざるを得ない
  • すべて個人の感想です

スタート→スター

最後の方でようやく「そういえばどの組よりも人が少ないんだっけ?」て思い出したくらい、空虚感など皆無で、とても素晴らしい舞台をお届けされてしまった。彼らに拍手しない舞台ファンなどこの世にいるだろうか?

そしてこの日は、イレギュラなことに、台風で荒れ模様のなか来場した観客に向けて、幕の向こうからかな?トップスターのキキちゃんがご挨拶音声を。
通常公演ではなぜか絶対にカーテンコールしないタカラヅカなので、ファンが大喜びで拍手でこたえ、その後指揮とオーケストラに向かって拍手して、先生もニコニコしてた。
古参のヅカファンらしい周辺座席のマダムたちが帰り際「なによりも塩田先生が指揮をしてくれたことが本当にうれしいわ」と感激していたことが印象に残った。

80分ほどの公演だったろうか、私は充分に満足した。




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