謝先生の、芝居の構成に絶妙なダンスを挿入する加減やその画面構成のセンスはとても美しくどれも絶妙と思う。
エルピディイオのときもそれは美しかった。
ライラックもそれは美しかった。だが魔女って？いる？それ？とは思った。
ジュエルドパリ…パリってなんで？もしかしてそのタイトル回収のためのカンカンだった？最近カンカン多くない？あと雪組全員で足上げしがちじゃない？咲ちゃんの代になって2度目だよ？
そんな感想。
ライラック
思うに、「姫役者」と呼ばれる人はある程度の鈍感力を持ち、天然系というか人から思われているその人の像と実際のご本人が自覚している本人像に乖離があり、たぶん本人はしっかり周囲に合わせてやっているつもりでもどちらかというと周りの人が合わせてあげてて、その辺のズレに気が付いてなくて、周りは気が付いているけれども本人の魅力だから指摘する気はなく。とにかく周りがなんかその人に合わせちゃうし助けちゃう…
そんな人なのではないかなと、夢白あやをみていて思った。
トップ娘役となってライラック公演始まる前からスカステに出たり、ＷＯＷＯＷプルミエールに出演と、露出が増えたけれどもそれらの彼女の言動はいい意味でギャップがあった。「あ、こんな子だったんだ」と、クールで知的でおすまし系かと思いきやほがらか系。そして、天然系。
包容力は抜群に発揮するが、その場限りの雰囲気で相手に合わせに行かないでおなじみの咲ちゃんとのカップリングでは、夢白ちゃんのこの少々印象とは違った姫っぷりとの相性が存外悪くなく。舞台上でも並びがよかった。
ライラックの夢路については、音楽やめて最初から鉄細工のアクセサリー職人（デザイナー）目指してるのくらいの方がわかりやすくなかった？とちょっと思ったりもしたけれど、まあ芝居のお話の筋はともかく夢白あやという新トップ娘役と、新トップ娘役を迎え新たな魅力全開の彩風咲奈をみるのにふさわしい舞台ではあったと思う。
ただマジで、どういうお話だったかよくわからなかった。
和希そらのいいところ
誤解を招きかねない表現をするなら、ソラカズキのいいところは、その芝居の自分の役に美貌が求められていないときは実にいい脇役顔ができるところ。
今作、兄弟のなかの美形ポジはあーさ。トップコンビの恋愛物語ともうひとつ、脇役キャラの恋物語というオイシイところを担うイケメンキャラとしてちょうどよい塩梅だった。
ＷＯＷＯＷプルミエールで思ったけれど、ソラカズキとあーさの並びはめっちゃ合う。今回見事なくびれをショーの方でみせつけたソラカズキだけれど、お芝居ではペリースマントカッコいいよね枠としてよく活躍されていた。
咲ちゃん
咲ちゃんはコスプレが似合うなぁ。
ショーでも、ベルばらを匂わせるコスシーンがあったけれども何を着ても実に映える。夢白ちゃんとの並びも美。今後もいろんな、幅の広い役柄を演じてほしいなぁ。
負担増になるからだと思うけれど、トップ・真ん中ってそんなにずっと踊りまくる場面を持つというよりは、おいしく真ん中でドやり、ダンスの比重は最後の男役群舞とデュエダンに全振りに近く振って分担って感じになりがち。咲ちゃんのいろんな種類のダンスをもっと見たいなって思っているのだけれどなかなか…。
ただ今回のデュエダン、たっぷりだったなあという印象。群舞は何かに気を取られていたのかあまり記憶に残っていない。カンカン場面は既視感。だったかな。
これでもかと夢白あや
今回相当きつかったのでは？と思った夢白あや。結構出ずっぱりだった印象。早替えもかなりだったのでは。足も出してたし。注文をつけるとしたら表情かなぁ。割とずっとご機嫌にっこり顔で、それが開幕からずーーっとおんなじ印象であったような。彼女って路線娘役で、順当なタイミングでのトップ娘役就任、それのお披露目で今回本当に気合はいりまくり張り切りまくり＆プレッシャーと戦う根性出しまくり の本当に厳しい日々だったと思うけれども、若さもあるのかケロッとした感じで。実に頼もしい。デュエダンもとってもお似合いだった。
この人こんな発声をする女優さんだっけ？こんな歌い方をする人だっけ？と何度も思ったが、1日２日置いて思い返してみると、雪組娘役っぽくなった、のかな？なんか現職雪組の娘役のお芝居のベースが似ている気がした。
