隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

fffを生観劇した①

つくづく思うのは、私ごときに雪組トップコンビ退団公演のチケットが、公式で当選するって、それだけコロナ前よりも当たりやすくなったんだ(競争率が低下した)って。
はばたけ全国ツアーとかやってたあたりは雪組チケ難の過熱がピークで、運だけじゃどうにもってくらいだったと感じてました。
それが今は当たる。これはもう、本当に数字の問題だと思う。1/ ○ の、丸の母数の部分が以前より確実に小さくなってるよね。
そしてやはりご縁も感じた。なんとなく観られるんじゃないかという予感があたってくれて、東京宝塚劇場雪組と、望海風斗が観られた。

遠近感がよくわからなくなる

音の圧が強い公演だった。年末、ピガールでかつてないほど東京宝塚劇場に通った時も、どうにも音のバランスが変だなって感じたけれど(しばらくすると慣れるんだけれど)、今回もちょっとうるさい…だいもんの声はただでさえ音圧の強い声なので、う、うるさ…て感じるくらいの、オープニング。
最初に舞台後方の上方に、大砲にデザインされたおおきな金管楽器。あれがどーんとでてきて、舞台上手と下手にナポレオンとゲーテが出てきて、のところは圧・圧・圧の演出であったと思うが、ベートーヴェンだけにこの音の圧も演出なのかなあ、と思った。

スタイルがよすぎる2人

彩風咲奈&彩凪翔。彩・彩コンビのこの二人はしかし本当に…、頭・顔が小さくて手足が長くて腰の位置は高くて、まあなんと舞台で華のあることか。
私は特に、彩風咲奈の芝居の充実を感じました。駆け足で進むこの話(細かいことはぶっ飛ばさないと描けないこの話)は、ナポレオンにしろゲーテにしろ、著名人過ぎてエピソードも山ほどあるだろうしとても書ききれない。けれど誰もが知りうるドラマを背負っている役で、なかでもナポレオンは物語のキーパーソン。
しかし、ベートーヴェンにしろ、「赤と黒」のジュリアンにしろ、男たちのヒーロー過ぎるぞナポレオン。

私は彩風ナポレオンは、少々美しすぎるのが難点なくらいで、役の大きさ重さを感じた。こういう役を相手にする望海風斗は、悪い癖なのか役を幼くさせてしまうなと感じた。声の持ち味のせいかなあ。こればっかりはどうにも。
ゲーテ演じる彩凪翔は品よく、芝居はやっぱりいい。喉が細くて長くて華奢過ぎるのか、低音ででは不安定に聞こえるが、ショーでもちらちら披露した通り、無理に低い声を出さなければこの人の声はいい。

やっと意味がちょっとわかる

初見はライブ配信で、ウエクミ演出の退団公演だということでファンたちの間の期待値も高く色々考察されているのは知っていたが、あんまりネタバレは観ないように観た。
配信で観劇したときは、私にはよくわからないことの方が多かったかなあ。最後の、白装束の集団が踊りながら「人生は楽しかった~」てのはなんなんだ?いやそれはまだわかるが、謎の女がすっかり浄化されて白い女神みたいになってるの、これなにかのアニメ最終回な展開だぞと。そうなのウエクミ作品って、(ちょっと古い)アニメっぽいの…
そう思ってた。
そしてナポレオンとベートーヴェンの、北の大地での邂逅のシーンは、逆に面白かった。このシーンが長すぎという感想のほうが多かったけれども私はこのシーンが一番見ごたえがあったと感じた。

で、生観劇してみて。
ナポレオンが地図の貼ってある部屋で、ゲーテとのやりとり(だったっけ)のシーンで眠くなり、肝心のベートーヴェンとナポレオンの最期の邂逅シーンの会話の途中も眠くなる。
配信観劇では胸が痛くなった、ベートーヴェンが謎の女を遠ざけるシーンでは、逆にベートーヴェンに肩入れしていたので、謎の女がうっとうしくなったので何とも思わなかった。
初見では長すぎやしないか?と感じたベートーヴェン幼少時のシーンは気にならず、ゲルハルトは生観劇で観た方が、脇役過ぎて印象に残らなかった一方で、ロールヘンはやっぱり同じようによく見えた。
一番の違いは、ラストのシーンが感動的に見えたこと。ライブ配信では本当に、「うーんわかるけど」と、感動とは違う演者への謎の気遣いで悪くいえないけどうーん、くらいだった。
けれど、ちゃんと劇場で、カメラに入らなかった舞台全部をみてみると、天使たちが迎えにやってきて、最後に歓喜の歌を、のうねりが全体的に感じられて、安っぽく見えた謎の女の白装束化も、望海風斗演じるベートーヴェンが、この物語が、普通ならジュリエッタやロールヘンを選ぶでしょう、でもベートーヴェン(望海風斗)は不幸という名の運命の恋人とともに歩んだっていう、困難を困難と思い己の不幸を嘆くことから解放された、歓喜に至った世界をみせてくれたことが、望海風斗のタカラジェンヌ人生に重なる部分も(多分)あって、感動が重なっていく…のだなと。

よく歌う

こんなに歌うっけ?てくらいによく歌うトップスター望海風斗。芝居もそうだけれど、ショーのシルクロードも、歌いっぱなし。いやあ、強い。
ショーはこう、これでもかっていうコスプレショーで面白かった。
菅野よう子氏の歌のシーンはあんなだったっけ?最後の微妙な木しか覚えていなかったけれど、大盆が結構な速度で回りながら歌うのいいよね。
あと、上海のシーンは、どこを観ようか考えているうちに終わった。真彩ちゃん出色の出来でやっぱりいい。ショー全体で印象的だったのは、生で観る彩凪翔がここでも美しいってこと。
久しぶりに望海風斗の雪組を生で観てみて、だいもんは顔なんだなあと思った。表情が抜群に豊か。
そして真彩ちゃんも自信がみなぎっていて、充実からの円熟期、少々長すぎた退団前の日々がようやく終わりに近づいて、いよいよ感が増している。
あと数回観られる予定なので、またどのように印象が変わるのか、肩の力を抜いてみたい。



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サヨナラする、その前に~珠城りょうのバウ公演

以前から楽しみにしていたライブ配信
午前11時くらいからそわそわしていました。SNSを観るとこのチケット難のバウ公演も、複数回観劇している人いますよねぇ。
チケットっていったいどこにあるんだろう…。

特別な公演

バウホールでお芝居がしたい、の意味がよくわかる、よい公演だったしバウホール公演にぴったりの芝居だった。
原作の有栖川有栖先生のことが高校生くらいからファンで、今回の公演は私にとっては、原作のファンであり月組ファンであり、もう楽しみでしかなかった。
すっかり忘れていたけれどこの原作、発売当時に購入していて、時代は1998年くらいだったか。劇中はガラケーと、霊媒師関連の懐かしい名前くらいで時代を感じたけれども特に気になるところもなくとても自然なまとまり。ミステリを舞台でうまくまとめるのは結構難しいと思うのだけれど、舞台としてもすごく面白くて、「また観たい」と思わせる舞台だった。

珠城りょう 楽しそう

生き生きしてましたねぇ。そしてとても美しかった。
気になったのは、メイクが役柄に合わせているので眉がきりっとしているんだけれど、表情。いままでのお芝居ではあまり見たことのなかった「幽
霊の刑事」という役柄のためなのか、見たことない表情をしていてすっごくハッとした。
表情をつくるって多分すごく難しいことなんだと、舞台を観ていると思うことなんだけれども、この辺が珠城りょうは豊か。
動きもすごくきびきびしてて、劇中のダンスなんか地に足についてないくらい、跳ねてましたねえ。

あの歌は卑怯

劇中歌。公園でギターを奏でるストリートミュージシャンが歌いはじめたときに、あ、この曲…と思ったけれども、雲井さんと愛ちゃんが歌いだしたところで我慢できなくなり、珠城りょうが出てきて歌い始めたところでもう、涙で画面がみえなくなりました。
よりによってあの選曲……、なんてことなの。
切手のないおくりもの

想いを伝える機会

珠城りょうは苦労に見合う幸運が訪れているのかなと思う。
「わたしから あなたへ この歌をおくろう」
と言う歌詞からはじまるこの名曲はどんな台詞よりも胸に迫る。
想いをファンへ、共演者へ、劇場へと相互に伝え合う場面、それもこの作品で。とてもしっくり来て泣いてしまった、こんなの我慢できない。特にファンでなくとも自分の中のいろんな思いが甦りあれこれと胸が熱くなるような、そんな名シーンだった。え、これタカラヅカだよね…

足が長いよ鳳月杏

登場時に「足、なが!」と思わず声がでた。股下の長いこと長いこと…。
ちなつさんは華がある。この早川という役は、変わったキャラではあるものの、地味というか素朴な人柄。愛され系というのがわかる好感度の高さ。
珠城りょう演じる神崎を、幽霊扱いしつつ、彼だけには見聞きできるのだからそこにいるものとして普通に接したくもなるし、難しい役。
しかし珠城りょうも鳳月杏も、滑舌がよいのが本当に美点で、早口の掛け合いも実によく、さすが月組

みんなかわいい月組

アンコキナコモチコに副所長の漆原も含めみんなかわいい!きれい!
見とれてしまいました。婦人警官組も、個々に個性発揮されていて、モブ芝居も面白くて、好き!
ミステリの物語の筋をわかりやすく進めつつ、お芝居ならではの要素も散らばっていて大変見ごたえがあった。
フィナーレのダンスもよくて、とくにプレさよなららしい、珠城りょうが周囲を見渡す場面ではまた涙、涙。

さち花ねえさん これぞ別格

マダムXというスリの婆の役が、これほど鮮やかだとは。白雪さち花は、各組の別格上級生娘役の中でも特に上品で芝居上手、歌上手な方ですが、こういう汚れた役をこんなにも素晴らしい表現でみせてくれて、専科の域。
普段はきれいなおねえさんなので、別人のようでした。こういうお役の声色もメイクも、実に生き生きとお芝居されていて。

みんな楽しそう

そう、みんな楽しそうでしたねー。
大劇場は大き過ぎるし客席遠いものね。なんかほんとに久しぶりにしっかりとお芝居を観たなと感じた。
先日のダル・レークは、久しぶりに濃い宝塚を堪能したなという感じでしたが。
主な配役に並んでいた役を演じたジェンヌたち皆、本当に生き生きと芝居していたし、演出もしっくり。
専科のお2人にもホロリとして、劇団月組というカンパニーのまとまりを感じた。
できれば劇場で堪能したかった〜

これが終われば月組はいよいよ卒業公演かぁ。
半年予定がのびたのなんて最早信じられないが、よい公演になるといい。

世の中のウエクミ株が高騰し過ぎていてちょっと怖い。否定的な劇評が許されないような(理解できない方がバカみたいな)状況にこっちが怯むが、期待値はやはりあがってしまうもので。無事幕があがりますように。

そして最後に、幽霊刑事、このバウホール企画をブチ立てた人にとにかく感謝。















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轟悠退団、プロフェッショナルな仕事の流儀

ニュースが入ってきたときは驚いたけれども、そうかぁ、と。

1番最近の、ライブ配信で観劇できたシラノがあんまりに良過ぎて、経験の差はこんなにも大きいのかと目を見張ったし、シラノの魅力的な様子やフィナーレのデュエダンまで、本当にときめきました。
偉大なるトップオブトップ。

雪組の人

退団会見はニュース記事の情報のみだけれど(スカステ楽しみ)、実に潔い、カッコ良過ぎませんかね。

轟悠さんがトップになってから、辞めずに残るって本当に驚いた事だった。その時代で既に、春日野八千代さんが唯一無二であって、特別であって、そんな事あるのか!と。

ご本人がいかに悩んで決めた事だったかにも触れられていたけれど、
雪組生として退団するのでなければ大劇場の大階段は降りない」
※大意

かっっ…こいいいい!!
この覚悟を、専科異動時に持っていたわけですよね。それからずっと、望まれた立ち位置や役割を見事に全うされたのだと。
そして、過ごしたタカラヅカ人生が1番長いのは専科時代なのに「雪組」と口にされたのにちょっとときめいた。自分が◯組(出身)ていう思いは、ファンが思う以上に強いものなのでしょうねぇ。

ちょっと愚痴

ご贔屓トップがいるファン達が、理事降臨公演に対し「ご贔屓の主演チャンスを“潰された“」と散々SNSで愚痴っていたのを、私は忘れられません。特に雪組だいもんの凱旋門
ファンとはこんなにも心が狭いのかと。

そしてそんな事を愚痴ってたファンはいま一斉に轟悠退団を嘆いて寂しがっている。
そりゃ劇団も釘を刺したくなるわ。

ただこれらの様子をみていて、もしかして…?と思ったのが、ヅカファンの一部の方々は、主演が1番上とかいちばん重要って思っているのかな…?
そんな単純なものじゃないよな。

轟悠のルキーニ

ウィーンのスタッフに、1人だけ男性がいると言わしめた最高のルキーニ。
ここ最近の主演は複雑な青年のような役が多かったけれども、こういう悪い役をまた観たかったな、DSでやらんかな。

会見ではレットバトラーについて触れられてましたが、こういう厄介な役の轟悠が好き。

はっとするほどいつも若い

轟悠の舞台はいつも主演を務められていたこともあり、役の年齢が基本的に若い。そしてそれを演じられる轟悠っていっつも、ものすごく若々しくってドキッとした。
チェ・ゲバラもまず若いし凱旋門もまず若いの。青年が舞台にいるの。
そして、タカスペやDSでは華やかなショーの装いをみせてくれていたけれど、シラノのデュエダンは驚きましたねぇ。

物語では結ばれなかったシラノのフィナーレに相応しい夢夢しさであったけれど、残りわずかな機会に踊ってくれてみせてくれたのかな。

思い出…

やっぱり轟悠といえば、杜けあきトップ時代の雪組で、控えめな印象の若手の1人という、あの時代。NHKでも当時の杜けあき退団公演の際に、雪組の次代を担う若手4人くらいの特集があったけれど、本命の1人だったっけ。

あの頃から彫刻のような美貌の麗人という風情だったけれど、何十年経ってもファンに変わらぬ印象を与え続けたこの人は、ほんとフェアリー。

とにかく素敵にみえる

ご出身地の熊本県人吉市は過日の豪雨による川の氾濫被害が深刻で、轟悠さんのご実家も2階まで浸水するような被害を受けたのでしたか。
すぐに帰ることもできない状況で、大変な思いをされたと思うのに、常に幸せをお届け!な宝塚歌劇のお仕事をやり通すのは、本当に命懸けと思う。
今後はあまり表舞台には立たれないかと思うけれど、長期に渡り男役であり続けた轟悠という存在は、誰にとっても忘れられないスターさん。

サヨナラとなる別箱公演も一体どのような舞台となるのか楽しみです。


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星蘭ひとみちゃんの幸せなニュース、そしてトヨタといえば分家が…

星蘭ひとみちゃんご結婚のニュース。
ひと昔前のタカラジェンヌの寿退団ニュースをみたよう。とにもかくにもおめでたい。

何も知らないジャーナリスト(笑)たちが、玉の輿と表現したことに対して、全国のせーらちゃんの心の姑・心の父となったファンたちが「はああああ?われらのお姫様にむかっておっしゃってますぅ???どこぞの地方豪族の跡取りに!天下のお江戸生まれのわれらの最高に美しいお姫様が!輿入れするんですよおおおぅ」という謎のマウンティングが大変おもしろ。

ちなみに豊田一族は同族経営がうまくいって世界のトヨタになったケースだが、いまの本家はバカな分家を毛嫌いしている。
少し前に、分家のくそボンボン(当時43歳男児)が、系列会社の役員を務めていた際に、就職面接にやってきた女子大生に目をつけ、合格と引き換えに肉体関係を強要、拒否した女子大生に脅迫手紙を送りつけ、激怒した女子大生の家族が提訴という完全アウトな事件もあったっけ。

biz-journal.jp

このどうしようもない分家筋をこの一件で厳しく処分したのが本家の跡取り現CEOで、われらがせーらちゃんの義父になる人。
なおその豊田章男氏もレースクイーン大好きっ子ではあるが、嫌いな男児はいないので仕方ないか。

結婚は結婚で大変なことだとは思うが、大変に愛される女性なのだから、きっと幸せになってほしい。
そしてやっぱり、ウェディングフォトを公開してほしいなぁ…

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舞空瞳と星風まどか

宝塚歌劇新体制の顔…のようなフレッシュな印象を感じるこのふたりだけど、星風まどかは3年間宙組トップ娘役を務めているので、トップ娘役としてはベテランですね。若くて童顔だから忘れちゃう。しかし、フレッシュ若手超路線トップ娘役として、若い!かわいい!で勢いをつけて潜り抜けてきた道は終わりを迎え、ベテラントップ娘役として専科から花組へと組み替えする星風まどかの任務ははたして、噂のあの演目の為なのか。でもあれを異動1作目でやっちゃうと、星風まどかもう卒業しちゃう勢い。
一方で、ポスト星風のように超路線としてトップ娘役へ一気に躍り出た舞空瞳の仕事はどこまでなのか。

タヌキ顔の天使たち

星風まどかは相手役が真風涼帆であったため、その面立ちの童顔さが強調されてみられたが、劇団好みのザ・タヌキ顔のかわいい系美女。
そして舞空瞳も、相手が礼真琴じゃないとどうにもならないってくらいに小さいお顔の「ザ・かわいい」でありタヌキ顔美女。
この二人の娘役は、洗練度合いや完成度が、低学年のうちから高かったと思う。

星風まどか
2014年、宝塚歌劇団に100期生として入団
2015年、組まわりを経て宙組に配属
2015年6 - 8月、『王家に捧ぐ歌』(本役:実咲凜音) 新人公演初ヒロイン
2015年10月、『相続人の肖像』(バウホール)バウ初ヒロイン
2016年5月、『ヴァンパイア・サクセション』(ドラマシティ・KAAT神奈川芸術劇場)東上初ヒロイン
2016年7 - 10月、『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』(本役:実咲凜音) 新人公演ヒロイン
2017年6月、『パーシャルタイムトラベル 時空の果てに』(バウホール)バウヒロイン
2018年1月、『WEST SIDE STORY』(東京国際フォーラム)トップお披露目公演
2018年3 - 6月、『天(そら)は赤い河のほとり』『シトラスの風-Sunrise-』 大劇場トップお披露目公演、エトワール
2018年7 - 8月、『WEST SIDE STORY』(梅田芸術劇場
2018年10 - 12月、『白鷺(しらさぎ)の城(しろ)』『異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-』
2019年2月、『黒い瞳』『VIVA! FESTA! in HAKATA』(博多座
2019年4 - 7月、『オーシャンズ11
2019年8 - 9月、『追憶のバルセロナ』『NICE GUY!!-その男、Sによる法則-』(全国ツアー)
2019年11 - 2020年2月、『El Japón(エル ハポン)-イスパニアのサムライ-』『アクアヴィーテ(aquavitae)!!〜生命の水〜』
2020年8 - 9月、『FLYING SAPA-フライング サパ-』(梅田芸術劇場日生劇場
2020年11 - 2021年2月、『アナスタシア』
2021年2月22日付で専科へと異動、同年7月5日付で花組へ異動し柚香光の2人目の相手役としてトップ娘役に就任予定


入団当初から高い期待を寄せられ、抜擢…というよりも、とにかく最初っから、入団時点で次期宙組トップ娘役にする気で育てられ、必要な経験を積んでまっすぐ一直線に宙組のトップ娘役へ。お披露目からこの異動前まで、実に恵まれた子だなあ、と思う。
相手役の真風涼帆も将来必ずトップへと期待を寄せられていた御曹司だったが、2021年に2代目の相手役を迎えて続投の予定までは、就任時には決まってなかったのではと思う。たぶんアナスタシアまでだったのかな?という説が有力だけれど、あらたな相手役と新たな魅力が発揮されることはファンにとって実に喜ばしい。
また、星風まどかのケースは就任年の早いトップ娘役にとっても良いことしかないと思う。いちいち添い遂げてたらもったいないうえに、やはり組む相手が違えば相当違うはずなのだ。舞台は。

で、舞空瞳。

舞空瞳
2016年、宝塚歌劇団に102期生として首席入団、星組公演で初舞台後、花組に配属
2018年7 - 10月、『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』(本役:仙名彩世) 新人公演初ヒロイン
2018年11 - 12月、『メランコリック・ジゴロ-あぶない相続人-』『EXCITER!!2018』(全国ツアー) 全国ツアー初ヒロイン
2019年、星組に組替え
2019年7 - 10月、『GOD OF STARS-食聖-』『Éclair Brillant(エクレール ブリアン)』 新人公演ヒロイン初エトワール
2019年11 - 12月、『ロックオペラ モーツァルト』(梅田芸術劇場・東京建物 Brillia HALL)トッププレお披露目公演
2020年2 - 3月、『眩耀(げんよう)の谷〜舞い降りた新星〜』『Ray-星の光線-』(宝塚大劇場) 大劇場トップお披露目公演
2020年7 - 9月、『眩耀(げんよう)の谷〜舞い降りた新星〜』『Ray-星の光線-』(東京宝塚劇場
2020年11月、『エル・アルコン-鷹-』『Ray-星の光線-』(梅田芸術劇場
2021年2 - 5月、『ロミオとジュリエット
2021年7月、『VERDAD(ヴェルダッド)!!-真実の音-』(舞浜アンフィシアター)予定
2021年9 - 12月、『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム!』予定


うーん。彼女が礼真琴の相手役に内定したのはいつなんでしょうねぇ。礼真琴も柚香光も抜擢されまくってさっさと2番手になってしまったので、このタイミングでトップスターに就任することに「なってしまった」けれども、彼女たちのためにちょうど良い相手役というのを、星組は入荷したての新鮮な子を、花組花組の伝統なのか、路線娘役をスライド就任させました。

この二人はこうして、これまでの舞台歴をみても、ちょっとかわいそうになるくらいすさまじいプレッシャーの中、ヒロイン経験を積まされていますね。

トップスターとの相性

星風まどかは、組替え含め何でも経験してきた真風涼帆が相手役で、トップと2番手も仲のよい一期違いで、それがまた宙組という一番あたらしい組。
舞空瞳は花組育ち、星組へ異動して、史上最も何でもできる子、礼真琴の相手役に。組みはじめの初々しいカップル感はどこへやら、現在がっつりロミジュリやってて、こう、コンビとしてぐっつぐつに詰まってる感な雰囲気がこちらにも伝わってきておりますね。3年組んでる星風まどかの安定感とは雲泥の差。

比較するなら同時期にトップとなった花組の柚香&華コンビとか。でも、花組トップコンビと比べちゃうと、星組トップコンビとしての礼&舞空コンビが冷え冷えしてみえてしまう不具合。花組のいちゃいちゃ売りも特に萌えはしないが、ロミジュリ発表後くらいからよっぽど厳しい修業中なのか、スカステでは礼真琴が全く相手をみないので、ちょっとよろしくない感じ。いや、礼真琴ってもっと相手役をちやほや持ち上げて明るく駆け抜けそうなイメージを作ってると思っていたんです。同時に、(ギャルらしく)超体育会系であることはわかってましたし。
でも舞空瞳も首席入団でダンサー。同じ体育会系として見た目だけでない相性の良さを劇団側は期待したんでしょうが、ロミジュリまでの私の感想は、「案外相性よくないかも」ですね。

それぞれの魅力

星風まどかの魅力は、たくさんあるけれどもアナスタシアではやっぱり、圧倒的ヒロイン感ときれいな歌声に魅了されました。
一方で、滑舌の甘さと台詞がはしる癖が気になる。

舞空瞳の魅力は、抜きんでたダンス能力とあの笑顔。そして滑舌の良さがかなりの武器。
一方で、一番の課題と思われるのが芝居や表情のつくりが一辺倒に感じるところ。

この先、この二人は同期トップの礼と柚香という2人のトップスターの相手役として、あらためて横並びになる。礼真琴は長期トップと予想されているけれども、舞空瞳はどうなんだろう。彼女も将来的にどこかの誰かの相手役にスライドして、礼真琴も複数の娘役と組んでみるのかな。星風まどかのように、舞空瞳だって充分にやれそうだが。
柚香光の性格は存じ上げないが、星風まどかとの相性もよさそうだし、例の演目だけでなくもっと色々やってほしい。しかしながら、花組星組の若き95期トップが、どちらも5年くらい在籍するということも考えにくい。宝塚のトップスターは卒業までが仕事だし。次代を考えたら二人とも長期ってのも。
でもこう、花も星も上級生2番手体制で、星組の2番手は礼ロミオを食える愛月ひかる。彼女ってなんかずっといそうだし、替えの効かない個性。この先どうなるかさっぱり。

魅力的な娘役たち

今度雪組のトップ娘役になる朝月希和は、先日、大変魅力的すぎるポスターが発表され期待値が爆上がり中。新トップ咲ちゃんはできる子…。
その相手役を務めるひらめちゃんのこれまでもWikipediaで確認してみた。

朝月希和
2010年、宝塚歌劇団に96期生として入団、月組で初舞台後、花組に配属
2013年8 - 11月、『愛と革命の詩(うた)-アンドレア・シェニエ-』(本役:蘭乃はな)新人公演初ヒロイン
2015年10 - 12月、『新源氏物語』(本役:花乃まりあ)新人公演ヒロイン
2017年3 - 4月、『MY HERO』(TBS赤坂ACTシアター・シアタードラマシティ)音くり寿と東上Wヒロイン
→2017年雪組に組替え、ヒロイン経験なし
→2020年花組に組替え
2020年1月、『マスカレード・ホテル』(シアタードラマシティ・日本青年館)東上ヒロイン
→2020年雪組に組替え
2021年4月12日付で、彩風咲奈の相手役として雪組トップ娘役に就任予定。入団12年目でのトップ就任


ヒロイン経験だけ抜き出したら、うんと後輩の舞空瞳よりはるかに少ないの。これがタカラヅカのシステムなのねぇ。
しかし忙しい組替え歴から、彼女が劇団の信頼を得ている実力派であることがわかる。花組異動時点で雪組に戻ることが決まっていたのか、やはり色々あったのか、それはわからないがお姉さまトップ娘役の活躍を期待。

舞空瞳や星風まどかとは、持ち味が異なることから、宝塚歌劇の彩りを豊かにすることができるだろう。
タカスぺが復活するのかわからないけれど、今年の年末のトップの顔は、なんというか相当、意外なことになりそうだが、その中心の顔となるは、やっぱり星風まどかかなぁ。






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海乃美月と有沙瞳

もうまもなく、月組次期トップコンビが発表されるのではないか、というファンのそわそわおちつかない状態のなかで、SNS上でみかける「海乃美月が報われてほしい論」。
いや、あんな6人目のトップ娘役みたいなポジションの人いませんけど、これ以上何を報われろと?正妻の立場ですかね?といった風情の海乃美月。
抜擢され過ぎてて、進むも退くもいばらの道のように思える。

別箱専用トップ娘役状態

月組の別箱公演=ヒロインは海乃 というのがどの程度のものなのかあんまりぴんとこず、そうだっけ?くらいに思っていた私。
この場合、ほかの組と比較しても意味がない。
タカラヅカの組というのは、同じ学校の別のクラスという感覚では大間違いで、実際は別の劇団への移籍くらいにずいぶんと事情が変わるというのは、歴代ジェンヌさんたちの証言のとおり。
それだけ違うよその組の、娘2や若手抜擢層と比べたところで、あんまり参考にならないのでは、と思う。
ただ、ファンからはやっぱりそうは見えない。同じタカラヅカだからね。

で、海乃さんどれくらいヒロインやってるのかしら、とWikipediaで確認してみたところ…


海乃美月
2011年、宝塚歌劇団に97期生として入団
 →2012年龍真咲・愛希れいかトップコンビ就任
2012年、組まわりを経て月組に配属
2013年1 - 3月、『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』 - 小公女/幼少時代のアンドレ、新人公演:ロザリー(本役:愛希れいか)※正ヒロインではないが本役はトップ娘役
2014年3 - 6月、『明日への指針-センチュリー号の航海日誌-』新人公演初ヒロイン
2014年7 - 8月、『THE KINGDOM』早乙女わかばダブルキャストで東上Wヒロイン
2015年9月、『A-EN(エイエン) ARI VERSION』(バウホール)バウWSヒロイン
 →2017年珠城りょう・愛希れいかトップコンビ就任
2017年1 - 3月、『グランドホテル』新人公演ヒロイン
2017年4 - 5月、『瑠璃色の刻(とき)』(シアタードラマシティ・TBS赤坂ACTシアター)東上ヒロイン
2018年6 - 7月、『THE LAST PARTY〜S. Fitzgerald’s last day〜フィッツジェラルド最後の一日』(日本青年館・シアタードラマシティ)2度目の東上公演単独ヒロイン
2019年1月、『Anna Karenina(アンナ・カレーニナ)』(バウホール)バウヒロイン
2020年2月、『出島小宇宙戦争』(シアタードラマシティ・東京建物 Brillia HALL)東上ヒロイン
2021年2 - 3月、『ダル・レークの恋』(TBS赤坂ACTシアター・シアタードラマシティ)4度目となる東上公演単独ヒロイン

入団以来、ほぼ毎年どこかでヒロインやっているじゃないか。
彼女がヒロインを務めなかった2016年の月組は、激情で全国ツアー(珠城・愛希プレお披露目)をし、東上でアーサー王伝説(珠城・愛希・プレお披露目2)と新体制の準備年。
つまり海乃美月は入団以来、ヒロインができる機会は全部モノにしてきた、ということであろう。見事な独占っぷり。

海乃美月の強さ

うみちゃんの入団当初は、早乙女わかばちゃんと並び比べられていた。その早乙女わかばちゃんは、早期抜擢を受け4度新公ヒロインを務め、2018年退団。個々のジェンヌさんにはさして興味のなかったかつての私でも、名前を憶えていた、印象深い素敵な娘役さんだった。

たとえば最近でのわかりやすい例、舞空瞳のように、よしきたちょうどいいのがちょうどいいときにきた!とばかりに一気にトップ娘役に育てるような子とは違って、うみちゃんは、ちょうどよく○○の相手役に!という娘役ではなかったかもしれないが(そんなのはタイミング次第なので稀だろう)、舞台人として高い期待を寄せられ、ずっとそれにこたえてきた人だというのはわかる。それがこのヒロイン独占状態なのだから。

先日のダル・レークの恋も、観客の期待に応えらえる女優として、月組の中で誰かといえば、あの役はやっぱり海乃美月でよかったのだと思う。

でもね。

でも…、なのよね。
少し前にスカステで、宝塚歌劇における海外ミュージカルの歴史というような特番があって、これが鳳月杏と海乃美月という2人での進行・出演だった。
まるでトップコンビのようだった。
このときに、ちょっとモヤっとした。うみちゃんはIAFAでちなつさんとは夫婦役。同じ年に別箱の出島小宇宙戦争で相手役を組んでおり、『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』の月の場面でも、3組の男役と娘役がコンビで踊るときに、ちなつさんと組んでいる。
ちなつさんは言わずと知れた人気上級生であり、組みなれた二人の並びはまるでどこかの組のトップのようで、ひどく戸惑った。

これはこちらの受け取り方の問題なので、ご本人たちには何ら関係のないことだが、「もう、キミはいいから新しい若手娘役がみたいよ」という気持ちに拍車をかけたのである。 ※全くの個人の気持ちの問題です。

ただし。ただ一方で海乃美月が選ばれやすい娘役であることは感じる。
ダル・レークの恋をみながら思ったことだが、オーディションをやってヒロインを選ぼうとしたところで、たぶん並べて比べると、海乃美月はほかの子よりも総合的によく見えるんだろうということがすごくよくわかるの。

月組の安牌(あんぱい)、彼女が今いるポジションの別名。

星組有沙瞳はというと

実力系娘2という名の、トップ娘役に抜擢されそうでされない、でもヒロインをやり慣れている(経験積んでいる)娘役として、私の中でうみちゃんとイメージがかぶるのが、星組有沙瞳
ところが今回あらためて、こちらもWikipediaで確認してみると。

有沙瞳
2012年、宝塚歌劇団に98期生として入団
2013年、組まわりを経て雪組に配属
2014年6 - 8月、『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』 新人公演初ヒロイン
2015年11月、『銀二貫-梅が枝の花かんざし-』(バウホール)バウ初ヒロイン
2016年、星組へ組替え
2017年3 - 6月、『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』新人公演ヒロイン
2017年7 - 8月、『阿弖流為-ATERUI-』(シアタードラマシティ・日本青年館)東上初ヒロイン
2018年2月、『ドクトル・ジバゴ』(シアタードラマシティ・TBS赤坂ACTシアター)専科理事の轟悠の相手役を務め、東上公演ヒロイン。
2019年11 - 12月、『龍の宮(たつのみや)物語』(バウホール)バウヒロイン
→2020年、礼真琴、舞空瞳トップコンビ就任

うみちゃんのいっこ下さんというやつでしょうかね。1期下で、こちらも入団以来、ヒロイン経験豊富。だが1年違いなだけなのに海乃のヒロイン経験数が多いのがよくわかる比較対象となった。

演技力があり、歌がうまく、滑舌もよい彼女は、海乃美月以上にオールマイティ度合いの高い、総合力の高い娘役だと思う。
一方で、龍の宮物語でみせた女優魂は「タカラヅカのトップ娘役」にはもったいないような気も。どうしたって滅私奉公の舞台技術が優先されますからね。
公演中のロミジュリでは、乳母役を任されていて好評。だけれども私が感じたことは、うまいけどこの子はまだ、乳母じゃないな…、です。
東京公演ではもっとよくなっているでしょうけれど。顔がかわいすぎたよね。

持ち味の重い娘役なので、月城かなとの隣に立ったら相当すごいトップコンビになりそうなんだけどな。どちらも古風で正統派な美貌で、濃ゆい芝居でやりあってくれそう。

「報われ」とは

首席を走り続け、たぶん誰よりもそこを目指していただろう仙名彩世タイプは、トップ娘役というポジションはまさに「報われ」たのだろう。
が、そもそも、総勢400名、各組80名弱の劇団において、1度でもヒロイン経験積んだ娘役はそもそも、チャンスを与えられ努力が報われた役者であると私は思う。
コネも実力も足りず、稽古場での態度や努力の度合いも、下から数えた方が早いレベルの子は実際たくさんいるだろう。「本人なりにがんばっているが……」というやつ。
普通の学校の普通の40人学級でも、妙に前に出て目立つ子というのはひとりふたりいる。やる気や舞台への欲を昇華できる子っていうのはきっと、稽古場でも目立つのではないだろうか。海乃美月と有沙瞳というのはきっと、目に留まる役者なのだ。

充分に実力を発揮している彼女らをさして、いったい何が「報われてほしい」のだろうか。卒業後の第二の芸能活動のためにトップの称号がもらえなかったら「報われない」のか。そもそも卒業後の進路などのためにタカラジェンヌになる子は、まあゼロじゃないだろうが、10年残るジェンヌのなかには少ないだろう。

ところで

美園さくらは99期生、この3人は海乃を最上級生として、みんな1期違いなんですね。
彼女はIAFAのヒロインに一番はまる人ということで、トップ娘役の路線がひらけたのだと私は思っているのだけれど、「持っている人」だというのは確かに感じる。下級生ながら美園さくらの持ち味の大人っぽさというか、ゴージャスな華、トップ娘役らしさは実に見事。

さて次期トップ娘役たち、
花=星風
月=次期未発表
雪=朝月
星=舞空
宙=潤
てことで、宝塚歌劇の印象もまた変わっていく時期です。
このなかで、やっぱり並べてみると上級生娘役として朝月希和の娘役力って本当に高くて抜きんでていると思う。舞空瞳の能力の高さをして「舞空プロ」なんて呼び名が一時期で回ったけれどいえいえ、本当にプロ娘役と呼ぶにふさわしいのは朝月プロでしょう。
マスカレードホテルで魅せた、ひたすら瀬戸かずやがよりよくみえる娘役っぷりが本当に強く印象に残っています。
比べてみると、海乃美月と有沙瞳ってのは、朝月希和ほど枯れていないというか、より個性や癖があるなと感じ、組む相手との相性の良しあしを産む。
その点、朝月希和って「誰かと組んで踊ったりお芝居する」ていうことについてはオールマイティで、そこがいま、彼女がトップ娘役にと望まれるに至ったポイントだったのかなと。

結局のところ

誰が月組の次期トップコンビとして発表されようとも、だれであってもタカラジェンヌには間違いないの。
その点がタカラヅカのいいところよね。これが大作アニメや映画だったら、ヒロインに新人アイドルや大手プロダクションの推しげーのーじんがきちゃったりするからね。
確実に、未来の上演予定に合わせて選ばれたタカラジェンヌが、選ばれるのだから、我々ファンは安心していい。


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愛こそすべてと言い切るロミジュリ

ライブ配信を観ました!
当初は観るかどうするか、あんまり考えてなかったんだけれども、どうやら愛ちゃんの死がみられるB日程は貴重だという評判をききつけて。

実際に観てみた感想は、「愛ちゃんは美しかった」です!

そもそもロミジュリがねぇ

宝塚歌劇ではたしか、2010年に初演して以来の人気演目。今年のこの星組での再演は大変気合のはいったもので、同時にこれまでの公演を(微妙に意図的に一部をなかったことにして)「網羅」したDVDボックスを発売したり、礼真琴&舞空瞳のボーカルCDを事前発売したり、特番を放送したり。

で、私もヅカファンあるあるの一人で「実はロミジュリ観たことない」のひとり。
ちょうどタカラヅカへの関心が薄かった時期だったり、「ロミオとジュリエット」という原作がそもそも好きではなかったり、といった消極的な理由でもって、いままで観る機会を逃してきた。

少年少女がボーイミーツガールでもってさっくり死ぬ(もとは15と13で、出会って一週間で死、でしたっけ)というのがどうにもこうにも、好きじゃなくって。

礼真琴&舞空瞳 コンビ最初の仕事

この「ロミオ&ジュリエット」は、礼真琴と舞空瞳がトップコンビとして任せられた、最初の大仕事でしょうね。
礼ロミオと舞空ジュリエットは実にロミジュリのイメージぴったりで、若くてみずみずしくて、美しかったです。

この演目ってやっぱり「若さ」が絶対的に必要。でも「幼い」とは違う、「若さ」が必要だと思う。
早熟だけれど童顔で少年ぽさや若い青年がはまる礼真琴はロミオがはまり役だと思うし、ピッチピチに若くってかわいくってはじける笑顔の舞空瞳もまた、ジュリエットにぴったりだと思った。
そしてこのカップル、より視線を持っていかれたのはジュリエットだったかな。

重い課題をクリアした舞空瞳

舞空瞳もまたよくできた優秀な娘役として、ダンスという目立つ特技から、持ち上げられすぎの感が強く本人のプレッシャーも相当なものだったろう。
みればみるほどかわいいのだが、お披露目公演では「常に同じ笑顔」がはりついていて、大丈夫か?と思ったものだ。
今作でも、最も心配された歌は充分だったと思う。私は、え、めっちゃいいじゃんって思った。約1年くらい歌い込んでよく練習したろうなあ。
こういうのは注文をつければキリがないだろう。私には充分にジュリエットらしいジュリエットにみえた。
どちらかというと、表情のほうがずっと気になった。やっぱり目や表情の変化が乏しいかなあ。でもこれまでのどの舞空瞳よりずっとよかった。
それは、ロミオとジュリエットが並んだ時に礼真琴より彼女が目立つという点で、舞空瞳の持つヒロイン特性が輝いて見えたから。

政略結婚がイヤ!と、薬を飲んで仮死状態になって、目が覚めたら愛するロミオときっと幸せな未来が待っている!て信じられちゃうジュリエットに説得力があった。
ちょっとこの子怖いなって思ったよね。冒頭、本を読んでいる姿からの、愛にあこがれる姿から、ロミオに出会って急激に燃え上がる姿は、恋愛に浮かれている、恋に恋してはしゃいでいるティーンエイジャーらしくってくらくらした。世間知らずで手に負えないこのジュリエットこそが死を招くわけで。

出木杉くんな礼真琴

ロミオはいい子なのかそうでないのか、なんなんだろう。
色々女と経験してきたけどどれもこれもいまいちだぜ、俺は満たされないぜみたいなのは、まあ、モテてきた経験しかないくそボンボンで、アレ?最近どこかでくそボンボンキャラみたな、どこだっけな…それはともかく。
礼真琴は優等生過ぎて、粗がなくて、舞台上で決してオラオラしすぎない行儀のいい役者だなあと、しみじみ感じた。
ロミオというキャラクタそのものは礼真琴にぴったりだけれども、舞台上のロミオはちょっとなぜか、影が薄かったかな。やけにいい子だった。

愛ちゃんの死

誰もが目を引いたし私もガン見した、愛ちゃんの「死」。とにかく美しかった!
愛ちゃんっていい意味で鈍感力があるジェンヌだなって思ってたんだけれども、星組2番ポジションになって、礼真琴との対比もよくて、彼女がとてもよく引き立っているなとあらためて思った。
死だけにトートを想起させたけれどもこちらの死は概念そのもので、互いを愛するロミオとジュリエットが結ばれるのは死を手に入れてからのことなので、この「死」は、「愛」と対比されるものというよりも、愛の別名でもあるかもしれない。
ロミオとジュリエットは性急で、状況は時間を与えてくれなくて、何かを解決したり現実の問題に向き合うとか、そんなことよりとにかくぱっと燃え盛ってあっけなく命を手放してしまう。ロミオとジュリエットの運命は、命を手放さなければならなかった。
死は終わりであり、死後の二人がハッピーエンド!なんてのは夢でしかないのだけれども、それを信じさせてくれる存在が、物語のはじめっから舞台にいる「愛」と「死」。それらがとびっきり美しいってのが、重要だよね。

パパがイケメン過ぎる

わき役も色々、いいなって思ったり、いまいちだなって感じたり色々それぞれ、偏見も交えて楽しくみられた。
ただ、天寿光希のパパ…イケメン過ぎる。こんな色っぽい男が夫とか、お母様、愛してないとか、そんなの説得力ないよ!て思った(笑)。
あと、B日程はティボルトが瀬央ゆりあ。これが憎らしくて、まったく好感が持てなくて。青チームがみんなかわいくみえたよね。
乳母の有沙瞳は、ウーン、この役が上手にこなせちゃうかあ、と。だいぶ役者としての資質を選ぶ役だと思うんです。乳母。それにはまりすぎてしまうということはジュリエットはやれないってこと。ちょっと切ないような、ないものねだりよりも持っているものに目を向けるならば、素晴らしい才能ではあるのですが。海乃美月とポジションは近いですが、彼女のほうが重要な脇役が板についていますね。

星組のこれからは

星組の舞台をみると、やっぱりこう、多少不器用さというか、粗さはあるんだけど、全体的なポテンシャルが5組中2番目くらいに高いって見えて。
じゃその不器用さとか粗さってなんだっていうと、体育会系独特の力業でこなすテンション第一な感じであって、下手とは違う。むしろいつも「あれ、うまいな」みたいな、予想の上をいくのが星組※個人の偏見に基づく感想です。
でもなんかこう、やっぱり、この星組が爆発するのはこれからかなあと思う。
なんとなーくもうちょっと、トップコンビが心を開きあってくれるといいんだけど。


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