無垢な田舎者が、世界を動かすような宿命ゆえに平凡な日常と別れを告げ、周囲を巻き込みながら自身も大きな渦に巻き込まれて数奇な運命を生きる…
みたいな…みたいなやつ、キキちゃんハマりすぎる。
事前情報なくみはじめたので、二幕で闇落ちするとは……イイ……
宙組は海外ミュージカルが映える
星組のようにトップスターのみが突出しているのではなく(いやみんないいんだけどあくまで比較として)分割してなお、主演級の全員が歌が上手くコーラスもど安定の宙組は、歌唱面のレベルが高い海外ミュージカルをやるのに最も適した組だと思う。さらにみんな高身長で非常に舞台映えすることも大いにプラス。
というか、高身長を集める組って変なの~くらいにあんまりその意味を見出してなかったけれども、全員の平均身長が高いうえに今回のようにダイナミック歌唱する作品は、ひとつの場面ごとに非常に見栄えが良く華やかさや迫力が増して。身長ひとつとってもこんなに魅力的な個性となるとは、すごいぞ宙組。
大輪の華コンビであったマカゼ&潤花卒業のあと、寂しさや物足りなさを感じるような隙もなく充実しまくりだ宙組。
しかし
この手の作品にこんなにピッタリはまるとなると、キキちゃんのFF16もさぞかしハマるだろうなぁ。
今さら何を讃えようか、キキちゃんの素晴らしいスターぶりを。登場のその瞬間からハッとする瑞々しさがあって、でもわかってた。キキちゃんはすごい。
真白モーガンてこれか
いや噂すごかったね。で、誰だっけ真白悠希??て思っていた私。
視聴開始から、ヒロインのさくらちゃんはどんなかな?あ,これかな?目立つ役だな。。。いや。。さくらちゃん高身長とはいえでかいしこれ男役のこだよな……こんな子いたっけ…?
これ真白くん?イヤイヤ、104期てきいてるしもっと初々しかろう…と思ったけどやっぱりそれが真白モーガンでね。びっくりしたなんてもんじゃない。
美しいし上手いし全身で己のすべてをぶつけているのが分かって、なんて眩しいものをみたのかと。
モーガンという難しい役にも、それを堂々とやり切った素晴らしい才能にもそのどちらにも震えた。
春乃さくら、102期
潤花ちゃんと同期引き継ぎだったのね。潤花が残留してたら(絶対その気は無かったと思うが)さくらちゃんがこのタイミングでトップ娘役になれなかったのかもしれない。
けれどなった。彼女は。美しくて愛らしく実にヒロインらしい魅力を持っていて、好印象だった。
グィネヴィア役のさくらちゃんは清らかさがあって、キキちゃんのアーサーとも、ずんちゃんのランスロットともお似合い。
1幕と2幕でガラリと変わる点ではグィネヴィアもそうだと思う。その点も、1幕はあかるいきれいなおねーさん、2幕は悩ましい人妻で、どちらも可憐だった。
そして歌声が本当に美しい。
桜木みなとの新魅力
長い後毛に顎髭で、いいお兄さん役で、弟の嫁に横恋慕する桜木みなとですか……
ええ、好きですね…
2幕の苦しい胸の内を独白するソロ聴いちゃったら絆されちゃう。
まあ、アーサーよ。みんなそれぞれ自分のことしか考えてなかったらこうなるよねっていう昼ドラ展開は、どのアーサー王伝説ものをみても…珠城りょう月組版でもそうだったけどさ、この王様に恋愛は向かないやね。
グィネヴィアってなんでアーサーと結婚したかね?まあ断れる状況じゃなかったけれど。このアーサーとグィネヴィアに一度でも夫婦関係があったのかちょっと疑ってしまう…それくらい、相手もモノを考える人間なんだってことを忘れているようなアーサーという無垢な男に対して、リアル男感のある桜木みなとのランスロットはえろかったいい男だった。
萌えろマリモガ
あっそういう解釈ですか… が最初の感想だった。
マーリン役の若翔りつ。ネバセイの市長ソロ場面は私の一番好きな場面で、そこだけ何度リピートしたことか。今回はマーリン役だったんだけど、え、これほんとに若翔りつ?ってくらいにイケオジでねぇ…私の中の若翔りつが市長過ぎたもので…そのギャップにねぇ…いやどっちもイケオジなんだけど…こっちもまた…えろい。
なんていうか今回のこのミュージカルの男役がどいつもこいつも艶っぽいのはあれですかね。韓国ミュージカルの特性なんだろうか。私の知っている韓国ミュージカルはこれとジキハイのみだけど。カッコいい男がとことんカッコいい、といおうか。キャラがみんな大人。
今作のマーリンは大体お前が悪いっていうやつだけど、こいつに運命を狂わされたモーガンが執着するのもなんかわかる色気みたいなのが漏れていて、モーガンに殺されるのかと思いきや、最後は別の意味でその手に落ちて。
この配信日はブルーレイ収録日だったらしいけれど、一か所喉ギリギリでした。本人くやしかったろうな。けれど全般すごかったし、コーラスもデュエットも色っぽくてうまくって最高だった。
モーガン役の真白悠希は今回大評判をとり、実際うまかったし素晴らしかったけれども、何がファンを引き付けたかといえば、まだまだ青いところ、だと思う。伸びしろしか感じないのにこんなにうまいなんて!ていうこのわくわく感。そのまだ未完成の青さの魅力がモーガンという、20年軟禁状態で生きてきた不遇の女という役といい具合にマッチして、年齢不詳のマーリンにかみつき食いつくわけだけども、宙組の上級生で歌唱力が歌劇団の中でも指折りの若翔りつとぶつかる役で、どっちにとってもおいしかったなぁと思う。
これを観た私はこの役の二人を決して忘れない。