隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

天海祐希の『Kitsch』

いや、ないと思ってたんだけどあったんですねぇ…変則的に。

なにげなくみていたら

いつか録画していた、95年のマニフィークタカラヅカ(’95TCAスペシャル「マニフィーク・タカラヅカ」)。ここ最近で言うところ「タカスぺ」ってやつですね。
元々は「TMP音楽祭」。その後「TCAスペシャル」という冠に変わって2007年まで続いてたイベント。この時代までは主催が当時のTMP、その後のTCAが担っており、宝塚歌劇団の主催イベントではなかったのよね~。同じグループなれど別会社だものね。
昔のほうが無茶苦茶やってたのでファンには嬉しかったと思う。SNSのない時代ならではというか。現代では、多忙すぎるジェンヌの酷使が過ぎて寸劇もさら~っとしたものになっちゃってたものね。
それに学年が離れているトップ同士の会話も、なんかどこかおおらかな時代。上下関係の厳しさみたいなものは変わらないと思うのだけれどもね。

そんなタカスぺの前身、「TCAスペシャル」の第一回が1995年。
花組真矢みき
月組天海祐希
雪組一路真輝
星組麻路さき
という、当時子供だった私にタカラヅカはあまりにも遠かったけれども、ちょっと思い入れのある時代のメンバーだった。宙組ができるちょっと前のこと(もうお花さまはおられる)。

この年は阪神の震災があり、宝塚歌劇にも大きな影響があった。月組の大劇場公演が中止になり、その一部をこのTCAスペシャルで救済上演することとなった。
第一部が月組中心で、第二部がいわゆる音楽祭的な、いつもの各組がテーマにそって様々な歌やダンスを披露するスペシャル構成であった。らしい。

色々レアな

この公演では天海祐希の女装も観られ、見事な歌を披露している(衣装はイマイチ…なんでシースルーで水玉模様なんぞ…)。で、その前にさらっと披露されたのが「Kitsch」。
月組「EXOTICA!」の再演部分なので、しっかり見るにはその公演の「第13場エキゾティカ・ゴールデン・ファンタジー」を参照すべきか。
なーんか聴いたことあるな?という音楽に乗せて、銀橋をひょいひょい歩いてくる3人のキラキラした男役。

ダイヤの男 : 天海祐希
ブルーダイヤの男 : 久世星佳
黒ダイヤの男 : 真琴つばさ

という…その名の通り(通り?)、ターバン巻いてエキゾチックないでたちの3人。全然エリザベート感のない、歌詞も全く違うアラビアンキッチュ。なんでこれ出したのかな?

私にとって天海の前トップ涼風真世が最初に「ときめいた」スターであったし、その前の剣幸もテレビ観劇してたかなあ、だいぶ子供だったので細かい記憶ないけれど。この辺の記憶があって、なんとなくいまも月組びいき。このトップ3の銀橋なんちゃってキッチュは、今みてもやっぱりゴージャスで。天海祐希が超イレギュラだったからアレなんだが、三番手の真琴つばさが、轟悠と同期だからね。
天海祐希を支えた久世星佳もまたこれが何でもできる人で。

イケコがエリザベートに出会っているのは1992年。日本初演雪組一路真輝の退団公演)が1996年。この「EXOTICA!」は95年の年明け2月から大劇場で上演予定で、東宝宝塚劇場では6月から公演された。つまり94年には公演のお稽古がはじまっていたはずで、94年にはエリザベート自体の上演権がまとまっていたんだろうね。
もっともファンは一切そんなことは知らないわけで…、単なるエキゾチックな男役トップ3のキラキラしたワンシーンの曲にアレンジされ、オリジナル歌詞で「Kitsch」は使用された。よっぽどこの曲がお気に入りだったのかな?
どうせなら普通にルキーニっぽくやってほしかったかな~。みてみたかったなあ…このころの天海祐希でのルキーニ。