隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

花組大劇場千秋楽にウソだといってよ、と思う

いやいや、まだ信じられない気持ちが半分くらい……。

東京公演を残しているとはいえ、退団とかウソだろ?カレー君…。

初見、花組アルカンシェル

最初の評判はこう、だいぜっさーんって感じでもなかったけれども別にまあ単体で観たら悪いってわけじゃなくって~ていうもやる評判が私の耳には届いていたんだけどウン既視感が仕事しまくり。

日本人はナチスのカギ十字を安易に娯楽に登場させることに眉を顰める人が多いですけれども、日本のV系ファッションにおけるナチ的な制服コスプレとかネタとか漫画で言うとヘルシングとかドイツ人大好きだから大丈夫じゃないかな、娯楽で使うのは。とはいえヅカで観るのはなんか古臭くって、またか…感。

それを相殺させ(ようとし)たのがフリードリッヒ・アドラーのキャラクタなんでしょうね。ひとこちゃん好演してました。飽きずに最後まで観られたんだけれども、ねぇ…。

冒頭からあれよあれよと展開するのは海外ミュにならったイケコ節。1幕主人公のお衣装はネバセイかなんかでみたことあるような。芸術の世界の人が銃をとることになるのもネバセイかなんかでみたことあるし、ヒロインが自ら戦いに出る(ストーリー上)感じもなんかどこかでネバセイ。
2幕はいってしばらく流れた楽曲は雪組ワンスだった。あとやっぱり、語り部にされた聖乃あすかは物語の外にいて、さみしいね……。

いま思い出せと言われたら、主人公が何した話だっけ?てのはこう…うまく言えないんだけど、じゃあつまらなかったかっていうとそんなことはなく、でもじゃあ柚香光の一番にこれを推すかってーとそれははっきり「ない」かな。ウン。

あと1シーン…カレー君とまどかちゃんの役がパリの夜のカフェで他愛もない話をするような場面だったり痴話げんかでもいい、酒飲むシーンでもいい、なんかあれば足りたと思う。
演者とファンの愛でできている公演だわよこれ。

冒頭の群舞でも美!

うたかたのSS最前列での観劇で間近でみてもね、星空美咲ちゃんがまあ美しくっておまけにファンサも熱いのでキャーだったんだけれども、彼女はやはり目立つ。登場シーンや娘役が並んだ中でも一人姿勢の良い子がいるの。みんな姿勢はいいんだけれども、頭から首から肩のラインがひときわ美しい人。いわゆる『ジゼルの首のライン』みたいなのが一人いる。それが星空美咲。今回は美味しい役だったなぁ。

圧倒的な「集大成感」

星風まどかは美しかった。
今作は今までよりいっそう。彼女の今回のメイクやかつらはなんていうか完璧で。パリの劇団?でメインを務め演出もやるわよっていうバリキャリ女性という役…いわばトップスター役ですね。こうして思い返してみるとこの設定に、ダンサーで振付師のカレー君でしょ。なんかすごいイケコが大好きな萩尾望都先生の初期の作品にありそうなキャラ達に…思えてくる。
ていうかなんだろう、話はともかくイメージの作画は萩尾望都先生だろうなって気がする。

私が観た前回の星風まどかはうたかたの恋だから、今回はぐっと大人で、それがまたよく似合っていて、大輪の華いままさに満開のときと感じた。

そして、大階段の前の組長が読んだコメントそして自身の挨拶においても、きちんと本人のことばで宙組時代のことを感謝を込めて名前を呼んだ星風まどかの、芯の通った姿にひたすら感服した。

あと完全アドリブとなった2回目当たりのカーテンコールでのバク転発言。日ごろ絶対に枠線をはみ出さない娘役星風まどかだが、フリーで喋らせると美園さくら風味というか何言ってんだ感とそれをまっしょうめんからツッコむカレー君とか、なんていうか、ヨシ!

うそだと言ってよ

対して柚香光である。

集大成?

彼女はまだまだ…消耗して何か痛めつつも現役のスポーツ選手のような礼真琴と比較しても、この人の生まれながら強靭でしなやかな持ち味は瑞々しくって、同じだけの大変さのなか、なにもかも余裕で、いやここで辞めるなんて嘘だろとそればっかり頭をよぎった。

確かにやりきったろうし、よいタイミングでの卒業だと思う。たぶんベストによいタイミング。なんだけども、こんなに…こんなにもったいない、辞めるのが惜しい、はやすぎと思う人は久しぶり。早くないんだよ!わかってるよ!でもまるで新鮮なんである。

トップスターは数年で卒業する存在だから、どんなタイミングであっても、よい卒業であれとそう思うのに、惜しくて惜しくてたまらない思いでいっぱい。カレー君がいなくなるなんて……。

就任当初は、彼女は早期就任早期退団がよさそうなんて思っていた気がするけどウソウソ。
この感覚はなんだろうか…。

私にはまだ見ていない柚香光がある

最初はダンス、次にビジュアル。だけれど真骨頂は芝居。

柚香光をはじめてみたときから芝居にくぎ付けになった。さよならショーでは少尉からはじまって。それが彼女が駆け抜けてきた舞台時間が確かに、決して短いものではなかったことを思い出させてくれたけれども。
まだあるよね!もっと引き出しあるよねっていう、そのもったいなさがめっちゃくちゃ大きいスターさんだ。

カレー君の魅力は、ナイワのあのキャラ感だよね。生まれ育ちのいい不良でとことんヒロインにやさしくて甘くて、そしてタキシードの蝶ネクタイをぶら下げてボタン外す人。
それをさよならショー最後にやったトップスターいた?(反語)最高かよ!!※でもってディナーショーのポスターもこれだから自分の魅力を知っているカレー君に転がされているわけなのよね、好き。

次は東京

東京公演は四月半ばから。チケットがないので生で観られないのが大変かなしい。が、まずは無事の開幕と全公演完走できるよう祈りたい。




にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村