隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

星のプリンセス、星のプリンス

日曜日はライブ配信星組のムラ千秋楽を観た。

三谷作品との食い合わせ

全体的に面白かったしよかったけれども、個人的にビミョーに感じたところは全部、三谷エッセンスなのよね。
土台がひと昔前の映画で、政界コメディものに必須の「ネタの風化」も避けられないものでありかつ、皮肉を入れないことには政界イジリをする意味もない、というわけで「別に…ヅカでそれやられてもねぇ…」てところがちょっとあったかな。
この原作を持ってきた理由はただただ「ネームバリュー」にあったと勝手に思っている。

三谷作品は元々、かなり早い段階で知って面白いなあって好きだったけれども、ある作品あたりからだんだんめんどくさくなってどちらかというと苦手な部類になってしまったので、私としてはあまり…である。ただこのタイミングの公演となったのは、三谷幸喜側が新作映画を発表するタイミングでメディア露出をガンガンしている今だから、そういうお互いのアレがアレした思惑であろう。
映画公開時期は数年がかりで調整があったことだから、星組にてこの演目を…ってことも、当たり前のことながら、年単位で前から計画は進行していたってことなんですよねぇ。

盤石なる星組

いつからこんなに芝居巧者の組だったっけ、と思うくらいに、みんな面白くってうまかったですねぇ……。
特にすばらしいなぁと思ったのが、脇を固める役者たちの塩梅。ありちゃんはもちろん、小桜ほのかちゃんとか極美くんが、やり過ぎず前に出すぎずの加減が絶妙だったなぁという印象。役とか全体の調和とかのまとまりがとってもよかったので、これはというか、こういうことが組パワーってやつなんだと思う。

作品がこれだからしゃーないにしても

舞空瞳については、演目ではなくタイミングで退団を決めたのだろうから、○年○月の公演で卒業って。だから最後がたまたまこの作品だったんだろうけど、不倫妻役って…あ、ヅカの古典名作って大体そんな感じだから別にいいのか!(ベルばらだって…)

それでもきれいにまとまってたしね。まーただ、冒頭から歌うこと歌うこと…、その後、時間内に収めるべくしゃべることしゃべること…。
よくもまあぎゅっとおさめたなあと。

礼真琴があまりに細かったのはブルーのスーツのシャープ見え効果だけではなく、千秋楽だからってのもあるでしょうね。舞空瞳もそうだけど衣装ゆるくなってるよね?てくらいほっそくてほっそくて震えた。
あんな細くて美しい総理がいてたまるかていうツッコミは野暮だから置いておくとして、まゆぽんのシルバーもみあげがにあうことといったら…。引き立てあってましたね。この二人が同期とか、お互いがお互い規格外感があってバグるわね。

柳生忍法帖のような最初からスゴツヨ、みたいな役柄よりもこうしたちょっとダメな感じで、でも立場とか、持っているものは大きくて強くって、でもちょっと情けない奴で、みたいな役のほうが礼真琴の魅力が引き立つ気がした。

ショー!

いいところがいっぱいのすっごく素敵なショーだった。
でもう、やっぱり、舞空瞳と礼真琴暁千星の、ピンク!青!赤!とか黄色!とかのあのカラーリングが戦隊もので、でも衣装は敵幹部のそれで、笑えた。
舞空瞳がやっぱりまー、リアルセーラームーンみたいだった。ほんっとにあの衣装きせてくれてありがとう先生!最高!!

本公演がラストになる舞空瞳をはじめとするジェンヌさんたち、みんなが素敵な二本立てになっているなと思ったけれども、惜しみなくトップ娘の魅力全開でめっちゃ楽しめた。
テーマソングも耳に残るフレーズだし完璧じゃなかろうか。

心配と安心

内心、芝居の方からちょっと、注目が集まるだけに大きな期待も込めて、もっと頑張れよと思ったのが極美くん。彼女はさらにさらに飛躍せねば、この組のあとを背負うのは大変だろう(まあ組替えかもだけど)。
そう思ったのは、やはりスタイルの良さに比べての発声が気になる点…。これは、スタイルがよすぎる人あるあるの、首が長すぎて声が、とかの問題と思うので、加齢に伴う熟成を待たねばなるまい。

きわみ君の現状にもっと!といいたくなるくらい、上が突き抜けてるのが今回の星組
案の定退団を発表した礼真琴は言うに及ばず、ありちゃんである。

ありちゃんのショーでのタンゴソロが、これまでと全く違った。指先までただただ、一人のスターとして美しくて強くて、圧倒的だった。
この境地にきわみ君はたどり着かないといけない、と思うとまだまだ舞台人生は道半ばなのだなあ。

いや、ありちゃんがやばかったな今回。

さよなら大劇場

東京公演はこれからとはいえ、ひとつ、大きな仕事を終えた星組。さよならショーを観ていたら、わかっちゃいたけどロミジュリのデュエットがあるじゃない。
いま映像でみると、あの当時のことなこロミジュリはほんと、若い二人なのよね。あの青いカップルの青い話は、青いうちにやっておくべき作品だったのだな、そしていま成長しきったふたりがあのデュエットを歌って、もう全然違うわけ。それに感動した。公演当時よりもふたりともやわらかくなって。よかったね、この二人でここまでこれて、それを垣間見ることができて、とってもすごいことだわって思ったな…。


次は東京公演。の前に礼真琴の記者会見が今日か。新体制へ向けて色々と内部も動くことだろう。
ああ、東京星組のチケットよ…。




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