隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

仕事の運とめぐり合わせ

そういえば、桜嵐記・Dream Chaserの公演発表があったあと、スカステの番組でまず、
月組としてショーが3年ぶり」
「美園さくら、トップ娘役としてこの退団公演が初の洋物ショー」
「鳳月杏、お帽子着用のスパニッシュお衣装が初」
といったなかなか「え?!」ていう発言がたくさん飛び出していた。

15年以上いても

鳳月杏は誰もが知る人気ジェンヌの1人でありもうベテランと言っていい、若手の域を超えた上級生で、組み替えも反復横跳びのようにあっちこっちと経験した方である。
なのにいまだに「はじめて」があるのよ。

コロナ前のやっかみ

月組は、一本ものが続いてる!海外ミュージカルばっかりやりやがって!と、まるでそれが何かのせいで偏ってんだと言わんばかりの批判の声があった。
過去数年の演目をバーッと見返していても、メインである本公演で考えると、まあ月組は年イチか。別箱でも海外ミュやってたからやっかまれたのか。
しかし別箱もカウントすると各組色々やってる。
別箱や全ツとなると、舞台装置の都合やメンバー分割、さらに主演の意味など、誰に何をさせるかってところも含めて演目を決める理由には想像も無駄なほど様々な事情があるので割愛。

2021年 本公演1つが一本もの
元禄&ファシネイション 花組
柳生&モアーダンディズム 星風
シティハンター&火 雪組
シャーロック&デリシュー 宙組
桜嵐記&ドリチェ 月組
アウグストゥス&獣 花組
ロミジュリ 星組
fff&シルクロード 雪組


2020年 本公演3つが一本もの
アナスタシア 宙組
ピガール&WTT 月組
はいからさん 花組
眩耀&RAY 星組
ワンスアポン 雪組
エルハポン&アクアヴィーテ 宙組

2019年 本公演4つが一本もの
IAFA 月組
青薔薇&シャルム 花組
食聖&エクレルブリアン 星風
壬生義士伝&MR 雪組
オーシャンズ11 宙組
夢限無双&クルンテープ 月組
カサノバ 花組
霧深き&エストレージャス 星組
ファントム 雪組

2018年 本公演2つが一本もの
白鷺&ルネサンス 宙組
エリザベート 月組
メサイア&百花繚乱 花組
凱旋門&ガートボニート 雪組
アナザーワールド&キラールージュ 星組
天赤&シトラス 宙組
カンパニー&BADDY 月組
ポー 花組
ひかりふる&すぱぼい 雪組

2017年 本公演2つが一本もの
ベルリン&ブーケ 星組
神々&クラシカル 宙組
AfO 月組
邪馬台国&サンテ 花組
幕末太陽傳&S 雪組
スカピン 星組
王妃の館&viva 宙組
グラホ&カルーセル 月組
雪華抄&砂漠 花組

2020年

各年の公演は公式に準じて年またぎは前年の方に入れたつもり…だけれども、コロナ禍前は、この本公演の数プラス別箱や全ツにいって舞踊会あったりタカスペもあったり理事公演あったりと、本当に公演数が多い!!

その流れが2020年にふっつりと…
ここで、ずれ込まずにお蔵入りになった企画もあるだろうなぁと思う。

そして、版権のことで扱いが特別なロミジュリを除いて、一本ものが消えたコロナ後。
お金というよりも世相を反映しているかなぁと私は思う。

ショーがなければタカラヅカ

何を観せられたところで、ショーが気持ちを盛り上げてくれる。
例え芝居が名作だろうと、ショーは別腹。
宝塚歌劇の楽しさはショーにある。
いまのこの日常のなかで劇場に足を運ぶお客に、最後は楽しくて華やかなショーで、心を満たして欲しいという、そういう構成を歌劇団は選択したのかなと思う。

タカラヅカと海外ミュージカル

タカラヅカにおいて、海外ミュージカルは決して歓迎されるばかりではない。
今回大評判をとったロミジュリなんて、役の少なさから本来はヅカ向きではないタイプの舞台であることはみんな分かっている。
おまけに映像化や楽曲利用に縛りがありすぎるとソフト販売もままならないし。
海外ものでも、ロクモみたいな凡作も普通にある。

かつて「風と共に去りぬ」で、版権の契約に「自分のとこで上演するにあたってオリジナルの役を増やしてはならぬ」
という条件があって、これにぐぬぬとなった植田紳爾は「スカーレットⅠ」「スカーレットⅡ」
と、ヒロインを増やすという妙案を思いついた。
役は増やしてない、潤色上ひとつの役を2人の女優が表現するのだ、という抜け道を作って言い逃れたのだ。
レットバトラーを男役スターで表現したいが為に全体的に無茶も多い舞台だと思う。昔の人気作だけれども…。
そもそもヅカの良さを活かせないなら、やはり座付き作家に歌劇団向きの脚本を書かせた方がいいに決まってる。

役に巡りあう

かつては「せっかくタカラジェンヌになったならばいつかベルばらに出たい!と思うジェンヌが多分100パーセントだった。
そしてそれは大体叶っていた。
いまは、もっと多様化しているのかな?
エリザベートも正直、不朽の名作と呼ぶにはいささか朽ちてきていると思う、特にエリザベートというキャラが時代の共感を呼ぶか?という点。
国内のエリザ好きは東宝とヅカの2種いて、ヅカファンにとっては演目を見るというより誰が何をやるかの、スターたちを推し量るような、特別な演目となっているような。

なんかいま90年代オリジナル名作再演ブームが宝塚に起こっているようだ。
宝塚歌劇のよいところは、歴代スターが演じた舞台を今のスターが再演する面白さ。

ここ数年の新作オリジナルもいつか、未来のスターがウキウキしながら再演するかもしれない。そういう巡り合わせをみつめるのもタカラヅカの楽しみ方である。息の長い楽しみ方だ、20年以上はみてないといけない。


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