で10月のどアタマよ。
これからトップスターにならんとする二番手スターがこうやって外部番組に出演することは、結構なイレギュラと思われる。
これもすべてはだいもん様のお導きである。
※ただこの特別編は「宝塚への招待」であってプルミエールじゃなかったわ…(追記)
満を持して登場、朝美様
私はやっぱり今日(こんにち)のあーさが、やっと安心して好きだといえるし、落ち着いてみられる。
でもこの日のスペシャル放送でその辺の裏話もしてくれた。
超スペシャルになれたのは
まずこの、WOWOW特別回が実現したのも、望海風斗の今ある活躍あってこそ、だと思う。彼女は卒業後、無事ミュージカル界での立ち位置を獲得。そして井上芳雄との共演歴でもって、井上芳雄のWOWOW冠番組にも登場。WOWOWとの関係をちゃんと作っていたからこその、このスペシャル回が成り立った土台になったよね~~なったよね~~~。
まだ彩風咲奈の退団公演中だというのにこの企画がぶちこめたのは、あーさがどうこうってのより、やっぱりだいもん側のプロモーションよね。
だいもんメジャーデビューで曲を出して、露出をあげたいプロモーション強化期間だったからこそ、この企画、三方ヨシでは?となったんだろうねえ。
・新曲を番組内で歌わなくとも露出をあげたいだいもん(ワタナベエンタ)側
・次期トップとしてどんどん時の人になりたいあーさ(歌劇団)側
・他局に真似できないコンテンツ作りがしたいWOWOW側
ガトボニというナイス共通演目があるじゃんという好カードがもたらす、全員大勝利の企画よな。
絶対に揺るがない愛
先日のだいもんのSNS投稿でも感じたし、この日のスペシャル番組中にもやっぱり実感したけれども、だいもんって本当にタカラヅカのファンなんだなあと。
過去の18年主演のガトボニ映像にも照れたりスンてなることなく「忘れてるわ」と新鮮に見入るし。
24年のあーさ版もキャッキャして、特にここというキメシーンは、見入ってからの、隣に座って身もだえしているあーさ(自分のガトボニを映像で観るのがこのときはじめて)の反応をチェックと、視聴姿勢に隙がない。
だいもんトップ時代は、2番手に咲ちゃんがいて、凪さまがいて、あーさがいた。彼女は下級生かつ組替え組として、でも確実に次代を期待されて、でも人気上級生もそろっていてと、なかなか気を遣う立場にいたろうに、だいもんが目をかけていたんだろうなあという印象。
実に自然に仲良しというかいい上級生感。超・実力者が上にいると下はやりやすいもんね。もやもやしなくていいってだけで幸せよ。上が仕事できると。
みんな大好きガトボニ
あーさのコメントで面白かったのは、全ツにおいて二番手格だったあがた君が出てくるたびに「アンドレ…」と見えるらしいこと。今の彼女はオスカルだから。役者らしいコメントやねぇ。
だいもんでへーと思ったのが、当時のガトボニのヘアメイクが紫だったのは、ダイスケ先生の指定だったということ。結構特徴的なヘアメイクだったなアレ(かっこいい)。
あーさの再演には髪についてそういう指定はなかったそうな。
そしてあーさは「できるだけ初演のまんまがいい」とリクエストして、その願いはほぼかなえられたんだって。ヨカッタネ!
でも開幕直後の、トップスターがひとり舞台に立って→倒れこむようになまめかしく横たわり のところ、こうやるんだよ動画をだいもんが送ってあげたり、こうですかって動画送り付けあったりなんてことしてたら朝美全ツ版はその振付がサクッとカットされていたと。これがエモいってやつか。
絶対に揺るがない愛2
あーさのだいもん推しも強いのが伝わる本番組。
日ごろからメールだかラインだかでのやりとりがあるんだなぁ(それも結構熱心に)てのが伝わってくる会話に、あーさが望海風斗とネームがはいっているお衣装をそのまま着られる喜びを何度も語る中に放り込む、だいもんの「私も、あーさの着ているあの衣装、私の」て思ってた ていう殺し文句ね。ほれてまうやろ。
中詰めあたり、若手を連れてのオラオラあーさが出てくると、だいもんがさらりと「この頃こういう役割やらされてたよね」と言っていて「そうでしたねぇ」と受けていた会話が私にとってハッとくるもので。
男役がギラギラオラオラホスト芸に振る時期ってあるよね~ってよくファン同士の会話にでてくるけれども、あれ、組の若手男役のバランスなんかを考えた演出なのね。
全員がそうかっつーとわからんけど確かに、アドリブでオラオラァとかファンを煽るノリって、勝手にやるもんじゃないしなぁ(場の雰囲気に影響しすぎるし)。ダイスケ先生のショー作品には、場面によってオラ芸とかホスト芸の若手男役がいると映えるシーンってのが確かにある。
無個性のいい子ちゃんが並ぶよりは、キャラ性を演出して注目の若手男役を良くも悪くも目立たせ名前と顔を売るってのは大いにやりそうな話であった。なるほど~。
このオラ芸が苦手だった私としては、あの頃のあーさはうーんって思ってたんだけども、今の自然体というか等身大というか、なんか色々持っているものの長さがそろってきたな感があるいまのあーさはとても魅力的。与えられた役割に全力だったと思えば魅力も増すわ。
ふたつのガトボニ
WOWOWが実に惜しみなく、2018年版と2024年版のガトボニの画面を横並びにして画面下部に放送しながら、それを観る二人の様子を映してくれたから、実に見ごたえがありましたねぇ。オーディオコメンタリー風であり、単純にこの同じ場面の比較映像の面白さ。
同じ衣装とほぼ同じ振付のなか、デュエダンは2024はちょっとバージョンアップされていて(2018年版のデュエダンの、冒頭身体をぶつけ合う感じ大好き)、このデュエダンに関する話がとてもよかった。だいもんの場合本公演中も毎日のようにこのデュエダンの息を合わせるための練習は欠かさなかったそうで。
「どのカップルよりもトップコンビのデュエットは息があっていてほしい」という思いだったそう。
大事。たぶん一番大事なことなんだね。
この番組、両バージョンを並べてくれるのが本当に面白かった。連続してみてても忘れちゃうじゃない。場面ごとのちょっとしたところ。さすがWOWOW。
本人たちが嬉しそうデュエット
最後に主題歌をデュエットするんだけれども、だいもんが歌っている間どんどん楽しくなってどんどん男役スイッチ入ってってるのがはっきりとみて取れましたね。そのままもう一曲行ってほしかった、完全に入ったと思う。
そして、こうしてみるとやっぱりあーさって現役なんですのね(急に)。単なるヘアメイクとか年齢とか以上に違うキラキラを背負ってるのがようくわかった。
内容が楽しい
番組作りがいい
楽しんでいる出演者たちの様子が見られるのがうれしい
というこれまた3要素がよくはまった番組だった。
なかなか同様のものはできないだろうけれども単発だったからこそ良いものだったなと思う。
これからの雪組、これからの朝美絢を知る上でも大事な番組になったと思うなぁ。