隣のヅカは青い

ヅカファン歴は30年ほど。しかし観劇デビゥは2019年から。それほど遠い宝塚についてのブログです。

綾凰華と暁千星

綾凰華と暁千星 
なんとなく印象がかぶるなあ、と前々から思っていたのだけれど、同期98期生で、雪組月組でそれぞれいいポジションにいるのね。
暁千星のほうが超!御曹司ですけれども、けれど、なんとなく綾凰華も雪組で、ここにきてポジションを上げるような。

個々のジェンヌについてよく知ろうとしなかったころは、暁千星より綾凰華のほうが、組でいい位置にいるのかな、なんて思ってた時期があった。綾凰華は星組から雪組に異動してきて、新人公演を2度、それも「ひかりふる路」と「ファントム」で経験している。星から異動してきてからは、なかなかの手堅い育成を受けているではないか。
しかし、月の御曹司ありちゃんはこんなものではなかった。
初舞台生というものは、全員が均等にお披露目されるよう、顔を出すタイミングみたいなものが設けられていて、順番にご挨拶のように舞台の真ん中を一度は踏むような…そういう初舞台ロケットの振り付けになっているようなものが多い。しかし98期はラストに、首席であるありちゃんが特に目立つひと振りを与えられて最後引っ込む、ヅカファンの話題を呼ぶ演出だった。

おさらいしてみる

あやなちゃんこと綾凰華。
綾凰華
2012年、宝塚歌劇団に98期生として入団。入団時成績は6番目。宙組公演「華やかなりし日々/クライマックス」で初舞台。
2013年、組まわりを経て星組に配属。
2017年8月7日付で雪組へと組替え。同年、望海風斗・真彩希帆トップコンビ大劇場お披露目となる「ひかりふる路」で、新人公演初主演。入団6年目。
2018年、「ファントム」で2度目の新人公演主演。
出演イベント
2018年5月、『凱旋門』前夜祭
2018年12月、『タカラヅカスペシャル2018 Say! Hey! Show Up!!』
2019年7月、フジテレビ『2019 FNSうたの夏まつり』
2019年12月、『タカラヅカスペシャル2019-Beautiful Harmony-』

星組配属時代はごくごく普通の下級生その1状態。雪組に、盟友ともいえる真彩ちゃんを支えるように組替えしてきてから、新公主演が回ってきた。
わたしが綾凰華について思う印象は、雪組ワンスで魅せた、品の良いピアニストの役。ややこしい半生をいきる主演達を横目に、彼は友人や仲間を見守りつつ実に手堅い人生を進む役にみえた。
fffでも、ベートーヴェンパトロンであり彼に好意的な貴族だったが、やっぱりややこしいルートヴィヒの性格に振り回され、最後は彼の難聴をかばいきれなくなるという、割と普通にいい人そうな役がしっくりくる人。
出演イベント情報もウィキペディアさんからひっぱってきたのは、こういうのは出たくても指名されないものだから、組内の評価が高いことを意味していると思ったので。

一方ありちゃんこと暁千星。
暁千星
2012年、宝塚歌劇団に98期生として首席入団。宙組公演「華やかなりし日々/クライマックス」で初舞台。
2013年、阪急阪神の初詣ポスターモデルに起用される。同年、組まわりを経て月組に配属。
2014年、「明日への指針」で新人公演初主演、入団3年目。
2015年、「1789」で2度目の新人公演主演。続くバウ・ワークショップ「A-EN ARI VERSION」で、バウホール公演初主演。
2016年、龍真咲退団公演となる「NOBUNAGA」で、3度目の新人公演主演。
2017年、「Arkadia」でバウホール公演単独初主演。
2018年、愛希れいか退団公演となる「エリザベート」で、4度目の新人公演主演を務め、本公演では役替わりでルドルフ。
出演イベント
2015年12月、『タカラヅカスペシャル2015-New Century,Next Dream-』
2016年12月、『タカラヅカスペシャル2016〜Music Succession to Next〜』
2017年10月、第54回『宝塚舞踊会』
2017年12月、『タカラヅカスペシャル2017 ジュテーム・レビュー-モン・パリ誕生90周年-』
2018年12月、『タカラヅカスペシャル2018 Say! Hey! Show Up!!』
2019年1月、『演劇人祭』(外部出演)
2021年3月、美園さくらミュージック・サロン『FROM SAKURA』

うおっまぶし!
ありちゃんは研4でタカスぺにも選ばれている。優の秀な子としてひたすら期待されまくってきたことがわかるこの履歴書。
扱いの差があるじゃない、と思われるかもしれないが、貴重な新人公演主演を複数回もたせてもらっている綾凰華だって、路線と呼ばれるための条件をひとつは持っていたことがわかる。

「くすぶり」と躍進

入団直後から一気に抜擢を受けた後の成長期に対して、一時期ネガティブな評判が目立った暁千星。IAFAのパブロでは「殻を破れるか」と少々ムリ目な役作りを頑張っているよね~みたいな見られ方だったと思う。私がSNS界隈から受けた印象にすぎないけれど。
一方で、その頃(2019年)の綾凰華はいったん忘れられた存在というか脇におかれたというか、真彩ちゃんと仲良しだよね(これが今になって効いてきた)なんていう存在で、雪組内の序列的に、このまま大きな躍進する隙間が空いてなさそうだった。そのなかでほのぼのほがらかちゃんだった綾凰華。

しかし、やっぱり経験て大事と思ったのは、それぞれがそれぞれの舞台経験によって変化していってからの、今の状態。
綾凰華は真彩希帆と仲良し同期なことからスカステ番組やDSにも出演機会を得て、単純に露出が増え認知が増した。ここ最近はコロナ休止期間で歌の向上もあった模様。そして彩凪翔退団により上位番手が動く。
おまけに、トップ娘役…元トップ娘役の真彩希帆と仲良し認定からの知名度と好感度によって、人気がついているというか「ファンでなくとも好意的」なジェンヌに。これが大きいと思った。いまの扱われ方として決して悪くない、むしろ程よいジェンヌなの。宝塚歌劇はときに技術よりも人気が大事ですしね。

暁千星はというと、目立ちはしたが出番が遅くどうなの(原作がそうだから仕方ないんだけど)な、IAFAのパブロに続き、ピガールの芝居ではこれまたモブ代表そのいち!みたいな役。どちらもダンサーとして高い能力が求められ、役割としては決して小さくないどころか、重要だったけれども、いつまでもくるくる回る役だけじゃあね、という…しかし、柄が悪い(笑)方に私服も寄っていき(ダル・レークのペペル役のこともあったと思う)、気が付けばきゅるるん天使(くるくる回る)から、ギラギラスター(くるくる回るしハートも盗むよ)に覚醒。
特にピガール狂騒曲のフィナーレ、歌唱指導で魅せた圧倒的なスター性と歌は圧巻だった。その後ダル・レークでのペペル役、さくらMSでのキラキラスター枠に、舞台の外では、年末年始のスカステスペシャル番組で見せた、珠城りょうがいるときの子犬化と、れいこちゃんるねちゃんのみのときのちょい悪下級生と、惜しみなくアイドル力を発揮。珠城りょうがいないときには、首席としてやってきたリーダーシップ力も垣間見せ、人気と実力が両方増し増しと、波がきているのがよくわかる。

組替えがやってくる?

綾凰華と暁千星を並べてみたけれど、かたや別格系、かたや未来のトップ系と、進むみちは異なると思われる。しかしいま、上級生の重用(質の向上)と、「『トップスターとして退団』以外での美味しい卒業コースの生成」が進行している。
雪組は、綾凰華を出す余力はないと思うが、他組からより活躍を期待された子がやってきそう。そのとき綾凰華が今のポジにいられるか、もっと上にいけるかの正念場がやってくるかも。
月組は、今とてもいい状態で充実していてバランスも良く、何も足さない・なにも引かない…でこのままいてほしいがそうはいかず…。アンバサダー風間が暁の2期下と近いのでどうか?と言われているけれども。月城 鳳月 暁 風間 の並びが強すぎて。このメンツが月組というのも最高に面白い。




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